アスペルガーはよく人の真似をする?模倣が得意な理由、注意点とは?

アスペルガーは、人の真似が多い!?

模倣を好み、得意とするケースがある

ASD(自閉症スペクトラム)」は、先天的な脳機能の障害です。発達障害の一種でかつては「アスペルガー」や「自閉症」と診断されていた名称が、現在は「ASD」に統合されています。

特性がコミュニケーションで困難を感じることが多く、職場などで仕事を覚えるときにも苦労したことがあるのではないでしょうか。何度聞いても意味が分からず、相手にうんざりされて苦しむケースも考えられます。

そのため、覚える方法として「物まね」「模倣」という手段を取るケースがあります。

【アスペルガー】人の真似・模倣が得意な理由

それでは、なぜASD(=アスペルガー)を持つ方は「人の真似」が得意なのでしょうか。

1)基準となるものが分かりやすい

ASDを持つ方は、曖昧な物事を受け入れて処理をすることが苦手です。したがって仕事などを覚えるとき、「何をもって『良し』とするか」の判断に困りやすいことがあります。

自分自身で周囲の空気や相手の表情を読めないことを自覚していると、相手の意図とずれてしまうことに不安を感じやすいです。そのため、基準となる「見本」を求めるケースが多いのではないでしょうか。

2)人に聞いた物事より、見た物事から吸収しやすい

ASDを持つ方は、コミュニケーションが苦手なことから耳から情報を吸収するのが苦手なケースがあります。これは会話の際に、強い緊張や不安を感じるためです。

代わりに、視覚情報などの「見たものを吸収する」ことが得意なことがあります。そのためどれだけ言っても理解できなかったものが、一度手本や具体例を見せただけで理解することもあるのではないでしょうか。

人の模倣にも注意が必要

人の真似=模倣をすることで吸収できる力は大切な「スキル」の一つです。しかし、それだけでは仕事はできません。

また、人とのかかわりを経由せずに見て覚えることで、相手に「覗かれている」「勝手に(動きを)盗まれている」と思われる可能性もあります。どうやって覚えたのか、相手には分からないためです。

ですから、人の物まねをするときにも注意が必要です。

それでは、仕事で人の模倣をするとき、どのようなところに注意すればよいのでしょうか。

他人の模倣をするときの注意点

無理をして適応障害にならないように注意する

ASDを持つ方は、与えられた物事に対して忠実に行おうとする良さがあります。

しかし、「コピーと言えるくらいに忠実でなければならない」と完璧を求めすぎることに苦しみやすいです。

これらのプレッシャーから、適応障害やうつ病などの二次障害になってしまうおそれがあります。

関連記事:【大人の発達障害】疲れに気づかないと二次障害の危険も!対策を紹介

オウム返しにならないように心掛ける

言葉のやり取りでの「物まね」にも注意が必要です。相手の言っていることをそのまま返せば全て良いわけではありません。場合によっては「オウム返し」の度が過ぎると、相手を不快にさせてしまうことがあります。場合によっては「何も考えていない」「馬鹿にしているのではないか」と誤解されることも考えておかなくてはなりません。

対処としては、自分の意思を持ち「相手の話から自分ならどう活かすか」考えていく姿勢が必要です。相手の話に対して、主体的に聞く癖をつける心がけをしていきましょう。

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自分のポジションで行うことがあるか、上司に確認する

真似をするだけでは仕事が進まない理由の一つに「あなた自身のみに求められていること」があることがあります。これは誰かの物まねでは、なし得ないことです。あなた自身で主体的に動くことを求められています。

対処としては、上司に「自分に求められていること」を確認することです。この際に、自分にできることを整理して伝えましょう。「指示を受ける」のではなく、「考えをすり合わせる」気持ちで臨むことが大切です。

物まねをして対処できていると、周囲とのコミュニケーションが少なくなります。関わりが少ないと誤解や不満を持たれやすいです。そのためにも、周囲とのかかわりは大切になります。

話し合いが苦手な場合はこちらの記事「アスペルガーは話し合いが出来ない?相手に意見を伝えるヒント4つ」を参考にしてみてください。

仕事の進め方で迷ったら、上司に相談しよう

仕事の覚え方に関わらず、対人関係や特性についての悩みについて、定期的に上司と相談していきましょう。

ASDを持つ方にとって、心の中の「モヤモヤ」が増えていくのは心身への負担になります。こちらの記事「【ASD・アスペルガー】悩み事を相談できない…きっかけの作り方4つ」を参考にして、悩みを放置しないよう心掛けていきましょう。

周囲との関わりに苦労を感じたら、テレワークを検討してみよう

どんなに取り組んでいても、人から聞いた情報から吸収するのが苦手な場合があります。かつ充分な視覚情報がなく、「分からないなら聞いてくれ」と言われている場合もあるでしょう。それで聞いても意味が分からない…こんな悪循環に困っていませんか?

このような場合は「テレワーク」がおすすめです。情報通信技術を用いて「視覚情報」でもってやり取りを行うことが多く、見たものに沿って行うことが多くなります。

働き方に悩んでいたら「カスタマイズ就業」で、自分の特性を活かした働き方にシフトする方法があることも覚えておきましょう。

詳しく知りたい方はSalad編集部までお問い合わせください。

関連記事:【発達障害を持つ方の就職】あなたもできる「カスタマイズ就業」とは

まとめ

いかがでしたでしょうか。

「他人に聞くより見た方が早い」そう思うかもしれません。その方が効率的で、早く覚えられる場合は確かにあります。しかし、それでは周囲からの誤解を生みやすいのです。「どのように覚えたのか」を周囲にも共有していないと、不安にさせるケースがあります。

コミュニケーションを行うことはとても辛いことかも知れません。しかし、共有しているからこそ、「真似が得意なこと」を受け入れてもらえる可能性も生まれます。

不安を感じるかもしれませんが、少しずつ踏み出していきましょう。

【筆者紹介】
Salad編集部員。30代男性。30歳の時にうつ病を発症。のちの診察で広汎性発達障害、ASD(自閉症スペクトラム)の診断を受けている。繊細さ・敏感さを特徴とするHSPの特徴も持っている。物まね自体は得意ではないが、視覚情報から吸収するのが得意。対話を経由せずに周囲の動きを見て仕事を行ってしまう癖があった。周囲から疑問や不思議がられることで、誤解を生むことが多かった。現在はテレワークでもって、関わりの少なさを生みやすい問題を解消しつつある。

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