【ASD、アスペルガー】空気読める対人関係には特徴があるって本当?

空気が読めないのは、自分のせいとは限らない

ASDは、空気が読めないと言われやすいが…

ASD(自閉症スペクトラム)は、かつて「アスペルガー」や「自閉症」など呼ばれていた障害が統合された名称です。

こちらの記事にもあるように、言葉ではない曖昧な表現を処理することに苦労しやすく、周囲から「空気が読めない」と言われやすいです。

しかし、全ての対人関係のすれ違いにおいて、「ASDの空気を読む力不足」によるものと決めつけることは良いことなのでしょうか。問題解決のためには様々な事情を考えたうえで、本人以外に原因があることも考えていく必要があります。

空気を読める、ASDの当事者もいる

ASDは空気が読めない、そう言われて「自分は違う!」と反論したくなる方も存在します。空気を読むことが苦手ではない、もしくは別の形で周囲の情報をつかむことをしているなどに該当する方も存在するのではないでしょうか。

ASDを抱えながらも「アイコンタクトもできるし、周りを見て動くこともできる。対話も適度に行っている。」

このような方も少なくありません。

しかし、それでも一般的には「ASDは空気が読めない」という印象を持つ方もいます。

では、同じASDでも空気を読む・読まないに差が出るのは、どのような特徴からなのでしょうか。

空気読める対人関係を実現できる人の特徴は?

上司、周囲との対話をしていて、お互いの性格を理解している

当事者本人が努力して関わりを深めていった、もしくは職場からの適切な配慮を受けられたことが理由かもしれません。その両方である可能性も大いにあります。

周囲に自分の特徴を知ってもらうことはもちろんですが、大切なのは、当事者が周囲の人たちの性格や特徴を知っていることです。「こういうときに、上司はこう動く」「辛い時は、いつもあの人はこんな行動をとる」という「くせ」はどんな方にも存在します。

周囲の人それぞれのくせやパターンを知っているからこそ、対話以外の「空気」が見えやすいのです。これを利用して、「辛い時は周囲へのサインとして、赤いネクタイに変えます」などの『シグナル』を伝える方法もあります。辛い時の「ルール」を決めておくことで、問題を最小限に抑えることにもつながるのです。

下記の関連記事をチェックして、コミュニケーションのきっかけをつかんでいきましょう。

関連記事:【ASD・アスペルガー】悩み事を相談できない…きっかけの作り方4つ

障害を持つ方本人が、主体的にチームのために動く姿勢を持っている

周囲から言われるのを待っている「受け身」の状態ですと、得られる情報は限られてきます。

「職場にとって必要なものは何かなど」を意識したことはありますか?職場全体の課題を把握していくには、主体的に動いていく姿勢が重要です。「自分ならどうしていきたいか」を考えて周囲とすり合わせていくことで、「仕事のテーマ」を把握しやすくなります。

「周りが何のために動いているか」が分かってくると、言葉なくても動くべきことが見えやすくなるのです。仮にその場の雰囲気を読むことができなくても、仕事の必須条件を把握していれば、周囲とのすれ違いも減るのではないでしょうか。

業務内容や職場環境に深い関心がある

自分の仕事スキルの上達に、「コミュニケーション」が無関係と考えているとしましょう。その場合、進んで他者と関わろうとすることは少ないのではないでしょうか。

反対に業務や職場環境に「こだわる」ことができれば、周囲と関わることに抵抗を感じにくくなります。自分のスキル向上の一つとしてコミュニケーションがある、と考えられたときにすれ違いが少なくなってくるのではないでしょうか。

そのスタートは「自分の仕事に関心を持つ」ことです。「自分の業務は作業が終わった後どのように処理されていくのだろう…」など、つながりを意識してみるのも効果的です。

関連記事:【アスペルガー、ASD】こだわりが強い特徴のメリット、デメリット

自分の業務の精度を上げて、周囲に教えるほどになっている

「空気を読むスキル」とは少し異なりますが、ひたすら自分の業務を勉強して教えられるまでになったケースです。

その仕事の「スペシャリスト」になれば、周囲が聞いてくる・求めてくる機会が増えてきます。

人と関わるスキルとは若干異なりますが、「必要とされる存在」になるために懸命に努力をするのも方法の一つです

仕事で周囲と噛み合わないときは「やりがい」について考えてみよう

今の環境でのやりがいを探してみる

どうしてこの仕事をしているのか、どんなことに「やりがい」を感じるのか、改めて考えてみる機会かもしれません。

周囲との関わり方を変えてみる、新しい業務にトライしてみる、配置変更を依頼するなど工夫していくことでやりがいが見つかるかもしれません。

ちなみに障害者雇用のオープンポジションなどで就職した場合は、就職後も環境や業務変更などの自由が利きやすいのが特徴です。

また、障害者雇用に特化した特例子会社などの場合では、上司に相談しやすいケースが多いでしょう。

今の環境で「やりがい」が見つからないなら、カスタマイズ就業で個性を活かす方法もある

「どのような取り組みをしても、一向にやりがいが見つからない…」「積極的に周囲と関わろうとしても取り合ってもらえない…」など、どうしてもやりがいを見つけられない場合は、「カスタマイズ就業」という言葉を覚えておきましょう。

既に聞いたことがある方もいるかもしれません。「カスタマイズ就業」は、障害を持つ方の特性や個性の弱みをカバーしていくのではなく、強みを伸ばして貢献していくスタイルです。

自分が自然体で行っていることで、大きく活躍できるチャンスもあります。

こちらの記事「【発達障害を持つ方の就職】あなたもできる「カスタマイズ就業」とは」を参考にしつつ、興味がありましたらぜひSalad編集部までお問い合わせください。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

どの障害にあっても、世間で紹介されている特徴にピタリとはまるというケースは少ないのではないでしょうか。ですからASDの診断を受けていても、ASDの特徴にすべて当てはまるというケースも少ないのです。

最も怖いのは、自分から「一般的な特徴」に当てはめようとしてしまうことです。「本当は空気が読めているのに、ASDだからきっとこれは読めていないんだ…」と認識していては損をしてしまいます。自らのことだけでなく、いろんな障害の特徴を学んでみるのも、自己理解につながるかもしれませんよ。

【筆者紹介】
Salad編集部員。30代男性。広汎性発達障害、ASD(自閉症スペクトラム)の診断を受けている。繊細すぎるのが特徴であるHSPの項目にも多く該当する。そのため、嫌な予感や雰囲気の変化には気づきやすいが、細かい事情が分からないために苦しんだ経験がある。現在はテレワーークでもって、「空気を読むこと」を最小限に抑えた職場環境に転向した。