アスペルガーは何を考えているかわからない?意思疎通のヒント4つ

何を考えているかわからないと言われる…

感情表現が苦手

アスペルガーは現在、「ASD(自閉症スペクトラム)」という名称で診断されています。したがって「ASD」と診断された方にも、心当たりがあることかもしれません。

コミュニケーションが苦手なことが主な特徴にありますが、その中でも「感情表現が苦手」というもので困難を感じるケースがあります。

言葉そのものはもちろん、「表情」や「語気」などで感情を伝えることが苦手なために苦労してしまうのです。

情報を正確に伝えても、理解されない

何とか相手に思いや考えを伝えようと、話し方や言葉遣いについて勉強した方もいるのではないでしょうか。

そうして正確に情報を伝える力はついたのに、まだ相手に理解してもらえない。さらには「何を考えているか分からない」と言われてしまって落ち込んでいませんか?そこで自分の考えを話しても、伝わらないことで苦労しているケースが多いです。

意思疎通がとれないのには原因がある

しかし、なぜ「何を考えているかわからない」と言われてしまうのでしょうか?「何も話していないわけでなく、雑談や世間話もしないわけではない。」にもかかわらず、どうして意思の疎通が取れないのでしょうか。

それには、『原因』があります。

何を考えているかわからないと言われる原因

表情に変化がない

アスペルガー(ASD)を持つ方は、うまく喜怒哀楽を表情に出すことが苦手です。これは顔の表情だけでなく、身振り手振りの状況も含みます。

無表情になりやすいために、無機質に感じさせてしまうときがあります。懸命に伝えたいことでも、「クール」「冷静」「動じていない」ように感じさせてしまうのです。

これにより、「実際のところはどう思っているのだろう」と疑われてしまいます。

話し方に抑揚がない

話し方も抑揚をつけることが苦手です。抑揚のポイントが他者と異なるケースもありますが、同じペースで話し続けるケースが多いでしょう。

相手には『棒読み』のように聞こえることで、「ロボットのよう」「冷たい感じがする…」と誤解されてしまうケースがあります。

言い回しが独特で、分かりづらい

またアスペルガーを持つ方は、言葉遣いが独特なことがあります。言い回しや用語が難しいことで、話の意味自体が分かりにくくなってしまうのです。

これには『自覚なく話し方が難しくなっているケース』と、『分かりやすく工夫したつもりが難しい表現になっているケース』があります。

伝達の内容に自分の意思が抜けている

どれだけ細かく長く説明しても、「で、何が言いたいの?」と言われて困ってはいませんか?この場合、肝心の「自分の意思」が抜けていることがあります。

あくまで、その他の説明は「意思を補助するための情報」です。ですから最終決定である「意思」がないと、相手にはどうしたらよいかが伝わりません。

関連記事:アスペルガー、ASDは話が長い?話し続ける癖の原因と改善法3つ

悪い人と思われなくても、孤立することがある

つかみどころがなく敬遠されて、孤立することもある

「避けられているのだから嫌われているのでは?」と感じるかもしれません。

しかし、「考えていることが分からない」とは、相手にとって「何を考えているか知りたいけれど、理解する方法がない」ということではないでしょうか。ですから日ごろの取り組み方や姿勢から、あなたが悪い人ではないと知られていても孤立してしまうケースはあるのです。

では職場などで孤立しないようにするためには、どのような方法があるのでしょうか。

意思疎通をとるためのヒント

①口頭会話を減らし、報告は書面やメールを活用してみる

『表情が原因』だからと無理に表情を作ろうとすると、不自然になりやすいです。ではどうすればよいのでしょうか。

事務連絡のような感情を要さない対話であればそのまま口頭でもよいでしょう。しかし大切な話をしたいときなどは、書面やメールの「表情を気にする必要のない」対話で伝える方法もよいかもしれません。

表情を見られない対話にすることで、相手はあなたの表情から何かを読み取ろうとすることがなくなります。

②話すスピードをゆっくりにしてみる

話すスピードが早いと、抑揚がつきにくくなるどころか相手を圧倒するような話し方になるときもあります。これでは「考えが分からない」以上に嫌な印象を与えてしまうのです。

そのような意味でも、話し方をこれまでよりゆっくりにしてみましょう。そうすることで抑揚もつきやすく、穏やかな印象を与えやすくなります。

穏やかな印象であれば、「考えていることが分からないまま」でも相手の警戒心が弱まります。

③自分の言い方と、相手が話す同じ意味の言葉と比較してみる

言い回しや表現の違いに関しては、人それぞれです。

しかし、これまでの会話を思い出してみましょう。相手に伝わりにくい表現は決まっていませんか?これまでに伝わりにくいことが多かった話し方を振り返り、他の人がどういう表現をしているか確認してみるとよいかもしれません。

もし上司に相談できるのであれば、「この表現、みんなはどういう言葉で言っていますか?」「こういうときは、どういう言い方がわかりやすいですか?」などを確認してみるとよいでしょう。

④『こうしたい』『こうしてほしい』などの意思を加える

意思が抜けていると、どんなに詳細の説明ができていても中身のないものになりやすいです。ですから職場での報連相(報告・連絡・相談)では、

必ず
・自分がどうしたいのか。
・相手にどうしてもらいたいのか。

のどちらかまたは両方を入れて話すようにしましょう。

中には障害特性上、「自分の気持ちを外に出す」ということに抵抗があるかもしれません。したがってこのような場合は無理に感情を出そうとしなくても構いません。しかし上の2つだけでも意識できると伝わり方が大きく変わります。

関連記事:【発達障害】説明が下手で伝わらないときの、説明力改善のヒント4つ

相手が受け取りやすい伝え方ができればベスト

よく会話は「キャッチボール」と言われます。考え方が理解されにくいのは、「あなたがどういうボールの投げ方をするか」が知られていないということです。

やり取りに不安を感じていたら、こちらの記事『【アスペルガー】そもそも会話のキャッチボールとは?苦手克服のコツ』を参考にしてみてください。

もし上記のような伝え方の工夫ができないな…という場合は、あなたがどのような人間であるかを伝えるようにしましょう。「辛い時は、無表情になります」などのあなたなりの感情変化を伝えるのも、考え方を理解してもらう方法の一つです。

何より、相手が受け取りやすい表現をすることがベストなのです。上司とよく相談して、「どんな方法だと理解されやすい表現になるか」を確認していきましょう。

相談の仕方に迷う場合はこちらをチェックしてみましょう。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

今回お伝えしたことを心がけても全く理解されない場合、環境とあなたがマッチしていない可能性があります。したがって環境を変えることで「考えていることを分かってもらえない」問題を解決することがあるかもしれない、ということです。

発達障害の個性を活かす『カスタマイズ就業』で、あなたの良い部分が「財産」となって社会貢献に活きる可能性もあります。

働き方や環境について詳しくは、Salad編集部までお問い合わせください。

【筆者紹介】
Salad編集部員。30代男性。広汎性発達障害、ASD(自閉症スペクトラム)の診断を受けている。

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