ASDを持つ方が「空気読めない」と言われるのはなぜ?改善法は?

アスペルガー、ASDを持つ方は「空気が読めない」と言われやすい

相手を察することが苦手なケースがある

発達障害のひとつに、「ASD(自閉症スペクトラム)」があります。以前は「アスペルガー症候群」などと呼ばれていましたが、現在はASDに統合されています。

このASDを持つ方の特徴に「空気が読めない」ことがあります。言葉のやり取りを介さない表情や雰囲気から察するのが苦手なのです。

日本は、言葉にせず察することを良しとしている文化があります。現在は少しずつ変化していますが、それでもASDを持つ方にとっては、やり取りに苦しむことが多いのではないでしょうか。

ASDを持つ方が「空気読めない」と言われる理由

それでは、ASDを持つ方がなぜ「空気が読めない」言われやすいのか、主な理由をご紹介します。なお、ASD以外の特性を持つ方でも該当していることがありますので、そのままお読みください。

事態の全体像を把握するのが苦手

ASDを持つ方は、特性の一つに「曖昧なもの、目には見えないものに関して判断するのが苦手」というものがあります。これにより全体像が見えず、目の前に見えているものだけを「すべて」として判断してしまうケースがあります。

例えば、悪いことをして叱責されている人を「かわいそう」と思ってかばってしまう、などが例として挙げられます。ASDを持つ方には、「悪いことをした」ことが見えていません。このようなとき、あとで状況を聞いて「しまった・・」と感じたことはありませんか?

こうして全てを知らないで誤った行動をしていることから、「空気が読めない」と見られてしまうことがあります。

表情や言葉の雰囲気をつかむのが苦手

言葉ですべてを言い表すというのは難しいことで、労力を使います。そのため言いにくいことに関しては、言葉を介さず相手に気付いてほしいと期待しがちです。その結果、言葉以外の表情や言葉の語尾の強弱、しぐさなどに現れます。

ただし、ASDを持つ方も「表情から相手が何か不満なのはわかる」「雰囲気で何かあるんだろうなというのは分かる」という方もいるのではないでしょうか。しかしながら多くの方がその先の「どう対処すればよいか」が分からないのではないでしょうか。

相手が不満に思うに至る「前後関係」が見えないことで、対処が見えないケースがあります。結果違和感だけに気づいて、あとで「何が不満だったのかな・・・」と悩む方も多いのではないでしょうか。

共通認識が分からず、根本の解釈がずれている

何について話しているのか、メインであるテーマがずれているケースです。

よくあるのは、話題の対象である人物が双方でずれているケースです。会話はほとんどが、「主語」を省略することが多いです。本来は「『昨日〇〇さんとの件』はどうなった?」を「『あれ』どうなった?」と省略して話します。この省略している部分の解釈がずれていることがあります。

本来不明なことは何のことなのか確認するべきですが、ASDを持つ方にとっては「別のことだと確信している」ので、確認をしません。よく、「分からないならどうして聞かなかったの!?」と指摘されることはありませんか?でもそもそも、「その時は分からないわけではないので、聞く必要がないと思っていた」わけですよね。

あなた自身、「いわれのない指摘」と感じてストレスになりやすいです。何より、こうした共通認識すれ違いを重ねてしまうことで、「空気が読めない」と言われてしまうことがあります。

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このような問題をクリアして、「空気が読めない」と言われないためには、どのような工夫が必要なのでしょうか。

【ASD・発達障害】「空気読めない」と言われないための改善法

「何か変だな」と感じたら、相談できる人に確認してみる

空気が読めないと言われるのは、関係の有無問わずほとんどがあなたにとって「よくないこと」です。場合によっては知らなくて良いことなのに、首を突っ込んで事態を混乱させてしまったことはありませんか?都合の悪いことほど、あなたの目には見えない事実が多いものです。

ですから、目の前で「変だな」など違和感があった場合は、上司など相談できる方に確認してみましょう。できる限り前後関係を確認してから判断するくせをつけておくことで、リスクを減らすことができます。

事前に察することが苦手な旨を説明しておく

お互い対等な立場の場合は、事前に「察することが苦手な旨」を前置きしましょう。そうするだけでも、相手の誤解を防ぐことができます。

また、業務上や上司との会話の時には、ナビゲーションブックなどで事前に察することができない旨を伝えましょう。

特性を伝えていないと、「敢えて空気を読んでいない」と誤解されてしまい、相手を傷つけることもあります。

事態の当事者の「主語・述語」を確認する

会話の中での根本がずれるケースで最も多いのは「主語がない」ときとお伝えしました。「誰が~どうした」「何が~どうなった」など、主語・述語を確認することで、お互いの会話の「テーマ」をすり合わせることができます。こうすれば、「空気が読めない」というケースもなくなります。

反対に、あなた自身も相手に分かりやすく説明したい場合は「主語・述語」を入れて説明すると、伝わりやすくなります。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

ASDの特性に「想像力の欠如」とよくあります。しかし厳密には「事実関係を推測して判断する力」が不足しているのであって、想像力がないとは言い切れません。

ASDを持つ方は、自分の内面に関する想像力に長けていることが多いです。そのため表現や芸術に活かす方も多くいます。特徴の明暗は相反するものです。したがって何かが足りなければ、何かができるのです。

もし悩んでいることがあれば、実はその悩みでもって活躍できるチャンスがあるかもしれません。今一度、自分自身を見つめ直すきっかけにしていただけたら幸いです。