【発達障害・体験談】仕事を覚えられない時のメモ、覚え方の改善法

仕事が覚えられない…

人事異動で新しい環境に行ったとき、仕事が頭に入らない…

最初に勤めた職場で、筆者はうつ病を発症しました。原因の一つとして発達障害のひとつ、「ASD(自閉症スペクトラム)」の特徴である「環境変化に弱い」ということが大きく影響していました。

関連記事:【体験談】うつ発症から復職まで~30代男性のリハビリ生活4年間

覚えなくてはいけないことが多すぎて、うつを発症した

突然責任のある仕事を一人で行わないといけないため、覚えないといけないことが多かったです。

赴任前の引継ぎの時間は半日間くらいでした。前任の方から早口でたくさんの仕事の説明を受け、必死でメモをしました。この時はまだ発達障害であることを自覚していなかったため、聞き取りに苦しんでいても気付きませんでした。

いざ仕事が始まりましたが、覚えないといけないことが多過ぎてパンクしてしまいました。そのまま精神不安定になり、うつ病を発症しました。数年間リハビリで復職も目指しましたが、最終的には離職することになってしまいました。

発達障害の診断を受け、仕事の覚え方を考えた

うつ病で休職中、通院先の病院で「発達障害」「ASD」の診断を受けました。

今回の場合、覚えられなかったのは筆者の「覚え方」だけが原因とは言い切れない部分もあります。前任者が「あらかじめ引継ぎの準備をしていなかった」、「一度に詰め込もうとし過ぎた」なども考えられます。

しかし今後仕事をしていくためには、他者ではなく自分の覚え方に関して改善していく必要があると感じていました。

今回は、このような「覚えられなかった経験」をもとに
〇仕事が覚えられない時にとった対策(具体的な対処)
〇記憶しやすくする改善の工夫に取り組んだこと(覚え方の工夫)

をご紹介します。

仕事などの習得に困っている方の参考になりましたら幸いです。

【発達障害】仕事のメモの取り方の改善策

1)会話の聞き取り方を工夫した

まず正しく覚えるためには、正しく聞き取れないと意味がありません。そのために相手の話や自分の意志の「漠然としたイメージ」を具体的な言葉に変えるという訓練をしました。

どのような聞き取りの訓練をしたかは、下記の関連記事で詳しく紹介しています。聞き取りも気になる方は、この記事を読んだ後チェックしてみてください。

関連記事:【発達障害・体験談】会話が聞き取れない・苦手な時に訓練したこと

2)メモを2回(複数回)に分けて取るようにした

メモを取ることに苦労しました。精神的に不安定なとき、さらにはうつを発症していた時はさらにメモをうまく取れませんでした。

発達障害を持つ方にとって、聞き取りながら書くということに困る方もいるのではないでしょうか。筆者の場合、「一回で丁寧に書かないといけない」と意識し過ぎていたことで、「書く作業」の方に意識が集中してしまうことでした。そうなると、のちに聞きもれが出てきます。

これを防ぐために、2回に分けてメモを書くようにしました。覚える段階が多い場合は、さらに回数を増やしました。なぜ2回に分けるのかと言いますと、

〇1回目のメモ(聞き取り用):相手から多く聞き取ることに集中して書く。書けばよいので、後で自分が読めれば雑でもよい。2回目を書いたら不要になるため、用紙も問わない。

〇2回目のメモ(閲覧用):1回目のメモの清書。後で読み返すため、書きながら復習する意味でも行う。項目や内容により、文字色なども変える。

とすることで、相手から聞く時のメモの負担を軽減するためです。

3)定期的にメモを見返す機会を作った

この「2回目のメモ」を定期的に見返す機会を作りました。なぜメモを見返すのかと言いますと、2回目のメモを書いた時期から状況が変わることがあるからです。

都度見返すことで、メモも変更点を書いていく。常にメモをアップデートしていく感覚と言いますと分かりやすいでしょうか。

これらを習慣化して、以降の職場では困難が緩和されました。さらに「覚える」「記憶する」そのものに関しても工夫をして、さらなる改善に努めました。

記憶しやすくするための工夫

覚えたいことに以下の工夫を加えることで、記憶しやすくしました。

1)当時の感情を加えてみる

例えば、「昨日の天気は覚えていなくても、嫌な思い出はいつまでも覚えている」ことなどはありませんか?また、「テレビに出ていた人の名前が出てこなくても、自分の友人の名前を忘れてしまった」ということは少ないのではないでしょうか。

これらの共通点は「記憶に感情が伴っていること」です。事務的に覚えるより、「悔しい」「うれしい」などの感情が伴っていると、記憶しやすくなります。

筆者もこのことに気づいて、覚えたいことにはその時の情景やどう思ったかなども覚えておいたり、記録しておいたりする工夫をしました。

2)覚えやすいことに結び付ける

どんな方でも興味のあることに関しては覚えやすいのではないでしょうか。食べ物、動物、野球選手の名前でも構いません。人の名前が覚えられないなら、自分の中であだ名をつけるなども同様です。

もちろんそのあだ名をそのまま当人に言ってはいけない場合もありますから注意が必要です。しかし外に出さなければ、覚え方は自由です。むしろ自分の覚えやすいスタイルを知っていくことが大切です。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

就職などで新しい環境を迎えれば、必ず覚える機会があります。このやり方がすべての方に通用することはなく、全く別のやり方で覚えていく方もいます。

大切なのは、自分がスムーズに覚えられるパターンをつかむことです。その中で今回の記事が少しでも参考になりましたら幸いです。

【筆者紹介】
Salad編集部員。30代男性。広汎性発達障害、ASD(自閉症スペクトラム)の診断を受ける。元々はASDの特徴で記憶力には自信があったが、環境変化やうつ発症から記憶力が低下し、覚えられない苦労を体験した。