障害者雇用(障害者枠)での就職とは?
障害をもつ人の場合、一般的な求職活動での求人・応募および就労形態での就職だけでは就労の機会が十分に得られない場合があります。
そこで『障害者雇用枠』という特別な採用枠が一般雇用枠とは異なる採用基準で公的機関や企業に就職する道が用意されています。
これは障害を持つ人が必ず「障害者枠」で応募しなければならないということではなく、障害を持つ人には「障害者枠」と「一般枠」の2つの選択肢があり、自分でメリットやデメリットなどを考慮して選ぶことができるということです。
関連記事:すぐ簡単に読める!障害を持つ方のための「障害者雇用促進法」とは?
目次
- 1.障害者雇用(障害者枠)で就職するということ
- 2.自己分析
- 3.仕事をする訓練をする
- 4.仕事をさがす
- 5.応募書類
- 6.面接対策
- 7.内定後、入社までにやっておきたいこと
- 8.どこに相談すべきか
- 9.就職活動で注意すべきことは
- 10.障害を持つ方へ。『Salad』が強みを活かす就職のサポートをします
- 11.まとめ
1.障害者雇用(障害者枠)で就職するということ
障害者枠で就職するためにはどうすればよいか
障害者雇用で就職するためには障害者雇用の求人を探して応募する場合が多いです。
ハローワーク、障害者向けの求人サイト、企業の求人サイトなどから応募します。
就職・転職エージェントに登録することもできます。転職エージェントに登録すると、非公開求人を紹介してもらえるチャンスもあります。
関連記事:ハローワークの障害者求人の検索のコツとは。就職に向け支援者の活用が大切。
関連記事:発達障害を持つ人がハローワークで受けられる支援とは? 窓口の利用方法は?
関連記事:【障害者雇用】就職・転職エージェントのメリット&デメリットとは
障害者雇用で就職するためには障害者手帳は必要か
障害者雇用率制度の上では、身体障害者手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳の所有者を実質雇用率の算定対象としています。
ほとんどの場合、障害者手帳がないと障害者枠で就職することは困難です。
参考:事業主の方へ|厚生労働省
関連記事:障害者手帳を取得、申請する4つのメリットと3つのデメリット
障害者枠で就職するメリット
企業によりますが、障害の特性を伝えることで、それぞれに配慮した適切な仕事環境・仕事内容を提供してもらえる可能性があります。
また障害特性のために長時間勤務では負担が大きい場合の短時間勤務や、通院が必要な場合通院のための休み、ラッシュの時間帯を避けた通勤など、勤務時間や勤務形態への配慮が受けられる場合があります。
関連記事:障害者枠と一般枠ってどう違うの?実習が大きなカギだった!?
関連記事:精神障害者雇用の再就職に不安なら、「短時間勤務」から始めてみよう
障害者枠で就職するデメリット
職場によりますが給料が比較的安い(精神障害者と知的障害者の平均月給は20万円以下)、コミュニケーションがうまくいかずに理解が得られない職場では、企業に貢献したいと思っても戦力とみなされない、障害者の特徴に全員を当てはめようとされるなどの可能性があります。
関連記事:障害者枠での給料は一般枠より安い?枠よりスキルの専門性が大事!
関連記事:企業で勤務した体験から考える、障害者雇用にとって良い職場環境とは
一般枠(クローズ)で就職した場合のメリットとデメリット
クローズで就職した場合、職種の選択肢の幅が広い、キャリアアップの可能性が高い、給与が高いケースが多いなどのメリットがあります。
また、通院・服薬・勤務時間など障害に応じた配慮を受けることが難しい、職場で障害を隠し通さなければならない、職場に支援機関が介入できないというデメリットがあります。
関連記事:精神障害を持つ方がクローズで就職したときのメリット、デメリット
関連記事:発達障害を持つ方が「クローズ」で就職にトライするときの対策3つ
どちらを選ぶか
障害を持つ人が必ず「障害者枠」に応募しなければならないということではなく、障害を持つ人には「障害者枠」と「一般枠」の2つの選択肢があり、自分で希望やメリット・デメリットなどを考慮して選ぶことができます。
ただし一般枠(クローズ)で就職した場合の定着率は障害者枠(オープン)で就職した場合よりも低く、障害を開示しないで仕事を続けるということは難しいです。
関連記事:障害者枠での給料は一般枠より安い?枠よりスキルの専門性が大事!
