精神障害を持つ方の、仕事が続かない辛い悩みとその解消法とは?

仕事を続けるために、あきらめずに障害特性を伝え続ける

精神障害を持つ方は、職場定着に苦しんでいる

精神障害を持つ方の就職件数が増え、社会進出が進んでいます。しかしながら就職後3か月でおよそ3割、就職後1年ではおよそ半分の方が離職しています。身体障害・知的障害を持つ方と比較しても、職場定着率は低いです。参照の統計にもあるように、精神障害を持つ方は職場定着に苦しんでいます。

参照:障害者雇用の現状等 – 厚生労働省
参照:障害者職業総合センター研究部門 障害者の就業状況等に関する調査研究(平成29年)

精神障害の特性理解は、当事者でないと難しい

メンタルの障害は、本人の努力不足や責任感の欠如など、誤解を受けやすい特徴があります。むしろ、責任感が高く努力をし続けた結果として「精神障害を悪化させてしまうことがあるにも関わらず」です。

精神障害の特性理解は、当事者本人でないと体感した上での本質的な理解は難しい、という前提にたって行動していく必要があります。

職場での理解者を増やしていく

その前提をもとに、徐々に理解者を増やしていく必要があります。

「なぜわかってくれないのか」と感じることも多いかと思います。ただ、それは残念ながら当たり前のことです。自分が経験したことでないと、わからないことがあります。特に、精神障害の辛さは経験してみないとわからないものです。

理解者を増やすためには、自分の障害の特性や状態を、過不足なく事実とともに伝え続けていくことです。わかってもらえない辛さを、感情とともに伝えると逆効果です。感情的にならずに、努力や気力でどうにかなるものではないということを、時間をかけて伝えていく必要があるかもしれません。

精神障害には、どんな症状があるの?

精神障害といっても、さまざまな症状があります。主な症状を整理しました。

【精神障害の主な症状】
〇統合失調症:被害妄想・幻聴・興奮・思考が乱れる、感情の動きや意欲が減り、閉じこもりがちになる。
〇うつ病:憂うつな気分・意欲の減退、不眠や食欲低下など
〇噪うつ病:急にイライラする、急に悲しくなるなど感情が急変する。
関連記事:気分障害でも仕事は続けられる!『寛解』が継続のコツだった!?

〇パニック障害:不安やストレスを感じると、動悸や不安感に襲われる。
関連記事:パニック障害を発症したら仕事できない?仕事を続けられる方法は?

〇強迫性障害:特定のことに気になりすぎ、何度も同じ作業を繰り返してしまう

以上が精神障害の主な症状です。

それではこのような症状を持った方が、どうして「仕事が続かない」のでしょう?あなたも抱えているかもしれない、「精神障害を持つ方が職場で抱える苦しさ」をご紹介します。

精神障害を持つ方の、仕事が続かない「辛い悩み」

1)体調キープが難しい。

精神障害を持つ方は、職場環境や日常生活のなかに「不調のリスク」が潜んでいます。

【不調のリスクの例】
〇会社に行くのに苦手な電車に乗らないといけない。
〇電話の音など、騒がしい場所に不安を感じる。
〇ミスをすると具合が悪くなるほど動揺してしまう。
〇気候変化などにも体調が左右されるケースがある。
〇薬の副作用が辛い。

このような障害を持たない方が何気なくクリアしている中にも、あなたは苦しんでいるのではないでしょうか。そのような中でも同じように体調をキープしなくてはならないから大変、そう感じている方も多いのではないでしょうか。

2)目に見えない障害のため、周囲に辛さを表現することが難しい。

精神障害は目には見えないため、症状が具体化しにくいです。

そのためあなたは「周囲に詳しく説明しないと理解されない」そのようなプレッシャーを感じていませんか?「周囲にも症状が見えていれば、こんなに苦しむこともないのに・・」という悩みを抱えている方が多いです。

そのプレッシャーもまた、あなたの心身に負担がかかるケースがあるので、悪循環になりがちです。

3)体調悪化が進まないと、周囲には気付かれにくい。

このようにあなたの心の中で不安や動揺が高まっていても、周囲はなかなか気付かないケースが多いです。

体調が悪化し、顔色が悪くなるなど表面化した時にやっと周囲が気付いたという経験はありませんか?このような状態ですと、対処が遅くなりあなたは辛い思いをしなければなりません。

4)「クローズ」で仕事をする場合、常に障害を隠す負担を抱える。

「クローズ」とは企業に障害を公開せず、障害を持たない方と同じ条件で働くスタイルです。この場合、常に障害を隠さないといけない負担を抱えながら、かつ健康管理をしなくてはなりません。

このような辛い悩みを持っていませんか?具合が悪い時ほど、周囲には正確に表現できないものです。あなたが障害と向き合いながら、仕事と向き合うための対策をご紹介します。

【「仕事が続かない」悩み解消法】精神障害を持つ方のための、職場定着の対策

1)医療機関とよく相談して、治療・予防方法を確認する。

精神障害を持つ方にとって、健康管理は重要です。したがって医師などの医療機関によく相談して、
〇服薬などの治療方法、薬の副作用への対処法
〇具合が悪くならないためにどんな予防をすればよいのか
を確認しましょう。

定期的な通院の中で、あなたの体調を伝えることが大切です。

参照:厚生労働省 みんなのメンタルヘルス総合サイト 病名から知る こころの病気の診断、病名について

2)あなたなりのリフレッシュ方法を用意する。

精神障害を持ちながら、疲れないように工夫することも大切です。しかしそれ以上に疲れた時にリフレッシュする方法を用意することが大切です。

疲労を回復してすぐにリスタートできるスキルも必要になります。詳しくはこちらの記事「仕事を上手に休む方法【精神障害を持つ方が仕事を長く続けるヒント】」をご覧ください。

3)ナビゲーションブックを作り、周囲に伝える工夫をする。

「ナビゲーションブック」というツールをご存知ですか?

ナビゲーションブックとは、障害者職業総合センターによって推奨されている、あなたの障害をわかりやすくまとめたツールです。

事前に症状を詳しく伝えるツールを用意し、共有することで不調時の対処も早くなります。詳しくは下記の参考資料をチェックしていただき、併せてこちらの記事「『ナビゲーションブック』とは?就職活動で精神障害の特性を伝えよう」もご覧ください。

参考:障害者職業総合センター 「第2章 ナビゲーションブックの作成方法」

4)「クローズ」にトライする場合は、綿密な準備を行う。

精神障害を抱えることは辛いけれど、それでもクローズで働きたい!という方もいるのではないでしょうか。

この場合、職場のサポートが受けられないぶん、さらに自分で健康管理をする比重が増えます。そのため医療機関や専門機関・支援機関などと連携して、綿密に準備することが必要です。

詳しくはこちらの記事「精神障害を持つ方がクローズで就職したときのメリット、デメリット」をチェックしてみてください。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

精神障害を持つ方にとって、職場定着のハードルは高いかもしれません。しかしこのような方法で健康管理を行えば、充分に職場で活躍することができます。

【あなたが長く職場に定着するための対策】
1) 医療機関とよく相談して、治療・予防方法を確認する。
2) あなたなりのリフレッシュ方法を用意する。
3) ナビゲーションブックを作り、周囲に伝える工夫をする。
4) 「クローズ」にトライする場合は、綿密な準備を行う。
この4つの事項を心がけ、職場定着を目指しましょう。

この記事が、あなたの辛さを解消するきっかけになりましたら幸いです。