【アスペルガー】そもそも会話のキャッチボールとは?苦手克服のコツ

会話は『キャッチボール』だと言うけれど、意味が分からない…

会話をすることが苦手

ASD(自閉症スペクトラム)は、かつて「アスペルガー」や「自閉症」と呼ばれていた障害が統合された名称です。

アスペルガー(ASD)の特性は、コミュニケーションの困難さとして現れることが多いです。周囲から「空気が読めない」、「融通が利かない」と言われやすく、誤解を招きやすい問題があります。

これを本人も自覚していると、「会話は苦手…」と避けがちになっていることもあるのではないでしょうか。

「会話はキャッチボールだよ」とよく言われる

よく、「会話はキャッチボールだよ」と言われています。アスペルガーで会話に苦労している方であれば、よく言われた言葉かもしれません。

「頭ではわかっているのに、実際にどんなやり取りをすれば『キャッチボール』になるのか分からない…」
「自分ではキャッチボールができているつもりなのに、会話が噛み合わない…」

このような悩みを抱えていませんか?

今回は、「会話のキャッチボール」について、苦手意識を克服するコツを紹介します。

まず、そもそも「会話のキャッチボール」とは、どんなものをいうのでしょうか。

『会話のキャッチボール』とは?

会話のキャッチボールは、話す相手と「会話を組み立てていく」作業になります。ですから相手が取りやすいボールを投げないといけません。かつ、相手から来たボールを取ることが必要になります。さらにはキャッチボールの中で、相手がどんなボールならとれるのかを確かめていくのです。

これを会話に置き換えると、
○取りやすいボール→相手が理解しやすい言葉や話し方
○相手のボールを取る→相手の話のポイントを理解する
○相手がどんなボールを取れるのか確認していく→会話の中でどれくらいの理解度なのかを確認していく

という流れです。

以上を踏まえて、アスペルガーを持つ方が陥りやすい「会話のキャッチボールでの問題点」、「苦手意識の克服法」をご紹介します。分かりやすく、ところどころにキャッチボールに例えて説明していきます。

【アスペルガー】会話のキャッチボールでの問題点

相手の状況に関わらず、自分の話し方をしてしまう

相手の状況に関わらず、自分の話し方をしてしまっていませんか?これをキャッチボールに例えてみましょう。

【キャッチボールに例えると…】
①山なりの緩いボールが取りやすいと聞いた。だからそう投げれば取ってもらえるだろう。→こういえば分かってもらえるという期待をして話している。
②自分は速い球しか投げることができない。→相手に関係なく自分の目線や考え方からしか話せない。

ということになっていませんか?

ありがちなのは、あなたの会話のイメージに「相手が参加していない」ことが多いのです。これでは「壁当て」と同じになってしまいます。

初めから会話の道筋を決めていて、相手の状況と無関係に話す

アスペルガーを持つ方は、臨機応変な対応をすることが苦手です。そのため、会話の際にもあらかじめ「シナリオ」を準備して話す傾向があります。このシナリオを途中で変えることができず、相手が会話についていけなくなることがあります。

【キャッチボールに例えると…】
○相手がボールを取れないときがあっても、同じようにボールを投げてしまう。→相手によって会話のペースを変えることができない。

この、「相手がボールを取れていない」ことに気づかないことが多く、双方苦労することが多いのではないでしょうか。

うまい言葉・話し方をすれば伝わると勘違いしている

アスペルガーを持つ方に関わらず、会話に苦労している方が陥りやすいのが「自分の話し方の問題である」ことのみに焦点を当ててしまうことです。そうして話し方の勉強をしたり、セミナーに通ったりしても伝わらないことで、相手のせいだと責めるケースまであります。

【キャッチボールに例えると…】
○自分は投げ込みをしてコントロールのいい球を投げられるようになった。だから捕れないなら相手の捕り方が悪い→話し方を勉強したわけだから、相手が分からないわけがない。

このような勘違いから、会話が噛み合わないことが多いです。噛み合わないことでさらに話し方を学ぶ…という悪循環に苦しむケースもあります。

「話し方」に比べて「聞き方・受け取り方」に対しての努力は目立ちにくいことがあります。そのため、自分でも「頑張れている」という実感がわきにくいのです。

聞き方について考えないのは、そのような「実感や達成感のなさ」も含まれているのではないでしょうか。

このような問題から、会話で困っていませんか?それでは、会話のキャッチボールにおいて苦手意識を克服するコツはどのようなものなのでしょうか。

「会話のキャッチボール」苦手克服のコツ

相手がどう聞いているか、確認の言葉を入れる

キャッチボールでいえば、「一度投げるのを止めて、相手がしっかり捕れているかどうか見ること」になります。捕れていないのに投げていては、相手はその後の球を捕ることはできませんよね。

これを会話に置き換えてみましょう。相手が理解していないのに話し続けていても、つまずいたポイントから理解することは難しくなります。

ですから、会話の節々で「今のどんな意味か、分かりました?」「この説明で合っていますか?」など、相手がしっかり受け取れているかの確認をしてみましょう。

そうして捕れる体勢を確認したうえで、次のボールを投げられるのです。

一回の会話での要件を一つに絞り、話しかける回数を増やす

人との会話が苦手なため、つい話しかける回数を減らそうとしていませんか?これにより生じやすいのが「複数の事項をまとめて話そうとする」ことにつながります。

話さないといけないこと=シナリオが多くなる分「最後まで話さなきゃ」というプレッシャーをかけることになります。

ですから、一回の声かけで話す要件を一つに絞りましょう。お互いの負担を減らすためにも大切なことです。

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聞くときは、相手の意図や要件を明確にしてもらう

キャッチボールは、「聞き方」に問題があるとお伝えしました。本来であれば相手がどんな意思で言ったことなのかを想像しながら話すことで解決しやすくなります。

しかしアスペルガーを持つ方の場合、この「相手の意図」を想像することに苦労しているケースが多いです。そのため、これを「相手に明確な表現をお願いする方法」でカバーしていきましょう。相手に捕りやすい球を投げてもらうように要求する、という形です。

もちろん、受け取り方についてもできる限り考えていきましょう。

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まとめ

いかがでしたでしょうか。

相手に合わせることを「負け」だと意識していることはありませんか?そもそも、会話は相手との勝負ではないことはもちろん、人の数だけ得意な「捕り方」「投げ方」があります。

人それぞれという曖昧な基準に苦しむかもしれません。しかし発想を変えてみましょう。「相手がどう捕るか」に焦点を当てていけば、意識することを減らすことができます。

あなたの会話のイメージの中に「相手」を参加させてあげましょう。

その他もし会話について悩んでいることがあれば、Salad編集部までご相談ください。

【筆者紹介】
Salad編集部員。30代男性。広汎性発達障害、ASD(自閉症スペクトラム)の診断を受けている。学生時代は「常に相手に合わせたら負け」だと意識していた。その後様々な場所で、相手に合せわもらっていることを体感して改善に至っている。

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