関連記事:知的障害の方は就職できない?強みを活かす方法はあるか
2.自己分析
やりたいことがわからない
自分でやりたい仕事がわからない場合、自己分析から始めましょう。
自分のキャリアや自分の得意なこと、やりたいことを棚卸しして自己分析を行いましょう。
関連記事:障害者の就職活動における志望動機の書き方
関連記事:【障害者雇用】要注意!仕事が見つからないときにしがちな探し方3つ
適性検査
職業適性検査を受けるのも仕事選びの参考になります。職業適性検査は、ハローワークなどで受けられます。
関連記事:精神障害は就職に不利?何の仕事ができるか分からないときの打開策
就労移行支援
就職する前に就労移行支援事業所に通いたいという場合もあるでしょう。
就労移行支援事業所とは国の認可を受けて障害のある方に向け一般企業への就職をサポートする福祉サービスです。
就労移行支援事業所では仕事のスキルを学んだり、就職に関する相談やサポートを受けたりすることができます。
学びたいスキルを学べるかや事業所の支援スタイル、雰囲気、通いやすさなどを考え、利用したい事業所を選びましょう。
参考:就労移行支援について | 障害を持つ方向け就職支援〜Salad〜
参考:取材済の就労支援事業所一覧 | 障害を持つ方向け就職支援〜Salad〜|就労移行支援事業所の検索
就労移行支援事業所を利用するには
通いたい就労移行支援事業所も決まり、利用手続きに進んだとき、その手続きの一つとして認定調査を受ける必要があります。詳しくは下の関連記事をごらんください。
関連記事:【就労移行支援・利用手続き】『認定調査』とは。内容や流れを紹介
3.仕事をする訓練をする
職業訓練
仕事の実務スキルを学ぶために、職業能力開発校で職業訓練を受けることができます。
障害を持つ方には下記のような選択肢があります。
- ・一般の職業能力開発校で障害を持つ方対象の訓練コースを受ける
- ・障害者職業能力開発校で障害を持つ方対象の訓練コースを受ける
- ・その他、障害の態様に応じた多様な委託訓練(地域の企業や社会福祉法人、NPO法人、民間教育訓練機関など)
申し込みはお住まいの地域を管轄するハローワークからできます。
関連記事:【発達障害】就職のための実務スキルを訓練する方法・施設を紹介
4.仕事をさがす
ハローワークを利用する
インターネット環境があればどこでもハローワークインターネットサービスで求人を検索することはできますが、求人票をもらって求人応募の申し込みをする場合はハローワークの利用登録をし、窓口に行く必要があります。
ハローワークには一般の窓口以外にも、障害がある方専用の窓口があります。障害者雇用(障害者枠)の求人を探す場合は障害者専門の窓口を利用しましょう。
詳しいハローワークの所在地や利用方法は下記の関連記事をご覧ください。
関連記事:発達障害を持つ人がハローワークで受けられる支援とは? 窓口の利用方法は?
仕事の探し方
求人には目に見える形で募集をしている顕在求人と、人材を必要としているが公に募集をしていない潜在求人があります。求人全体に占める割合は顕在求人が30%、潜在求人が70%と言われています。
顕在求人は今まさに人を必要としている、雇用条件や仕事内容などがあらかじめわかる、一つの求人がさまざまな媒体に出ていることが多く見つけやすいなどの特徴があります。
潜在求人は競争相手が少ない(いない)、選考の進み方が比較的早い、入社日や希望職種を相談するチャンスがあるなどの特徴があります。
潜在求人は公開されている求人(顕在求人)をもとに違う職種のニーズがないか考えて応募したり、人脈を利用して仕事を探していることをアピールしたり、企業情報をもとに採用担当者または社長にダイレクトメールを送ってアプローチするなどの方法があります。
関連記事:【仕事がないと悩んだら】障害者雇用にはこんな種類の仕事もある!
