アスペルガーは変化に弱い?臨機応変な事態があったときの対処法3つ

アスペルガーは、突然の変化に弱い…

アスペルガーは、突然の変化に弱い…

新しい物事を吸収することに労力を要する

アスペルガー(症候群)は、現在「ASD(自閉症スペクトラム)」という名称に統合され、診断されています。 これは「自閉症」や「特定不能の広汎性発達障害」などと明確な区分けができないという判断からです。

このASDの特性は、特定の物事への執着が強い傾向があります。執着が強いために、変化を求められてもすぐには変われない困難を感じやすいです。

分かりやすく説明すると「じっと居座るために、いざ動くとなるとなかなか離れることができない」、そのような感覚ではないでしょうか。

変化に弱いことで、職場でも困りやすい

多くの場合、職場では変化を伴うケースが多いです。それまでは「絶対的なルール」だったとしても、それすらも変わることに苦しんでいる方も多いのではないでしょうか。

「異動や業務内容の変更」はもちろん、「直属の上司や上層部の人間が変わった」などの人の変更にあっても、適応することに困りやすいのです。

参考:ASD(自閉スペクトラム症、アスペルガー症候群)について| e-ヘルスネット(厚生労働省)

変化に弱い原因

変化に弱い原因

それでは、アスペルガー(以下、ASD)を持つ方がなぜ変化に弱いのかを解説していきます。

こだわりが強く、ひとつの物事に執着しているため

ASDの特徴には「こだわりが強い」 点があります。ルールやパターンに固執することで、スムーズに動くことができます。

しかし、その影響で「新しいパターンを作らなければならない」ぶん、変化が苦手なのです。その時その時で判断すればよい、という曖昧な考え方自体に苦しみやすいことがあります。

分かりやすく変化に強い人と弱い人の比較を「住居」に例えて説明しましょう。

変化に強いタイプの人は、すぐに動けるように「テント」を張ってその場に留まります。ですからその場から動けと言われたらすぐにたたんで移動することができるわけです。「動くこと=変化」を前提にして留まる形です。

しかし、変化に弱いタイプの人は、一回一回「家」を組み立ててその場に留まります。ですから移動(=変化)となれば「中の道具をどう運ぼうか…この家は取り壊そうか…」となりやすく、新しい家を建てることにも一苦労するわけです。

さて、これを普段の職場に置き換えてみましょう。ASDを持つ方は「変化をする前の不安が強く、変わった後も適応していくことに時間がかかる」となります。

几帳面であり、スタイルを変えることが苦手

ルールやこれまでのスタイルに忠実であることが多いため、今までのやり方を崩すということに抵抗を感じやすいです。場合によっては変わるということを「悪」と捉えるケースもあります。

そのため、変化していきたいタイプの方と衝突する場面を生みやすいです。このようなトラブルに対しての注意をしていかなければなりません。

思い込みが強く、悪い事態ばかりを考えてしまう

ASDを持つ方は、マイナス思考に傾きがちです。さらにこだわりの強さから思い込みが強いことがあります。

よって一度不安になり始めると、どこまでも疑ってしまう傾向があります。 変わることに希望やメリットを感じるのではなく、不安やデメリットが先行してしまいがちです。

ですから「変わるか、変わらないか」の選択を迫られた場合、現状維持などの慎重案に傾きやすい傾向があります。

ちなみに先ほどの住居の例えで言えば、「家」になるまでにコツコツと積み上げることに抵抗を感じません。そのため、変化には弱くてもひとつの物事を続ける力があることも覚えておきましょう。

変化そのものを感じ取ることが苦手

ASDを持つ方は、空気が読めない、ことなどから、コミュニケーションに困難を感じることが多いです。

雰囲気的に変わるのかな…のような空気をつかむことができないため、他の人よりも変化への対応自体が遅くなってしまうことも多いことがあります。

人事異動や配置転換などのときに、「正式発表もないのに周りはどうして動けるの?」と疑問に感じたことはありませんか?自分だけ適応が遅くなってしまうことで、さらに変化に関しての苦手意識が強くなってしまうこともあるのではないでしょうか。

参考:こだわり、不安がつよい:困りごとのトリセツ(取扱説明書)|発達障害プロジェクト|NHK

職場や自分の成長のために、変化が必要なこともある

職場や自分の成長のために、変化が必要なこともある

何度も変化をするようでは、どんな職場でもバランスを崩してしまいます。しかし、時には「成長」のために変化することが必要です。これはひとりひとりの働き方にも置き換えられます。変化がなければ、成長が望めないことが多いです。

さらには多くの人が関われば、予想通りに物事が進まないことも存在します。変化に適応できない場合でも、「臨機応変」な対応を求められることもあります。

では、そのようなときはどのように対応していけばよいのでしょうか。

参加:アスペルガー症候群(高機能自閉症)|心療内科・精神科|うつ病治療の新宿ストレスクリニック

職場で臨機応変な物事があったときの対処法

職場で臨機応変な物事があったときの対処法

①なぜ変化が必要なのか、主旨や目的を理解する

理由や目的を知らないまま行動することは、ASDを持つ方にとって不安でしかありません。ですから対処として、上司などに「何のために変わるのか」を確認しましょう。

目的を明確にすることで不安も少なくなり、その後の作業のミスや誤解も軽減されます。

②成長を意識して、主体的な取り組みを続ける

受け身状態でいると、変化しにくい体質になってしまいます。一つのことを継続することは良いことですが、成長せず同じところに居座っていてはいけません。

変化に驚いてしまうのは、変化することを想定していないからです。ですから常に自分が成長するためにはどうすればよいかを考えていきましょう。

主体的に取り組み続けていく中で、変化に対応できる体勢を作れます。

③定期的に上司と相談して、変更点を確認する

ASDを持つ方にとって周囲の雰囲気から変化をつかむ、というのは至難の業です。変化をつかみ取れない分、定期的に上司に相談するようお願いしましょう。

上司との相談の中で、「今後自分や職場がどう変化していく必要があるか」具体的にアドバイスをもらうなどしておけば安心です。

もし、相談の持ち掛け方が分からない場合は、こちらの記事「【ASD・アスペルガー】悩み事を相談できない…きっかけの作り方4つ

参考:「助けて下さい」と言える力 | 東京発達・家族相談センター

変化ばかりの環境が、窮屈に感じたら…

変化ばかりの環境が、窮屈に感じたら…

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参考:障害者の能力や強みを生かす「カスタマイズ就業」って? – 毎日新聞

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まとめ

いかがでしたでしょうか。

変化に対応できるコツは「本質を見ること」です。細部にこだわっていると、ちょっとした変化でも動揺しやすいことがあります。これが本質を見据えて動いていると、少しの変化では動揺しなくなります。なぜなら、本質はそれほど変わることがないからです。

今置かれているポジションの目的は何なのか。上司と相談しながら考えていきましょう。

【筆者紹介】
Salad編集部員。30代男性。30歳の時にうつ病を発症。のちの診察で広汎性発達障害、ASD(自閉症スペクトラム)の診断を受けている。繊細さ・敏感さを特徴とするHSPの特徴もある。過去の職場では、定期的に環境が変化することが決まっていた。そのたびスタイルを大きく変える必要があったため、混乱することが多かった。

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