発達障害を持つ方が「白黒思考」に苦しむのはなぜ?職場での予防法

白黒思考は極端な場合が多く、トラブルになりやすい。

白黒思考とは

「白黒思考」とは、ひとつの物事を極端に捉える二者択一の思考をいいます。

「完璧にできないなら、やらない。」
「1回失敗したから、もうやらない。」
「100か0か」などに見られる、認知の歪みです。

本人自身も辛いのにやめられず、苦しんでいることもあります。

白黒思考は、他者との言い争いやトラブルになりやすい

確かに何でも完璧にこなせることは理想的です。しかし、職場には多くの価値観を持つ方がいます。ですから「二者択一」のように明確な答えが出るケースは少ないです。

しかしその中にいても「白か黒か」の二者択一を迫る方がいます。このようなときに相手に不満を持たれやすく、言い争いやトラブルになってしまいます。

このように、白黒思考は周囲とのコミュニケーションに支障をきたしてしまいます。この「白黒思考」は、得意・不得意にムラがある発達障害を持つ方にも多く見られます。

今回は、発達障害を持つ方が
○どんなときに白黒思考になりやすいか
○発達障害の特性から見た、白黒思考になりやすい理由
○白黒思考を予防する方法はあるのか

を解説します。

職場で白黒思考になりやすいタイミング

1)自分が得意または不得意なことにかかわるとき

発達障害を持つ方は、得意・不得意のムラがあることが多いです。どちらの場合でも興味関心が強いため、極端な思考になりやすいです。

まさに「0点か100点か」になりやすいケースです。 関心が強いゆえ、周囲を無視して自分の感覚で捉えてしまうリスクがあります。

2)過敏な感覚にかかわるとき

特に疲労がないときでも、過敏な感覚に触れてしまうと苦しくなります。この苦しさから逃れるために、確実にかわせる白黒思考になってしまいます。

3)心身に疲労を感じているとき

心身に疲労を感じていると、気持ちのコントロールが難しくなります。ストレスの受け方も大きくなることがあるため、回避しようとして極端な思考になることがあります。

それではなぜ、発達障害を持つ特徴がなぜ「白黒思考になりやすい」のか。特性ごとに理由をご紹介します。

発達障害の特徴が、白黒思考になりやすい理由

マルチタスクが苦手。

発達障害を持つ方は、一度に複数の物事をこなす「マルチタスク」が苦手です。

バランスよく注意をしていると、多方面を意識しないといけません。しかし極端な思考を取っていれば、どちらか一方に意識を絞ることができます。これにより、ストレスを軽減させようとしています。

曖昧な物事への判断が苦手

発達障害の特徴の中に、曖昧な物事への判断が苦手である場合があります。不安を解消するために、白黒思考で明確な答えを出そうとしてしまいます。

こだわりが強い

発達障害の特徴のひとつ、「特定の物事への執着やこだわりが強さ」も白黒思考に影響します。このような特徴を持つ場合、本人に自覚がなくても周囲には極端な思考と受けとられやすいです。

感覚過敏である

過敏な感覚に触れてしまうと、嫌悪感を持つことが多いです。不快な感覚を完全に排除することで、ストレスを回避しようとします。このときに、極端な思考をしがちです。

発達障害を持つ方の白黒思考は、コミュニケーションに支障をきたしてしまう

発達障害を持つ方にとって、他者とスムーズにコミュニケーションをとることは重要です。しかし白黒思考は極端な思考のために、周囲の方との感覚がズレやすくなってしまいます。

仕事を長く続けていくためには、周囲の方とのコミュニケーションは大切です。次は、発達障害を持つ方が苦しまないために白黒思考を予防する方法を紹介します。

自ら白黒思考に気付くことで予防につながる

白黒思考を予防するには、自身で『白黒思考になっているな』と気付くことが大切です。

あなたの中で、
「~でなければならない」
「絶対~」
「やるか、やらないか」
「1つでもできないなら、しない」

などの言葉に心当たりはありませんか?

もしも該当していれば、白黒思考になっている可能性があります。

発達障害を持つ方が職場で行う、白黒思考の予防法

1)上司と相談し、目的を明確にする。

本来行うべき目的とずれてしまっていると、効率的に成果を挙げることもできません。

白黒思考のような極端な思考の場合、この「ズレ」がさらに大きくなります。周囲の方とのコミュニケーションも大きくずれます。ひどい場合、トラブルを招いてしまいます。周囲とのズレを防ぐため、仕事では上司と相談して目的を明確にしましょう。

そうすれば、「選択肢が多くても」「曖昧なことでも」「過度にこだわらなくても」白黒思考になる必要がなくなります。

2)過敏な感覚を極力避ける工夫をする

ストレスが蓄積されるとバランスが取れなくなり、思考が偏ります。過敏な感覚に触れることがないように、苦手な感覚を極力避けるようにしましょう。

3)今考えていることを打ち切って、休養をとる

心身の疲労を感じているときは、白黒思考などの極端な思考になりやすいです。疲れているときは今考えていることをいったん打ち切って、休みましょう。

状態が回復することで、柔軟な思考を受け入れやすくなります。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

白黒思考は周囲とのコミュニケーションのすれ違いを呼びます。コミュニケーションがずれてくると、業務が滞ってしまいます。周りに迷惑をかけてしまうだけでなく、極端な思考はあなた自身も苦しめることになります。

この記事をきっかけに常に自分の思考に気付き、心の健康を保てるよう心がけましょう。