関連記事:【障害者枠】仕事の探し方がわからない…企業に強みを提案するヒント
仕事を検索するコツ
ハローワークや求人サイトなどで仕事の検索をする際のコツとしては、
- ・できるだけ新しい求人に応募する(すぐに他の希望者からの応募が来て、締め切りになる場合もあるため)
- ・応募条件の年齢を1~2歳ほど若めに入力して検索する(例…32歳だったら30歳など。すべての応募条件を満たしていなくてもOKの場合が多いので、応募できる求人の幅を広げるため。)
- ・求人票の応募条件はすべて満たしていなくてもOK
- ・完璧に希望通りの募集内容でなくても興味を持てる内容だった応募してみる
などがあります。
関連記事:ハローワークの障害者求人の検索のコツとは。就職に向け支援者の活用が大切。
5.応募書類
履歴書、職務経歴書
応募したい業界や職種が定まったら、まずはじめに応募書類の作成に取り組むことになると思います。
応募書類作成の目的は、書類選考を通過して面接の機会を得ることです。そのためには採用担当者が「この人に会ってみたい」と思うような応募書類を作成する必要があります。
詳しい書き方などは関連記事もご覧ください。
ハローワークやジョブカフェ、しごとセンターなどで応募書類の添削や作成に関する指導を受けることもできます。
関連記事:【体験談】障害者雇用の履歴書・職務経歴書の書き方で注意したこと
参考:ジョブカフェにおける支援 |厚生労働省
参考:無料の適職診断、履歴書・ES作成、書き方のアドバイスも受けられる情報コーナー│東京しごとセンターヤングコーナースペシャルサイト
志望動機
採用担当者は非常に多くの応募書類を見ることになります。
そのため履歴書の中でも採用担当者が特に注目しているポイントというのはいくつかあります。志望動機もそのポイントの一つです。
志望動機の内容が応募先の企業にマッチしているか、自分の経験をどのように生かせると考えているか、意欲が感じられるかなどをどのように考えて書いているかをチェックしています。
関連記事:障害者の就職活動における志望動機の書き方
自分の障害について伝える
就職活動の際に、自分の障害特性をどのように伝えてよいのかわからないという場合、就職活動や職場定着に役立てるためのツールとしてナビゲーションブックを作成することもできます。
ナビゲーションブックとは、障害者職業総合センターによって推奨されている、障害を持つ方が就職活動や職場定着を円滑に進めるためのツールです。基本的には障害のある方本人が作成し、本人が活用していくことが想定されています。
履歴書に記入する場合は、本人希望記入欄に障害の概要と希望する配慮を簡単にまとめて記入するとよいでしょう。(例…障害種別:発達障害(ASD)、精神障害(うつ)一ヵ月に二回程度の定期通院が必要です。)
関連記事:「ナビゲーションブック」とは?就職活動で精神障害の特性を伝えよう
ポートフォリオ
ポートフォリオはイラストやデザイン系の就職の際に企業に提示する自分の作品集です。履歴書などに加えて、自分はどんな作品ができるのか、どんな色調や構成が得意なのかを希望する就職先に伝えるためのツールになります。
デザイナー・イラストレーター・フォトグラファーなどのイラストやデザインなど『絵』『画像』に関わる就職の際には必要になることが多いです。
求人票に応募書類として指定している企業もあります。丁寧に作成して郵送または面接に持参しましょう。
関連記事:ポートフォリオとはどんなもの?構成、作り方のポイントにつて紹介
LGBTQの就職活動
LGBTQであることを公にせずに(クローズで)就職活動をする場合、履歴書などの応募書類の性別欄に悩み、記入できない場合があります。
無理に男女どちらかを選んだとしても、その性別としてふるまうことが負担になってしまい、就職活動自体に集中することができません。
また、スーツを着て就職活動をすることや働くことが困難な場合があります。
スーツは女性用・男性用がはっきり分かれており、着用することで性別を意識せざるを得ません。そのため最初からスーツ着用でない職種にしか応募できず、職種が限定されてしまうこともあります。
また職場の理解が得られず、アウティングやさまざまな問題が起きる場合もあります。
就職先や就業形態を選び納得のいく形の就職を目指しましょう。
関連記事:障害者への価値観も多様化へ。メリット、デメリットから心掛けること
関連記事:『アウティング』とは?職場でLGBTが困ること、法律違反のケースも!
