『アウティング』とは?職場でLGBTが困ること、法律違反のケースも!

LGBTが浸透し、性の多様化が受け入れられてきている

多様な性の形を応援するクマのキャラクター

LGBTとは

「LGBT」とは、
L…Lesbian(レズビアン、女性同性愛者)
G…Gay(ゲイ、男性同性愛者)
B…Bisexual(バイセクシャル、両性愛者)
T…Transgender(トランスジェンダー、性同一性障害などの体と心の性別が一致せずかつ外科的手術を望まない人)
の頭文字を組み合わせ、それぞれの特徴を持つ方を表した用語です。

性の多様性やアイデンティティを尊重するために生まれています。

ちなみに、LGBTの代わりに「性的少数者」という表現を使われるケースもありました。しかし「少数」という表現を不快に感じる方もいるため、LGBTのほうがよりポジティブな表現と考えられています。

参照:LGBT 法務省

近年、性の多様化が受け入れられつつある

近年ニューロダイバーシティなどの「多様化」の浸透が進んでいます。LDBTなどの「性の多様化」もその一つです。

最近では法的効力がないが地域として同性婚を認める「パートナーシップ制度」の取組みを進めている都市も出てきています。

参照:パートナーシップ制度とは? – レインボー高知
参照:渋谷区パートナーシップ証明書 | 渋谷区公式サイト
参照:大阪市:大阪市パートナーシップ宣誓書受領証を交付しています

しかし、職場でLGBTが困ることもある

このようにLGBTを受け入れていく運動が進められている一方、職場ではLGBTに対する問題が出てきています。

そのひとつが『アウティング』です。現在訴訟や刑事事件に発展するほどの問題になっているケースもあります。

このアウティングとは、どのようなものなのでしょうか。

LGBTに対する、職場でのアウティング

アウティング をする男性

アウティングとは

「アウティング」とはLGBTに関わる方に対して、本人の了解を得ずに公にしていない性的指向や性同一性など性自認の秘密を暴露してしまう行動のことです。

性的指向や性の特徴などはプライバシー問題や選択の自由侵害に関わります。当事者でない方からすれば何気ない発言であったとしても、その方の生活の全てをつぶしかねない大きな問題となり得るのです。

場合によっては法律や条例違反にもなりうる

アウティングは、労働施策総合推進法(通称、パワハラ防止法)により違反行為とされています。その他地域で条例として規定しているところもあります。

参照:アウティング

人により傷つきやすい言葉や不快に感じやすい言葉は様々です。LGBTだけでも様々な感覚を持った方がいます。しかし様々だからといって考え切れない、と諦めることは許されません。場合によっては法律違反となり、訴訟問題にもなりうることなのです。

LGBTの事実自体を暴露してしまうことはもちろんですが、周囲にLGBTと気づかせてしまう言動もよくありません。無意識のうちにアウティングしてしまっていたというケースもあるのです。

そのためにも、
・どんな言葉がLGBTを抱える方を不快にさせるのか
・カミングアウトを受けた時、何が「LGBT」を暴露する行動になりうるか

を確認し、日頃から注意していくように心がけていきましょう。

では、アウティングを始めLGBTを抱える方が困りやすい言動をご紹介していきます。

アウティングになりうる、LGBTを抱える方への言動

談笑中でもアウティング にならないか注意

怯えるなど、過度に反応する

例えばそれまで「同性の同僚」として見ていたものが、LGBTのカミングアウトにより「恋愛対象かも」と考えるケースがあります。しかし異性が全員恋愛対象として見てこないのと同じで、カミングアウトされたからといってイコール恋愛対象とはなりません。

ですから相手を警戒したり、怯えたりするなど過度な反応をすることは控えましょう。そのような違和感を周囲が感じ取り、公にしていないLGBTに気づいてしまうかもしれないのです。

心の性や心情、性的指向を聞こうとする

同性(または両方の性)を恋愛対象であること、性同一性であることをカミングアウトされたとき、「この人だったら異性の気持ちが分かるのかな」と感じるかもしれません。

しかしLGBTはそれほどシンプルなものではなく、人それぞれ感覚が異なります。ですから異性に聞かないような心情を、LGBTに関わる方にも聞いてはいけません。

あくまでも、LGBTを抱える方の「悩み」に対して答えることが大切です。情報収集ではないことを意識するようにしましょう。

無理に褒めようとする・待遇を変える

LGBTを抱える方をカバーするつもりで「(心が男性であるから)男っぽいところがある」「(心が女性であるから)女性のような気配りがあるんだね」などを話そうとする方がいるかもしれません。または、性別が女性であると知って、「急に重たい荷物を持たせなくなる」などのケースも考えられます。

褒めようとしたい、優しく接したい気持ちはわかりますが、そもそも「LGBT」を前提にしているからこそ出る行動です。そのため強い差別を感じさせるおそれがありますし、周囲から「どうしてあいつだけ荷物を持たなくていいんだ?」と気づかれてしまいます。

恋愛事情について深く聞こうとする

まず、特にトランスジェンダーやバイセクシャルを持つ方に関して、「男性・女性両方の心情が分かる」という思い込みをなくす必要があります。「両方の性に関心がある」「両方の性を抱えている」ことが、イコール「両性の気持ちが分かる」にはつながりません。

LGBTではない人に聞いていないようなことは、同じように聞いてはいけません。

特に恋愛事情は、職場で問題になった時に大きなダメージになるおそれもあります。興味本位などで恋愛事情を聴くことは控えましょう。

体の事情について聞く

トランスジェンダーをはじめ、手術の有無など性の「体の事情」について聞くことは控えましょう。LGBTでない方に健康問題を聞かないことと同じく、プライバシーにかかわることです。

参考:LGBT当事者2600人の声から – NHKオンライン

このように当人の個性や性格を度外視し、「LGBTへの興味」のみで発言することは差別になりやすいです。

「LGBT」を特別視し過ぎず、個人として向き合うことが大切

個人として向き合い談笑する二人

LGBTを特別視し過ぎると、アウティングにつながりやすい

カミングアウトを受け、確かに驚いたかもしれません。しかしだからといって「あの人はLGBTだ」と特別視しすぎることで、気づかないうちに「アウティング」になってしまっていたというケースも考えられます。

人を「括り」で見るのではなく、「個人」として見る

人を「普通」「普通じゃない」など、「括り(くくり)」で見ようとしていると差別発言につながります。それは意識していなくても、自然とLGBTを強く意識することになりやすいからです。

ですから「ひとりひとりの個性」として、向き合っていく必要があるのではないでしょうか。

まとめ

人生を健やかに歩む人間の一生

いかがでしたでしょうか。

アウティングは、場合によっては相手を死に追い詰めてしまうかも知れない危険な行動です。相手の生活はもちろんですが、相手の家族やあなた自身の生活も壊しかねません。

ですからLGBTへの知識を身につけ、適正な対応ができるように心がけましょう。

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