障害のある人がアートに関わる仕事をするために

障害のある人がアートを仕事にする

将来設計を考える人

今回の記事では障害のある人がアートの分野で継続して収入を得る、あるいは副業/複業として仕事にすることを考える際に役立つ情報をお届けします。

デザイナーイラストレーターグラフィッカーとして企業への就職を希望する方はこちらの記事も参考にしてみてください。

関連記事:イラストレーターとは。仕事の流れ、就職の為に必要なスキルを紹介
関連記事:絵を描く仕事一覧。イラスト・デザインなど「好き」を活かすヒント
関連記事:ゲーム業界の仕事内容や開発の流れ。一つのゲームができるまでを紹介

参考:グラフィッカーの求人 | Indeed (インディード)

展示やコンクール、賞などに応募したい方はこちらの関連記事とリンクも参考としてごらんください。

関連記事:【体験談】障害者アートで夢に挑戦!支援団体やコンクールもある!

参考:公募展情報2022 ゆめ画材 | 画材通販サイト「ゆめ画材」が公募展・コンテスト情報をご紹介!情報掲載のご依頼も随時募集しています※掲載は無料/ Twitter@yumegazai_koubo
参考:渋谷公園通りギャラリー  - アール・ブリュット等をはじめとするさまざまな作品の展示等により、一人ひとりの多様な創造性や新たな価値観に触れられる機会を提供 (公益財団法人東京都歴史文化財団 東京都現代美術館)

コンテンツを形にしたい(本を作りたい)人は出版支援のシステムを利用する方法もあります。

参考:ほんたま「本を作りたい」気持ちが集まる出会いの場(出版支援 NPO法人・企画のたまご屋さん)

少ないコストで早く本(電子書籍と紙の書籍)を作りたければ、電子書籍の出版サービスやオンデマンド印刷サービスも利用することができます。

参考:セルフ出版 | Amazon Kindle ダイレクト・パブリッシング
参考:Amazon.co.jp: プリント・オン・デマンド(POD): 本

お金を稼ぐ・仕事にすることの難しさ

急いで期限のある仕事をする人

約束を守る・自分で責任を持つということ

仕事は仕事をする人と仕事を依頼する側の人という2人以上の人の間で成り立つため、一緒に仕事ができる・したいと思えない人とはそもそも仕事が成立しません。

仕事による収入で生計を立てている人が協力して仕事したい・一緒に仕事したいと考える人はどのような人でしょうか?

たとえば

・ルールや約束を守れない

時間を守れない(人と会う約束をした日時・約束した仕事の期限など。「9時から12時まで決まった場所で仕事をする」などの約束)

長い間 連絡が取れない(長い間、相手からの連絡を無視し、返信もしない)。

このような状況の人に仕事を依頼するのは難しいですし、一緒に仕事したいとも思えないのではないでしょうか。

ルールや約束が守れて、連絡が取れる人と仕事をしたいと考える人がほとんどです。

どうすればよいのか?

著しく体調や健康状態が悪い場合は、まずは生活ができるよう公的支援を受け、医療機関で治療を受けて体調を可能な限りよくすることが最優先です。

それがクリアできたら次は自分の問題について協力してくれる人に伝えること、サポートをお願いすることで目的の達成に近づけます。

ここで協力してくれる人を探すのは大変わたしにはそんな人はいないと投げ出さないでほしいと思います。

もっとも重要なのはこの最初のアクションかもしれないからです。

まずは下の3つについて考えてみましょう。

(1) 自分の目的 

(2) 目的をかなえるために必要なこと

(3) (2)を手助けしてくれる人や団体

たとえば、

(1)自分の目的

→特技を生かして働きたい

自分の特技が仕事として通用するレベルの技術に達している・または自力で仕事ができるレベルの技術を身につけることができるでしょうか。

自分に合う教育や訓練を受けるほうが効率がよいかもしれません。

関連記事:スペックワークとは。障害者枠でデザイン・イラストの仕事に就くには

関連記事:就労移行支援事業所で在宅就労は実現できる?おすすめはココ!

参考:ココナラ – みんなの得意を売り買い スキルマーケット
参考:サニーバンク 障害者専門 クラウドソーシングサービス

(2)目的をかなえるために必要なこと

(2)-①通勤が困難なため在宅で働きたい(テレワークしたい)

テレワーク可の求人に応募したいのか、給料をもらうのではなく独立しフリーランスとして働きたいのかによって、必要なことが異なります。

参考:5分でわかる自営型テレワーク「様々な仕事があります!」 | ホームワーカーズウェブ (厚生労働省委託事業)

(2)-②病気や障害、体調不良やその他の事情への配慮がある環境で働きたい

短時間勤務や通院のため休日が取得が可能な働き方(一般就労・クローズ就労)を探すのか、病気・障害やその他の事情への配慮が受けられる勤務先(障害者雇用など)で働くのかなどの選択肢があります。

関連記事:障害者枠と一般枠ってどう違うの?実習が大きなカギだった!?
関連記事:精神障害を持つ方がクローズで就職したときのメリット、デメリット
関連記事:カスタマイズ就業とは(手段と効果) 

参考:ソーシャルファーム 障害者雇用の求人 | Indeed (インディード)
参考:ソーシャルファームの行方~就労支援の取り組みと課題~ | 株式会社エンカレッジ

(3) (2)を手助けしてくれる人や団体

(2)-①テレワークを始める具体的な方法を知りたい

自分で仕事に必要な連絡ができ、仕事のための十分な技術と知識があり、設備が整っていればすぐに自力でフリーランスの仕事を始められるでしょう。

それが難しい場合は、先にほかに知っておくべきことがあるのかもしれません。

将来したい働き方をかなえるための準備として就労移行支援事業所や職業訓練校などで学んで進路について相談したり、企業に就職して仕事の流れや技術を学んだりすることも可能です。

関連記事:就労移行支援事業所で在宅就労は実現できる?

