【発達障害・体験談】会話が聞き取れない・苦手な時に訓練したこと

発達障害を自覚して、聞き取りが苦手なことに気付いた。

会話の聞き取りに苦しみ、うつを発症した。

筆者は過去2ヶ所の職場を経験しています。最初に働いていた職場でコミュニケーションがうまくいかず、うつ病を発症しました。

上司の指示など、会話がうまく聞き取れずに苦しみました。

発達障害の診断を受けて、聞き取りが苦手な特性に気付いた。

うつ発症後、医療機関から「広汎性発達障害」「ASD(自閉症スペクトラム)」の診断を受けました。これにより聞き取りが苦手なのは、障害も関わっていることが分かりました。

そのため、障害の特性を理解して訓練することを考えました。

今回は筆者の体験をもとに、
○聞き取りで苦労したポイント
○どのような訓練をしたか

についてご紹介します。

会話の聞き取りで苦労したポイント

1)相手の話の内容を整理できない

職場で上司や同僚の話していることが、「文字」「言葉」として頭に入ってこない感覚に悩みました。相手に怒りなどの負の感情があると、そちらが入ってしまうためさらに内容が入ってきませんでした。

話の内容が頭に入ってきたとしても、正確に聞き取れないためにうまく整理ができませんでした。

うつを発症してからはコミュニケーションに自信をなくしたため、さらにこの困難さが強まりました。

2)受け答えの際、的確な言葉にできない

「伝えたい意思は確かにあるのだけど、外に出すべく『文字(言葉)』にならない。」という苦しさがありました。

漠然としたイメージを具体的な言葉にすることができず、相手に伝わりづらい表現になってしまっていました。自分でも消化不良のような形で自覚していたので、伝えきれないストレスがたまりました。

3)対人緊張が激しかった

うつを発症したことで、コミュニケーションに対する自信を完全に失っていました。

さらに人との接し方も全く見えなくなっていました。そのため他者との会話の際、必要以上に緊張してしまい、体や口が震えてうまく話せませんでした。

これらの問題を解消するために、以下の取り組みを行いました。

苦手な会話の聞き取りで訓練したこと

1)ラジオ放送や音声データを聴くようにした

聞き取りの力を鍛えるために、ラジオ放送や、動画サイトなどで公開されている音声データを聴くようにしました。

理由はテレビ放送とは違い、視覚で説明している部分も口頭で説明しているからです。分かりやすい例を挙げますと、『この番組は、ご覧のスポンサーの提供でお送りします。』の『ご覧の』が使えないので、一社ずつ読み上げていることです。

自分のいる場所の状況を表現するときも、動画で見れば分かるものでもラジオなどでは分かりません。よって一つ一つ説明しています。うまく伝える人は、大きなもの(空模様、建物など)から順に少しずつ小さなもの(自分の身の回りなど)を説明していて、視覚情報がない部分をうまくカバーしていました。

これをよく聴き、参考にしたことで、聴覚での情報を得やすくなりました。

2)動画を見て、内容を文字に起こす訓練をした

自分の意思を「言葉」として発信するためのトレーニング方法はないかと考えました。

対策として挙がったのは「動画で見たものの動きを、細かく文面に起こしていく」作業をしました。具体的にはスポーツ選手のプレー動画を見て、動きを一つ一つ文面に書いていく作業です。「前半〇〇分にどこにいて、どう動いて・・」というものを全て書き写していきました。

受け取ったイメージを具体的な言葉にすることで、自分の言葉を発信できるようになるヒントを得ました。

偶然ですが、クラウドソーシングでライターの仕事を受けた際に、このような機会がありました。よいトレーニングになり、幸運でした。

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3)精神科デイケアに参加した

上記の訓練を「実践」で活かすためには、ある程度落ち着いて会話ができないといけません。焦っていては、せっかくのトレーニングもうまく活かせません。

そのため、通っていた病院の精神科デイケアに参加したことは大きかったです。

休養中で仕事から離れている間も、さまざまな方と会話をする機会があることでブランクもなく済みました。

4)会話のイベントに参加した

仕事をしていない間は、時間にもゆとりがありました。そのため、インターネットなどで募集している交流イベントにも参加しました。

決まったテーマに沿ってさまざまな方と会話をするというものでしたが、自分も話すことができるんだなという確認ができました。

訓練しても聞き取れないときは、他のやり取りの方法も考えた

このような聞き取りのトレーニングをしたことで、聞き取りに関する困難や不安を軽減することができました。

しかしそれでも、「聞き取りが得意な人」になったわけではありません。ですから聞き取り能力を過信することなく、定期的に職場の上司とやり取りの相談をしました。書面やメールなどの視覚情報のやり取りとも組み合わせて、伝わる会話の工夫をしました。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

相手が焦っている場合・急いでいる時など、ゆっくりメモを取らせてもらえる時間がないケースも出てきます。また、反対にメールやメモのやり取りが苦手で、口頭で伝える方が得意という方もいます。ですから必ずしも、常に充分なサポートが得られるとは限りません。

確かに職場では、障害にかかわる困難なことに対してのサポートが受けられます。しかし上記のようなケースにも対応できるよう準備しておくことも、安心して仕事をする方法のひとつです。

会話の聞き取りに苦労されていましたら、ぜひ参考としてください。

【筆者紹介】
Salad編集部員。30代男性。広汎性発達障害、ASD(自閉症スペクトラム)の診断を受けている。あらゆる苦労の末、現在は障害の弱みを最小限、強みを最大限に活かす環境で仕事に辿り着いている。