参考:PRIDE指標とは – work with Pride
参考:エントリーシートの性別欄には、男か女かしかない。「隠さずに就職したい」LGBTが直面する困難と見えてきた希望|BuzzFeed news
途中で辞退する場合のマナー
選考が進んでいくにつれて、仕事の内容や条件、会社の雰囲気などが自分に合わないと感じる場合もあるでしょう。
入社後に調整が不可能と思われる程度のギャップを感じる場合には、選考中でも辞退することができます。
就業時間内の多忙な時間を避けるなどのマナーを守り、選考の機会をいただいたことに感謝して、必ず辞退の連絡を入れましょう。
無断で約束の時間に選考や面接に行かないことは絶対に避けましょう。
採用担当者にとっても予定の調整などの都合が良いため、辞退の連絡はできるだけ早いほうが良いでしょう。
関連記事:発達障害を持つ人がハローワークで受けられる支援とは? 窓口の利用方法は?
6.面接対策
面接に備えて準備すること
面接に備えて準備できることもあるので、事前に準備と対策を行いましょう。
面接の限られた時間の中でよく聞かれる質問はほとんどが決まっています。主なものをピックアップして答えを準備しておくとよいでしょう。
企業のホームページなどで情報をチェックして、面接官からの「何か聞きたいことはありませんか?」という質問に対する逆質問も2、3個考えておくと本番で困りにくいでしょう。
面接から結果の連絡までは気持ちが落ち着かないかもしれませんが、入社に備えて勉強をしたり、いくつかの応募を並行して行っている場合は他の企業への応募の準備を行ったり、気持ちを切り替えて次に向けた行動をして過ごしましょう。
関連記事:【どんな質問をされるの?】障害者枠で面接を受ける方が準備すべきこと
関連記事:【障害者雇用】採用面接で聞かれること、押さえておくポイントは?
関連記事:【障害者雇用】ASD男性、就職活動の面接結果待ちなどの際心掛けたこと
服装
終業時の服装には寛容な企業も増えていますが、いまだに説明会や面接時などには就職活動に適した服装であることを求める企業が多いのが現状です。
身だしなみにおいても、どこまで社会常識を理解しているかを企業側は把握しようとしています。
一般的な就職活動の服装には具体的なルールがあるので、下記の関連記事をご覧ください。
アパレル・クリエイティブ系の職種などで私服での面接を求められる場合は、支援者(地域の就労支援機関や就労移行支援事業所のスタッフなど)や同業の知り合いなどに相談してふさわしい服装を準備しましょう。
関連記事:【職歴なしの男性必見】障害者雇用の就職活動に適した服装・恰好は?
関連記事:【職歴なし、女性向け】障害者雇用で就職活動開始!適した服装は?
マナー
書類選考は通るのに面接がうまくいかない……。という場合、面接時の対応に問題があるのかもしれません。
受け身すぎて主体性ややる気が感じられなかったり、質問に対して回答にならないことを言うなどコミュニケーションがうまく取れなかったり、自分の障害特性について具体的に説明できなかったりなどの問題がある場合、良い印象を持たれない可能性があります。
また面接の時点ではまだ言うべきではないことや、聞くべきではないこともあります。
事前に調べて面接対策を行いましょう。詳しくは下の関連記事をごらんください。
関連記事:【障害者雇用】面接で落ちるのはなぜ?良い印象を与えるポイントは?
関連記事:【障害者雇用】面接で聞いてはいけない質問、効果的な「逆質問」は?
