精神障害を持つ方がクローズで就職したときのメリット、デメリット

精神障害を「クローズ」した就職には、メリットとデメリットがある

クローズで求人応募する女性

「クローズ」とは

クローズ」とは、精神障害を持つ方が自身の障害を開示せず、企業に就職することをいいます。反対に、企業に自身の障害を開示して就職することを「オープン」といいます。クローズで就職した場合、他の障害を持たない方と同じ条件で仕事をします。配慮などがない分、障害者雇用より給与が高いケースが多いです。

参照:平成 30 年度障害者雇用実態調査結果

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「クローズ」での職場定着は難しく、「オープン」と比べても離職が多い。

障害を隠して就職する「クローズ」の場合、障害者雇用で就職した場合と比較すると、採用後1年定着している精神障害を持つ方の割合は半分以下に下がります。さらに3か月で半分の方が離職しています。離職の主な原因として、体調面の問題や対人関係が多いです。障害を開示しないで仕事を続けるということは難しいです。

参照:障害者職業総合センター研究部門 障害者の就業状況等に関する調査研究(平成29年)

【精神障害】クローズで就職するときのメリット

職場で活躍する、障害を持つ女性

まず、あなたが自分の障害を開示しないで就職する「クローズ」の場合、どんなメリットがあるのかご紹介します。

1)キャリアアップの可能性が高まる

クローズで就職する場合は、一般枠の求人に応募します。そのためオープン就労と比べて選べる求人の幅も広く、キャリアアップの可能性は高くなります。職場で実績を上げれば、重要な仕事を任されることもあります。

2)職種の選択肢が幅広い

障害者雇用(オープン)の場合、応募できる職種は限られています。クローズの場合一般枠のため職種も幅広く、あなたの希望する職種が見つかりやすいです。

3)給与が高いケースが多い

クローズで就職する場合、一般枠の求人に応募するため他の障害を持たない方と同じ条件の給与を受けられます。オープンと比較して、高い賃金で就職することができます。

このようにオープンでの就職と比べて、クローズではあなたが望むキャリアにつきやすいです。それでは、あなたが障害を隠して就職することにはどんなデメリットがあるのでしょうか?以降、精神障害を持つ方がクローズで就職した場合のデメリットをご紹介します。

クローズで就職したときのデメリット

クローズでの働き方について医師と相談する男性

1)通院・服薬の配慮がない

クローズで就職した場合は、あなたは「障害を持たない方」として振舞わなければなりません。

そのため「今日は精神科に通院するので休ませてください」「精神安定剤を飲んでいるので、仕事中眠くなるかもしれません」と申告することはできません。

2)職場での勤務形態や業務への配慮がない

クローズは、一般枠として就職します。当然障害に対しての配慮はありません。体調に合わせて勤務時間を調整することや、あなたが苦手な業務を周囲にカバーしてもらうということもできません。

勤務条件は他の障害を持たない方と同じです。ただし応募の際、人事や経営層にだけオープンにし、現場にはクローズにする方法もあります。その場合、担当業務やポジションなど、大まかな配慮はできるかも知れません。

しかし現場には公開しないため、職場では臨機応変な対応が求められます。

3)職場で障害を隠し通さなければならない

精神障害の主な症状として、気分障害や不安障害があります。職場でのコミュニケーションでも障害を隠さなければなりません。

環境により体調が大きく変動する方の場合でも平常を保つことが求められます。そのため、クローズで就職する方には高い自己管理能力が必要です。

また、年末調整など、企業に提出する書類の記載内容にも注意が必要です。医療機関の通院記録を考慮するなど、事務手続きについての知識も必要になります。

4)支援機関が職場に介入できない

就労支援センターや就労移行支援事業所など、障害者の支援機関を利用していれば、困ったときに相談することはできます。

しかし、障害者雇用のような定着支援制度など、支援機関が職場に介入することはできません。もちろん、採用面接もあなたひとりで受けることになります。問題が起きても支援機関が職場に助言をすることはできないため、現場で問題があったとき、あなたひとりで対処しないといけません。

それでは、そのデメリットに対してあなたはどう準備すればよいか。以降、対策をご紹介します。

クローズで就職するときの対策

クローズの方法について考える女性

1)医療機関と相談して、通院日などを工夫する。

デメリットの部分でお話しした通り、仕事がある日に病院に通うことはできません。そのためクローズで就職を希望する場合は、事前に通院先の医療機関とよく相談しましょう。

相談内容として具体的に
〇通院日(曜日や頻度)
〇服薬の内容(副作用への対策など)
〇仕事中に具合が悪くなったときの対処法(周囲への申告の仕方など)
などを話し合い、明確にしておきましょう。

2)事前に応募したい企業について調べておく。

実際に職場についたとき、あなた自身で障害をカバーして仕事をしなければなりません。そのため、どうやって障害を持たない方と同じように働くかを考えましょう。

あなたにも利益や企業努力が求められます。「即戦力」として、あなたが障害を抱えながらどう仕事をしていくか。希望している企業に対する、細かい調査が必要になります。

3)現場で障害を「隠す方法」について、専門機関と相談する。

「自身の障害を隠して仕事をする」ということは、想像以上に大変です。職場での日常会話などにも注意しなければなりません。
「あの人よく具合が悪くなるよね・・」と思われないように振舞うことも難しいです。

不安であれば、就労支援センターや就労移行支援事業所のスタッフなど専門機関の方とよく相談しましょう。職場に支援機関が介入することができないため、困ったときの対処法なども聞いておきましょう。

また、事務手続きに関しても同様です。

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まとめ

ステップアップしていく障害を持つ方

いかがでしたでしょうか。

あなたの障害を隠して就職するクローズ就労は、メリットとしてオープン就労と比べて高いキャリアアップが望めます。しかしながらそのデメリットとして、仕事中は「障害を持たない方を演じ切る」高い自己管理能力が求められます。自身の障害をよく理解してコントロールすることが、障害を持たない方と同じように活躍する条件です。

今「クローズかオープンかどっちにしようかな・・?」「クローズで応募したいけど、どんな準備が必要なのかな・・?」とお悩みの方はSalad編集部までご相談ください。

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