双極性障害と向き合い、社会復帰したい
双極性障害とは
双極性障害とは、うつ状態と躁(そう)状態を行き来する精神障害です。リスクとして、うつ症状には自覚しているものの、気分が高揚している躁状態に気づくことができないため、回復が遅れてしまうケースがあります。
関連記事:双極性障害の診断基準~うつ病との違いを見分けるポイントは?
関連記事:うつ病の種類はどんなものがある?非定型うつ病も含めて症状を紹介
症状と向き合いながら、社会復帰したい
双極性障害と向き合い続けて、症状も回復してくると「状態も安定してきたから、そろそろ社会復帰を考えたい」このように意識し始めたこともあるかもしれません。同時に「また症状が悪化したらどうしよう」という不安を感じることもあるでしょう。
そこで今回は、双極性障害を持つ方が社会復帰し、自分らしく働く為に心がけておくことを紹介していきます。
社会復帰し、自分らしく働きたいときに心がけること
①早期に「躁状態」に気づける環境を作る
まずは自分がいまどんな状態なのか自覚できることが大切です。特に躁状態のときに、「元気で問題がない状態なのか」「双極性障害の症状が出ているのか」の判別をつけられるよう、普段の生活環境から工夫していきましょう。
しかしながら、自分だけで気づくことは大変なことです。ですから双極性障害を抱えながら仕事を続ける為には、症状や傾向を家族や職場にも伝えていくことが大切になります。ですから特に「躁状態に変化するときの行動」などについて思い出してみてください。家族や医療機関にどんな状態であったか確認するのもよいでしょう。
「突然しゃべり過ぎることが多くなる」「イライラが増してくる」「夜遅くまで起きていても平気になる」などを事前に周囲に伝えるようにしましょう。
②躁状態のサインに気づいた後、早めに対処をする
躁状態は一見テンションが高く、元気な状態が続きます。しかしうつ状態の時と同様、症状によるものであれば、無理をして働きつづけている形になります。躁状態になっているとやる気に満ちていたり、自信に満ち溢れていたりすることもあるかもしれません。そのため、周囲が「そろそろ休んだ方がいいよ」と言われても耳を貸さないどころか、不満を口にして相手を不快にさせてしまうおそれもあります。この様な状態は自身の健康状態を損ねやすくなるだけでなく、職場の対人関係にも影響してくるのです。
ですから①の要領で躁状態に気づくことで、「いま、自分は躁状態になっている・なりそうな状態にある」というサインをキャッチするよう心掛けていきましょう。そのような状態の時にどう対応していけばよいか、職場や医療機関に相談しておくことが大切です。早めに対処することで、大きく体調を崩すリスクが少なくなるでしょう。
まだ自分で症状に気づくことがうまくできない場合は、「大丈夫」と感じるタイミングでも定期的に休養を取るように心がけてみてください。
③うつ状態に向けた準備をしておく
躁状態の後には、うつ状態が訪れます。働きながらこの状態に直面することで、
・どうしてまたうつ状態になってしまったんだ
・どうしてあの時上司の言うことを聞かなかったんだ
・どうして早めに気づかなかったんだ
これらの声を自分にぶつけ、責めたててしまうことも考えられます。また、さらにそれで心のバランスを崩してしまうリスクもあるのです。
このように大きな不調になる前に、少し調子が悪いかな…と感じた時に早めに対処するよう常に準備をしておきましょう。「何故かイライラする」「夜になってもテンションが下がらない」など、躁状態の傾向を感じたら、早めに仕事を切り上げるなどして対処するのが大切です。
周囲が忙しくしている中で、自分だけそのリズムに乗れないことで罪悪感を持つこともあるかもしれません。そのようなことを緩和するためにも、あらかじめ職場に症状について伝えておくことが大切になります。
もし、休むタイミングが分からないときはこちらの記事「仕事を上手に休む方法【精神障害を持つ方が仕事を長く続けるヒント】」も併せて参考にしてみてください。
その他、双極性障害やうつ症状の対策についてはこちらもチェック
症状に気づくコツや体調管理の方法などについては、以下の関連記事もチェックしてみることをお勧めします。
・精神障害を持つ方の職場定着について→「精神障害を持つ方の、仕事が続かない辛い悩みとその解消法とは?」
・疲労とうつ症状を見分け方について→「『疲労』と『うつ』の違いは?見分け方、疲れがひどい時の対処法は?」
・無理をせず働き続ける際のヒントについて→「【精神障害】仕事が辛いのに休めない「プレゼンティーズム」の予防法」
・イライラするときの対処法について→「双極性障害は「キレる」ことがある!?イライラする原因や対処法は?」
上記の記事も併せてチェックすることで、自分の症状にいち早く気づくことにつながるかもしれません。
就労移行支援で、障害を持ちながら働くスキルを身につけよう
双極性障害を持ちながら就職に踏み出すのが不安…というときは、事前にトレーニングしておくと安心ですよね。その機会の一つとして、「就労移行支援事業所」があります。
就労移行支援ではさまざまな障害を持つ方の「働く」ニーズに合わせたアドバイスやトレーニングを受けられる施設です。就職に関する相談だけでなく、生活に関する悩みなどに関する相談をすることもできます。
こちらの記事「うつ病や双極性障害を持つ方の就職には「就労移行支援」がおすすめ!」を参考にして、就労移行支援事業所の利用を検討してみましょう。体験利用もできる事業所も多いですから、様々な事業所の体験利用を受けながら検討してみるのも良いかもしれません。
関連記事:【事業所選びに迷ったら】就労移行支援事業所を体験利用してみよう!
関連記事:【就労移行支援】デイケアとの併用は可能?メリットやデメリットは?
就労移行支援の事業所選びに迷ったら、Saladにご相談ください
就労移行支援を受けたい。でも、どの事業所を選べばよいのか分からない…など迷っていたら、その悩み、Saladにも教えてください。
Saladでは、就労移行支援に関する情報を提供しております。あなたのニーズに合った事業所探しのお手伝いをさせていただきます。「相談してみようかな…」「どんなことができるのか聞いてみたい」などありましたら、こちらのお問い合わせフォームまでご連絡ください。お待ちしております。
仕事・働き方に悩んでいたら。『Salad』が強みを活かす就職のサポートをします
まとめ
いかがでしたでしょうか。
双極性障害の治療は、長期間にわたると考えられています。ですから働き続けるためには、自分の体調を意識しながら働き続けることがポイントになるのです。周囲の方と協力しながら、自分の状態を知りケアを続けることで、自分らしく働き続ける第一歩を踏み出すことができるかも知れません。