自分の障害について伝える
面接の際に自分の障害特性や必要な配慮について聞かれた際に、具体的に説得力のある説明ができなければ面接官に不安を抱かせてしまいます。事前に回答を準備しておきましょう。
障害特性と必要な配慮について例えば下記のようにまとめておくと必要な情報を伝えやすくなります。
・障害特性や特徴
(例…発達障害で聴覚過敏があり、周囲で大きな声や電話の音がするのが苦手)
↓
・環境や周囲への要望
(例…周囲の影響が少ないフロアの隅の座席を希望します)
↓
・自分なりに行っている対処
(例…音が気になるときはヘッドフォンや耳栓を使用することで症状を軽減して、仕事に集中できるようにしています)
関連記事:面接で企業に伝える「自分の障害について」作成ポイント4つ
面接の内容を振り返る
次回以降の面接に生かせるように、答えにくい質問はあったか、回答の内容はどうだったか、面接官の反応や対応などを振り返りましょう。
面接のお礼状を書いて送る
面接のお礼状は絶対に書かなければならないというものではありません。また送ることで選考が有利になるものでもありません。
しかしビジネスマナーを守ってお礼状を送ることで、送らなかった他の応募者に比べて印象が良くなるケースもあります。
面接の最後まで後悔のないようにしたいのであれば、お礼状を送って感謝とやる気を伝える機会を逃さないようにするのも一つの手段です。
内容は面接の機会を頂いたお礼と入社の意欲を伝えることがポイントです。
下記のような内容について書くと効果的でしょう。
- ・面接で印象に残った言葉
- ・企業の経営理念などで感銘を受けた点
- ・入社後、どのように企業に貢献したいのか
はがきでの連絡が一般的ですが、企業によってはメールでも問題ありません。
いずれの場合にも早く気持ちを伝えることが重要です。
郵送(はがき)の場合は面接終了当日か遅くても翌日には出すようにしましょう。
時間がたってからのお礼状は応募者の印象と結びつきにくいだけでなく「仕事の時も反応が遅いのでは?」とかえって逆効果になることもあります。
「面接中に手ごたえを感じたので最後の一押しとしてメッセージを送りたい」、「面接時にうまく伝えられなかったり、失敗したりしたことのリカバリー」などの内容を書くこともできます。
参考:面接のお礼状は書くべき?|お礼状の書き方やポイントを解説(例文あり!) |【エン転職】
参考:【例文&マナー】面接のお礼メール・お礼状、実際に送った人はXX%!? 書き方と宛先は?|マイナビ転職
参考:面接のお礼状は必要なの?採用につながる書き方とポイントを紹介【面接パーフェクトガイド】|女の転職type
7.内定後、入社までにやっておきたいこと
就職先について調べる
就職する企業や団体についてできるだけ情報を集め、よく知っておくことも大切です。
就職の際に企業情報を調べたときの視点よりさらに踏み込み、企業の一員として仕事をするという視点で情報をチェックしていきましょう。
自分が企業の一員としてどのように貢献できるかイメージし再度勤める企業について調べましょう。
競合する同業他社や関連する企業についても調べてみるのもよいでしょう。
関連記事:【精神障害者雇用】就職直前の不安解消!事前準備について復習しよう
ビジネスマナーを身につける
働き始めてから困ることのないよう、社会人としてのマナーやスキルを予習しておきましょう。
わからないことは就労移行支援事業所や地域の就労支援機関のスタッフに相談するのもよいでしょう。
関連記事:秘書検定とは。ビジネスマナーなど就職に活かせるスキルにも繋がる!
