こんな症状なら『統合失調症』かも?治療方法、うつ病との違いとは

統合失調症は幻覚症状などが起きる、長期の治療が必要な病気

統合失調症は幻覚症状などが起きる、長期の治療が必要な病気

統合失調症とは

統合失調症は、幻覚や妄想という症状が特徴的な精神疾患です。以前は「精神分裂病」が正式の病名でしたが、「統合失調症」へと名称変更されています。

症状によって人々と交流しながら家庭や社会で生活を営む機能が障害を受け(生活の障害)、「感覚・思考・行動が病気のために歪んでいる」ことを自分で振り返って考えることが難しくなりやすい(病識の障害)、という特徴を併せもっています。

新薬開発、心理社会的ケアが進歩したことにより、初発患者の半数は回復できるようになりました。しかし、長い期間にわたり治療が続き、苦しんでいる方も多いです。

参照:統合失調症|疾患の詳細|専門的な情報|メンタルヘルス|厚生労働省

統合失調症の症状

統合失調症の症状

幻覚症状や妄想など

幻覚・幻聴症状や妄想が強いことなど、統合失調症の代表的な症状です。他の精神疾患でも同じような症状がありますが、統合失調症の幻覚や妄想は「陽性症状」とも呼ばれ、対人関係や気分に影響する特徴を持っています。

【幻覚症状】
実際にはないものが感覚として感じられること。

統合失調症の方は、幻聴が多くみられます。誰もいないのに人の声が聴こえたり、他の音に交じって罵声が聴こえたりなどがあります。

幻聴は、実際に耳に聞こえてくるものから、頭に響いて聴こえてくるものがあります。

周囲から「何独り言を言っているんだ・・気持ち悪い」と言われたことはありませんか?誰かに相談しても「実際には聞こえていない。気にしすぎだ」と言われてしまうなど、辛さを理解されにくいです。

【妄想】
事実起きていない物事などでも信じてしまう考えのことです。

〇被害妄想
「誰かに監視されている気がする」
「今の咳払いは自分への何らかのメッセージなんだ」
「今、すれ違った女性は自分を見て笑ったに違いない」など

〇誇大妄想
自分は何かすごい力があるのではないかと全能感を持つこと。

生活の障害

日常生活・社会生活において適切に動くことが難しくなります。「陰性症状」とも呼ばれますが、幻覚や妄想に比べて統合失調症による症状とはわかりにくい症状です。

症状を説明しにくいため、周囲から「常識がない」「気配りがない」「やる気がない」などと誤解されやすくなります。

【生活の障害の種類】
〇会話や行動では

突然話題そのものやピントが飛ぶ、ポイントがつかみづらいと言われやすい。相手の意図を汲み取りにくくなる。

〇職場では
ミスが多い、効率が悪い、など
ひどい場合は、言動が支離滅裂に見られることがあります。

〇感情について
感動しにくい、感情表現が乏しい、強い不安を感じる。

〇意欲が低下する
生活の意欲がなくなり、引きこもりがちになる場合があります。

以上が、統合失調症の主な症状です。これらの症状は、どんな原因で起きるのでしょうか。

参考:統合失調症|こころの病気を詳しく知ろう|みんなのメンタルヘルス総合サイト(厚生労働省)

統合失調症になる原因

統合失調症になる原因を説明する男性

統合失調症の正確な原因は、今のところ解明されていません。遺伝の可能性も低いとされています。

発症のタイミングは、人の生活の中での環境の変化(進学や就職、結婚など)があったときの発症が多いです。このタイミングをきっかけとして、ストレスを強く感じるなどから統合失調症が起きやすいです。

参考:統合失調症 | e-ヘルスネット(厚生労働省)

統合失調症とうつ病の違い

統合失調症とうつ病の違いを説明する男性

躁うつ病の躁(そう)状態とうつ状態が、統合失調症の陽性症状と陰性症状にそれぞれ似ています。そのため、判別が難しいケースがあります。

何に対して障害が起きているのかが違う

統合失調症は幻覚などの「思考」に対しての障害です。対してうつ病は気持ちが落ち込むなどの「気分」に対しての障害です。

症状が気分に関連して変動する場合は「うつ病」です。

症状がみられる期間が違う

躁うつ病の場合、躁の病期とうつの病期がはっきりと分かれます。病期と病期の間は健康な状態に近くなります。対して統合失調症の場合は、そのような病期の波があるケースはほとんどありません。途中で正常な機能に回復する時期などもありません。

さて、このような原因から発症する統合失調症は、どのように改善・治療すればよいのでしょうか。

参考:精神障害(精神疾患)の特性(代表例)|厚生労働省

統合失調症の治療方法

統合失調症の治療方法を説明する意思と患者の男性

外来または入院治療

統合失調症かな・・と感じたら、精神科などの医療機関に相談しましょう。治療の際外来で通院するか、入院して治療するかを決めなければなりません。

治療手段を決める明確な基準はありません。しかし、日常生活において苦痛や困難を感じている場合は入院治療で効果を発揮することがあります。

薬物療法

抗精神病薬(神経遮断薬)が治療に使用されます。主に作用は3つです。

〇抗精神病作用・・幻覚・妄想・自我障害などの陽性症状を改善する
〇鎮静催眠作用・・不安・不眠・興奮・衝動性を軽減する
〇精神賦活作用・・感情や意欲の障害などの陰性症状の改善が目的
服用を続けることで、このような作用があります。

心理社会的な治療

精神療法やリハビリテーションなどを指します。

障害を受けていない機能を生かすことで日常生活や社会生活の障害を克服します。生きる意欲と希望を回復していくのが目的です。主なリハビリには、心理教育や生活自立訓練、作業療法や精神科デイケアなどがあります。また、作業所なども該当します。

関連記事:【体験談】精神科デイケアに通う効果~復職後活かせたスキルとは

これらを組み合わせて治療を行うことが効果的

統合失調症の治療には、このうちのどれか一つだけ行えばよいということはありません。これらの治療法を組み合わせて行うことで、回復に進みやすくなります。

参考:統合失調症:ヘルプノート:こころもメンテしよう(厚生労働省)

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まとめ

いかがでしたでしょうか。

幻覚や幻聴と言われる症状を感じていると、なかなか他者に相談しづらいという方も多いのではないでしょうか。「実際には聞こえていないのだから、気にしなければよいのでは」と言われるのが分かっているから、誰にも言えない・・・そのような辛さを抱えていませんか?

辛い時期が続きますが、治療が進むと「幻覚などに関心を持たなくなる」と言われています。症状にお悩みの方は、医療機関に相談してみましょう。

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