【大人の発達障害】 職場で起きる『聴覚過敏』の主な種類と改善法

聴覚過敏のつらさは、周りの人に理解してもらいにくい

感覚過敏のなかでも、聴覚過敏に苦しむ方がいる

発達障害を持つ方の多くは、「感覚過敏」に苦しんでいるのではないでしょうか。

感覚過敏とは、五感のうちのいずれかが過敏なことをいいます。そのうち最も苦しんでいる方が多いのが「聴覚過敏」です。その名の通り他者より耳が過敏に反応し、ひどくなると体調にまで影響します。

不快に感じやすい音は障害を持たない方、聴覚過敏でない方からすると「えっ!?こんな音で?」と言われる音が多いです。周囲に理解されることが少ないケースが多いため、我慢して体調を崩してしまうことが多いです。

聴覚過敏の方は、職場でどのような音に苦しんでいるのでしょうか。

職場でよくある聴覚過敏の主な種類

職場で起きやすい、聴覚過敏の主な種類を「人・道具・機械」ごとに整理しました。

人の声や音について

○怒鳴り声が聴こえると、遠くからでも耳元で言われているような刺激を受ける。
○周囲のひそひそ話が気になって集中できない。
○遠くで自分の名前が聞こえた気がする。
○雑音が入ってしまい、聞きたい内容が受け取れない。
○甲高い笑い声が頭に響く。
○隣の人の咳払いがうるさい。
○足音で誰なのか判別できてしまう。

道具・器具にかかわる音について

○電話の着信音が頭に響く。
○通話が終わり、電話の相手が切るときの「ガチャン!」という音で不快になる。
○パソコンのキーボードを叩く音、エンターキーの押し方が気になる。
○マイクから通した人の声が苦手。
○食事中、食器同士が当たるときの音が響く。
○アナログ時計の秒針の音が気になる。
○シャープペンシルの芯を押し出す音が気になる。
(カチカチカチ…という音)

施設や機械にかかわる音について

○エアコンの音。
○通勤中の電車の発信音、線路との摩擦音。
○エレベーターが動く音。

その他

○いちど耳に入って気になった音をずっと気にしてしまう。

周囲に理解されにくいことでさらに苦しんでしまう

このように聴覚過敏を持つ方は、玄関を出てから家に帰るまであらゆる「雑音」に苦しんでいます。

よく「黒板に爪を立てる」「ガラスをひっ搔く」音はどんな方でも不快になりやすいです。聴覚過敏があると、これと同じ感覚の音が簡単に挙げただけでもこれだけあります。それだけでも、かかるストレスは格段に違います。

この「常に負担がかかっている」ということを周囲に理解されず、苦しんでいる方が多いのではないでしょうか。

聴覚過敏を「治す」ことはできないが、改善法はある

聴覚過敏は病気ではありません。そのため、「治療する」と言うことは難しいです。しかし、原因を知り、改善することで「不快に感じにくくする状況」を維持することはできます。

次は
〇どんなときに過敏になりやすいか
〇聴覚過敏を改善する方法は?

この2点をご紹介します。

どんなときに聴覚過敏がひどくなるか

心身の疲労を感じているとき

心身の疲労を感じていると、不快な音をキャッチしやすくなります。厳密にいうと「不快な音を聞かないようにコントロールする」ことができなくなります。耳に入る音をすべて吸収してしまうため、さらに疲れてしまいます。

過度に緊張しているとき

過度に緊張していて、ピリピリと張りつめた状態は聴覚過敏になりやすいです。より注意の向け方や範囲が強くなるため、無意識のうちに「耳を研ぎ澄ました状態」になってしまうからです。

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雑音の原因を見付けたとき

大きな声で話す人を見るとつい注意を向けてしまいませんか?不快な音を発する人やものを見つけると、疲労や緊張がない場合でも過敏になりやすいです。

また、電車の発車サイレンが苦手な場合、駅に着いたあたりから意識が強まることが多いです。どちらも不快な音を聞きたくなくて警戒し、より聴こえてしまう矛盾に襲われます。

さらに視覚だけでなく「嫌な人の足音が聴こえた」など、耳からもキャッチして「過敏モード」に入る場合もあります。このような「雑音」から身を守るにはどのようにすればよいのでしょうか?改善法を紹介します。

聴覚過敏の改善法

耳栓、イヤーマフなどを着用する

不快な音を防ぐため、上司に耳栓やイヤーマフなどの着用をお願いしてみましょう。

またヘッドホンやイヤホンであれば、遮断できる音の種類がさまざまです。いろいろなものを調べて、自分に合うものを着用すると効果的です。ノイズキャンセリングの機能がついている機器を選択すると、効果的です。

休養をとる。

「普段より嫌な音が聴こえてくるな・・」と感じたら、疲れのサインです。しっかり休養を取りましょう。心身を休めることで、耳に入る音を調整する力も戻ります。

寝ることも大切ですが、趣味などに集中することで心をリフレッシュすることも効果的です。

席を外すなどして、定期的に気分転換をする

仕事中緊張が続いたときは「いったん席を外す」など、仕事から離れて気分転換をしましょう。

部屋でいえば、窓を開けて空気の入れ替えをする感覚です。気持ちを切り換えることで、過度な緊張状態になるのを予防できます。

上司に相談し、雑音の原因を解消してもらう

不快な音について、具体的に「どんな音が辛いのか」を上司に相談してみましょう。

うるさい人と席を離す、静かな部屋に移動するなどの措置を取ってもらえるかもしれません。状況によっては、対象者に注意をしたり器具を修理したりして改善できるかも知れません。

テレワークを検討する

もしも、職場で根本的な解決に至らなかった場合は、テレワークで自分が過ごしやすい職場環境を自ら作るということも、検討してみましょう。

行い方は、こちらをご覧ください。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

聴覚が過敏なことで他の人が聴けない、かすかな音に気付いて対応できるというメリットもあります。しかし、自分の心地よい音だけを選ぶことができないのが辛いところです。健康的に働くために、負担の少ない環境にする工夫をしていきましょう。