入社の準備
職場で障害に対する配慮をお願いするために、自分の障害特性をどのように伝えればよいのか迷う場合、ナビゲーションブックを作成して活用するのもよいでしょう。
ナビゲーションブックは、障害を持つ方自身が就労支援を受ける過程で体験したことを基に作成します。自分の主観だけでなく支援者や周囲の人からの客観的な意見も参考にするのがポイントです。作成にあたっては、おおむねA4用紙1枚に収まる程度の分量を意識しましょう。
内容に
- ・自らの特徴やセールスポイント
- ・障害特性
- ・職業上の課題
- ・企業に求める配慮事項
などを盛り込むことで、自身の特徴や障害特性を企業に正確に伝えることを助ける働きが期待できます。
ナビゲーションブックは、支援者など他者からの視点も踏まえながら時間をかけて自己理解を深め、履歴書や職務経歴書とは別に作成するツールです。自分の得意なことや苦手なことを整理しながら作成するため、先に挙げた困りごとを解消することに役立つ可能性が高いのです。
関連記事:「ナビゲーションブック」とは?就職活動で精神障害の特性を伝えよう
8.どこに相談すべきか
就職活動で困りごとがあるとき、どこに相談すればよいのか
就職活動中に自分で就職活動の計画を立てられない・スケジュール管理や書類の管理ができない・企業にうまく自分自身について伝えることができない・面接などでコミュニケーションが成立しないなどの悩みがある場合はハローワーク・地域障害者職業センター・就労移行支援施設などで相談することができます。詳しくは下記の関連記事をご覧ください。
関連記事:【発達障害】就職活動で抱えやすい悩み。相談先となる支援機関を紹介
職場定着・就労で困りごとがあるとき、どこに相談すればよいのか
健康状態については(企業にもよりますが)一般社員と同様に保健師や産業医にも相談できます。特例子会社などでジョブコーチが社内に在籍する場合はジョブコーチに相談することができます。
社外の人に相談したい場合は、就労移行支援事業所などを利用して就職した人の場合は就労定着支援を受けることができます。就職が決まり、事業所を卒業する前にスタッフに相談しておきましょう。地域の就労支援機関(社会福祉協議会など)に定着支援を依頼することもできます。
関連記事:【就労移行支援】就労定着支援とはどんなサービスなの?受けるには?
参考:障害者就労定着支援事業について | 江東区社会福祉協議会
参考:定着支援事業 | NPO法人 大阪精神障害者就労支援ネットワーク
9.就職活動で注意すべきことは
「連絡をしない」ことは絶対に避けましょう
選考を辞退する場合や、体調不良などのやむを得ない場合で選考や面接に行けなくなったりした場合は必ず連絡しましょう。連絡するタイミングは行けないことが決まってから可能な限り早いほうが良いでしょう。
就業時間内の多忙な時間を避けるなどのマナーを守り、選考の機会をいただいたことに感謝して、必ず辞退の連絡を入れましょう。
行けなくなったのが当日でも必ず連絡しましょう。無断で約束の時間に選考や面接に行かないことは絶対に避けましょう。
体調管理
就職活動中に大事なことの一つに体調の管理があります。説明会や面接へ行くときはもちろん、応募に備えて勉強や応募書類の作成などを行う際も体調や精神状態が不安定では就職活動に自分の持っている力を発揮できません。
治療中の症状などがある場合は医療機関に相談し、可能な限り体調を整えて就職活動にのぞみましょう。
関連記事:【精神障害】体調の波があって辛い…職場定着のための体調管理法は?
関連記事:発達障害は働く体力がない?職場定着のための疲労予防・体力作りとは
うつ・不安が強い場合
精神障害やうつにより休職や職がない状態から、就職・復職する場合、体調の管理が重要になります。入社後も体調管理が難しく離職することが多く、企業も精神障害をもつ人を採用する場合、この体調面の問題を最も重視しています。
また、ふとしたきっかけで症状が悪化したり、就活うつになったりする可能性もあります。
体調や生活リズムを安定させるように心がけ、自分を追い込みすぎないように就職活動に取り組みましょう。
関連記事:【応募書類・面接対策】うつ病を持つ方が就職活動で準備すること
関連記事:【不安障害】就職をイメージできない、就職活動が怖いときの対策は?
関連記事:障害者雇用でもクビになることってあるの?仕事で気を付けることは?
10.仕事・働き方に悩んでいたら。『Salad』が強みを活かす就職のサポートをします
11.まとめ
就活の全体の流れが見えてきたでしょうか? やることが多く、仕事のスキルを学ぶところから選考までの道のりが長いように感じるかもしれません。
焦って準備が足りない状態で先の段階に進もうとしても難しいでしょう。
無理をしすぎずに自分のペースで就職活動にとりくむことができるよう、Saladも応援させていただきます。
就職活動や仕事に関するお悩みで、相談先に迷ったらこちらのメールフォームからSalad編集部までご連絡ください。お待ちしています。