「精神障害者は甘え」と誤解される理由、雇用時に周囲の理解を得るには

しっかり取り組んでいても、「甘え」だと言われてしまう…

受け身姿勢が甘えと受け取られやすい

精神障害を持つ方が障害者雇用として働く機会が増えました。障害者雇用促進法の改正により、企業には障害を持つ方への合理的配慮を行うことが義務付けられています。これによって職場環境や勤務条件、業務内容においてサポートを受けられるようになりました。

しかしサポートを受けている姿勢が、周囲からは「受け身」に見えやすい問題があります。そのため、できる範囲で一生懸命頑張っているのに「楽をしている」「甘え」と言われて困った経験をされたことがあるのではないでしょうか。

障害が目には見えないため、困難さが分かりにくい

精神障害は「目には直接症状が見えない」ものであるため、つい「障害を抱えている」ことを忘れられてしまいます。もともと抱えている困難だけでも辛いのに、それを周囲に理解してもらえないことで「二重」のストレスに苦しみやすいです。

このようなこともあり、職場定着が難しい問題があります。

長く働き続けるために周囲の「甘え」と感じる誤解を解き、理解を受ける工夫が必要です。では、どのようなところが「甘え」だと思われやすいのでしょうか。

【精神障害】甘えだと誤解されやすい理由

謙虚さが見えない

甘さが目立つポイントに、「謙虚さが見えにくい」点があります。現実的に、通常通り仕事をしているだけでは「謙虚さがある」と見てもらえないのではないでしょうか。

特に「カバーをしている立場の方」はあなたの分の負担が来ている可能性もあるのです。そのため、つい「他人のカバーをしているのに、自分のカバーはしてもらえない」という心情になる可能性があります。

また、うまくいっているときに調子を良くしすぎてはいけません。本来助け合うのはどのような方でも同じです。しかし、辛い時にだけ落ち込んだり助けを求めてきたりすることで、「甘え」が際立って見えることがあります。

関連記事:精神障害者雇用は「わがまま」?周囲に誤解されないための工夫とは

成長する意思が見えにくい

障害者雇用の業務は、狭い範囲であらかじめ決められたことを行うことが多いのではないでしょうか。障害特性により、業務内容が変化することも少ないです。

そのため、客観的に見ると「いつまでも同じことをしていて、楽そう」「成長する気がない」と解釈されやすい問題があります。

「じっとしているだけ」で、楽をしているように見えるときがある

与えられた業務が終わってから、どんな状態でいますか?仮にその日の分は雇用契約上の業務・指示された業務を終えたとしましょう。与えられた業務は行っているわけですから、責任は果たしています。

しかし、理解をされていない場合「自分の仕事しかしない」「ずっと座っているだけで楽をしている」ように見えやすいのです。

「ひいき」「優遇」されているように見える

業務上の配慮は、障害への困難を解消するためのものです。しかし障害が目には見えていないために、周囲には「困難」の部分が見えにくい問題があります。

これにより、配慮が「ひいき」「優遇」のように見える場合が出てくるのではないでしょうか。

職場定着にはこのような「甘え」という誤解を解き、周囲の理解を集めることが不可欠です。

周囲の理解を得るには

結果や反応に一喜一憂せず、一定の精神状態を保つ

特に障害者雇用は、あらゆる事情で「注目されている」ことが多いのではないでしょうか。

それは「カバーできることはないか様子を見ている」のはもちろん、配慮を受けている立場として言動が目立ちやすいケースがあります。

ですからちょっとしたことで一喜一憂していると、甘えとして映りやすいのです。毎日同じペースを保ち、一定の精神状態を保つように心がけましょう。

上司と相談して、職場からの要望を確認する

定期的に上司と相談するようにしましょう。どんなことに取り組んでほしいのか要望を確認することで、常に周囲が求めている仕事をしやすくなります。

話しかけるきっかけがつかめない時はこちら、相談する時間を作れない、相談内容を整理できない時はこちらを参考にしてみてください。

空き時間ができたら、ただ待つのではなく有効利用する

周囲が慌ただしくしている中で、何もしていない人がいると目立ちやすいです。

周囲も「障害者雇用だから」「精神障害を持っているから」と頭では理解しているでしょう。しかし、自分が辛いのに何もしていない人がいると、「手伝ってくれてもいいのに」と思われる可能性があります。周囲もギリギリの状態で仕事をしている中で、あなたをサポートしていることを忘れないようにしましょう。

ですから早く作業が終わったとき、待ち時間などで手持ち業務がないときを有効利用することが大切です。どんなことをすれば良いか分からないときはこちらの記事「【障害者枠】時間の有効活用!次に行う仕事がないときの打開策!」をチェックしてみましょう。

誤解を解く一番の方法は、『困難』を伝えること

誤解をされる一番の理由は、「どのような困難を抱えているかが分かりづらい」「どれくらい苦手なのかが分からない」など、困難の部分が見えないからです。

「楽をしている」「甘えている」と思われるのも、あなたが困難を感じていることが見えず、簡単に行っているように見えるからではないでしょうか。

ですから負担なく周囲の理解を得る方法は、『困難』を伝え続けることです。ナビゲーションブックなどを作成して、自分の障害特性を分かりやすく共有する工夫を心がけましょう。

関連記事:面接で企業に伝える「自分の障害について」作成ポイント4つ

悩みや特性を受け入れてもらえないときは…

得意分野を存分に活かせる「カスタマイズ就業」もある

障害者雇用は、特性から得意分野だけに絞って仕事をするケースが多いでしょう。

そのため、「私は嫌なこともしているのに、あなたはずるい」など言われたことがあるかもしれません。職場には様々なニーズがあります。平均的・広くそつなく行うことを求められる職場では、得意分野に限定して働くというスタイルがマッチしない可能性も出てくるのです。

このような環境で自分の得意分野を活かすのは至難の業です。そんなときは、「カスタマイズ就業」で、自分を活かす働き方を探すチャンスかも知れません。

「自分らしく働きたい」「得意分野を活かしたい」というときは、Salad編集部までご相談ください。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

頑張っているのに認められない、成果を出したのに純粋に喜べない…などに窮屈さを感じていることがあるのではないでしょうか。頑張りたいのに頑張りづらいのは、苦しいですよね。

「甘え」と言われないためには、サポートを受けるに値する「困難」を抱えていることを理解してもらうのが一番です。目には見えない分、こちらから発信していかなければなりません。

辛い時期を越えれば、長期に活躍できる可能性が高くなります。そのために、あなたがしっかり頑張っていることを伝えていきましょう。

【筆者紹介】
Salad編集部員。30代男性。広汎性発達障害、ASD(自閉症スペクトラム)の診断を受けている。障害者雇用を受けオフィスで勤務していた経験がある。常にサポートをする立場であることを求められ、自立することを求められないことに苦しんだ。自立を訴えると、苦手な仕事を依頼するというスタイルに悩み、現在のテレワークで自分の強みを活かす働き方を選んだ経緯がある。