考えや行動がコロコロ変わるのは双極性障害?ADHDとの違いとは?

考えがコロコロ変わるのは?

双極性障害とは

双極性障害とは、気分障害に分類される精神疾患です。症状としてうつ状態が見られることから、気分が低下する「うつ病」誤解されやすいです。しかしうつ状態に加えて、反対に気分が高揚する「躁(そう)状態」との2種類を繰り返すことが特徴です。

「『躁状態』を調子が良いだけ」だと誤解することも多く、発見することが難しいとされています。

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ADHD(注意欠如・多動性障害)とは

ADHD(注意欠如・多動性障害)は発達障害の一種です。

先天的な脳機能の働きのズレがもとで、注意力のコントロールや物事を継続・管理することが苦手な困難に遭いやすいことがあります。

職場では時間管理や情報の整理などが苦手で、大切な予定を忘れてしまうなどのケースが見られるのではないでしょうか。

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さてこの2つですが、客観的に見える行動や発言から「似ているように」見えることがあります。

双極性障害とADHDの似ているところは?

短い期間で考えが二転三転する

双極性障害もADHDもともに「短い期間で考えがコロコロ変わりやすい」特徴があります。どちらも指摘がない限り「変わった」という自覚がないことも似ている点といえるでしょう。

さらに正反対の見解を何度も往復するなどして、周囲を振り回してしまうケースもあります。

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日中眠そうにしている時がある

どちらも日中に眠気を感じやすいことも似ている点です。休日と平日の睡眠時間にムラがあるなど、適度な睡眠バランスを保つことに苦労していることがあります。

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イライラや落ち着きのなさとして現れやすい

どちらも適切な集中力を保つことができず、イライラするケースが多いことも似ている点の一つです。

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このようなことから双極性障害とADHDは似ている行動をとっているかもしれません。しかし、2つは大きく違う異なる点もあります。

自分の状態を正しく知るために、2つの違いを確認しておきましょう。

双極性障害とADHDの違いは?

通院・治療に関わる違い

双極性障害→疾患=治療  ADHD→障害=改善】
どちらも医療機関による通院診療が必要です。しかし、その目的が異なります。双極性障害は「疾患(病気)」です。そのため、対処には薬物療法などの治療を要します。

一方ADHDは「障害」であり、疾患ではありません。そのため、通院の目的は治療ではないのです。ADHDにとっての通院は、「困難を改善する」ことが目的です。

ADHD特性の原因である「脳機能の働き」を、服薬などで調整して改善させていきます。

感情の起伏の違い

【双極性障害→内的要因が多い ADHD→外的要因が多い】
どちらも考え方や言動が二転三転することは共通しています。しかし、双極性障害は誰の影響でもなく、症状自体(内的要因)が原因で変化しやすいです。自身で気分の上下をコントロールすることが難しいことで困難を感じています。

一方ADHDの「コロコロ変わる」は行動や環境(外的要因)から起こることが多いです。以前の言動を忘れている、判断ミスが多く覆ることが多いなどから変わるケースがあります。周囲の環境が落ち着いていれば、自分で一定の気分のコントロールはできることが多いです。

気持ちのスタートから変わっているのが双極性障害、障害特性などの困難から結果的に判断が変わっていることになりやすいのがADHDです。

意欲がない時期の有無

【双極性障害→理由なく落ち込む時期がある ADHD→理由がなければ落ち込むケースは少ない】
双極性障害の場合、躁状態のときは異常なほどのモチベーションの高さで頑張ることがあるかもしれません。しかし、うつ状態になると途端に何もする気がしなくなってしまいます。

ADHDの場合も心情が変わりやすいことはあります。しかし障害による困難からのショック、またはその他の二次障害がなければひどく落ち込むということはありません。

理由なく激しく落ち込むことがある場合は、双極性障害かも

ADHDでも双極性障害になるおそれがある

以上が双極性障害とADHDの違いです。しかし、ADHDであったら双極性障害にはならないかというと、そうではありません。むしろ障害特性によって困難を感じやすく、ストレスをためやすいため双極性障害を併発する可能性は高いのです。

もし、ADHDを持っていても「理由もないのに何をする気にもならない」「いつもより気分のムラが激しい」という気持ちが強いと感じたら、かかりつけの医師に相談してみましょう。

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就職に不安を感じていたら、就労移行支援に相談してみよう

このような症状が原因で「仕事がうまくいかない…」または「仕事が見つからない…」ということはありませんか?自分の症状を気にしながら仕事に取り組むということは大変なことです。

そのようなときは「就労移行支援事業所」に相談してみましょう。就労移行支援では、症状を抱えながらどう働いていけばよいかアドバイスを受けられることや、疾患や障害を抱えながら働ける情報やスキルを得ることなどもできます。

こちらの一覧に、Saladが取材にお伺いした事業所を掲載しております。事業所の雰囲気なども併せてご紹介しておりますので、ぜひ参考にしてください。

その他、事業所の選び方や不明な点がありましたら、Salad編集部までご相談ください。

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まとめ

いかがでしたでしょうか。

外から見える光景としては、2つは似ている部分があるかもしれません。しかし、そのもととなる心情や症状、原因は全く異なります。

これが何を意味するかというと、「周りからは正確な症状に気づきにくい」ということではないでしょうか。ですから辛いと感じているのであれば、自分で症状を知り、伝えていくことが大切です。

医師と相談しながら、自分の「悩みのもと」を確認していきましょう。

【筆者紹介】
Salad編集部員。ASD(自閉症スペクトラム)、広汎性発達障害の診断を受けている。過去にうつ病を発症しており、休養中に激しい感情の起伏を経験した。リハビリののち、4年後に社会復帰。現在は就労移行支援事業所のトレーニングを経て、テレワークに業務を行っている。

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