参考:自営型テレワークに必要な機器は何ですか? | ホームワーカーズウェブ (厚生労働省委託事業)
参考:相談窓口 | ホームワーカーズウェブ (厚生労働省委託事業)

自分で調べてもわからなかった場合は、信頼できる支援者にアドバイスをお願いすることも選択肢の一つです。

参考:障害を持っていますが、自営型テレワークはできますか? | ホームワーカーズウェブ (厚生労働省委託事業)

(2)-②就職活動や仕事のときに、勤務先とのコミュニケーションがうまくできるように協力してほしい

就職・仕事で関わる人たちとのコミュニケーションが不安な場合、障害に関する困りごとを相談できる支援者とつながりを持っておくという対策があります。

いま仕事に関する支援を受けている(過去に支援を受けた)団体や、住んでいる地域の就労支援機関などがあれば、環境や仕事が変わっても引き続き支援を受けられるようにしておきましょう。

公的な支援機関でも突然担当者が変わったり異動したりすることは多いので、常に複数の支援者(団体)とつながりを持っているとより安心です。

関連記事:障害者雇用の就職活動総まとめ!自己分析から内定後まで

関連記事:今すぐ必要!どうすればいい?緊急時の相談窓口まとめ

参考:障害者の方への施策 |厚生労働省

問題は何か、自分はどうすればよいのか?

自分に必要なアクションが具体的にイメージできたでしょうか。

障害や病気、その他のやむを得ない事情が原因で、仕事に集中しにくくなることは本人の責任ではありませんが、それを理解して受け入れてもらうことが難しいのは社会の課題でもあります

そのような社会の課題の解決のための取り組みも、様々な人や団体によって行われています。

それとは別に自分が今向き合っている問題として、自分がなるべく早く好きなことを仕事にしたいとき、目の前の解決できる問題から順に対処していくこともできます。

体調不良とルールの折り合いをつけるためには「誰が」どうすればよいのか?

体調不良自体は悪いことではなく、体調が悪くなった本人の責任ではありません。

ただ連絡をしなければ体調不良などの事情が相手に伝わらないので、勤務先(企業)も従業員が連絡なしで欠勤を続けて連絡も取れない場合の決まり(雇用契約・就業規則)を守って対応することになります。

もし体調などの事情に関して勤務先とコミュニケーションがうまくとれていて、仕事の内容や働き方などについても事前に相談できていたなら、連絡して体調が回復するまで休み、仕事に戻ることができたかもしれません。

得意な分野で活躍できる能力と意思があって働きたい・社会参加したいという人がいるのなら、社会・企業の側からの歩み寄りでより多くの仕事が成立するはずです。

参考:発達障害は体調不良との戦いである【ADHD・ASD(アスペルガー・自閉症スペクトラム)】【HSP】【慢性疲労】| ぽんこつニュース【発達障害&ライフハック】|Youtube

芸術系の学校に行かないとプロになれない?

学芸員

必須の条件ではない

たとえば国家資格である医師になるには、大学の医学部か医科大学を終了して医師国家試験を受け、一定期間の研修を行わなければなりません。

“大学の医学部か医科大学に行かないと医師になれない”は正しい表現でしょう。

アートやデザインに関する仕事をしている人で芸術系の大学(専門学校)出身であるという人は多いですが、これは必須の条件ではありません。

多くの芸術系の学校では、学力の試験とともに実技の試験も行われるため、受験生は実技試験のための訓練も行います。

実技試験の難易度が高く、合格できず予備校などで学びながら浪人をする人も珍しくないので、入学試験に合格した人全員がある程度の技術と知識を身につけていると考えられています。

参考:ブルーピリオド|アフタヌーン公式サイト – 講談社の青年漫画誌
参考:入試制度概要 – 東京藝術大学入試情報サイト|東京藝術大学

芸術系の大学・学部は入学した後も通常の大学と同様の単位の取得とあわせて実技のカリキュラムがあり、卒業試験でも実技の評価があります。

単位の取得と同時に、実技試験で合格の評価を得るサイクルを在学中の数年間繰り返すことが学校生活の基本になります。

つまり芸術系の学校を卒業できたということはある程度時間が守れて、自力でスケジュールの管理ができた人です。

前項でも述べた一緒に仕事をしたい・仕事を依頼したい相手の条件とあわせて考えると、仕事にするための重要なポイントが見えてきます。

参考:Q3 日本の大学の現状について、「授業に出席しなくても単位が取れる」「勉強しなくても簡単に卒業できる」などの声を耳にしますが、これについて大学はどのような対策を講じているのでしょうか。:文部科学省

障害のある人によるアートの状況について

方向性について考える人

定義があいまいになりつつある

現在の日本で通常アウトサイダーアートという言葉が使われるときの意味は伝統的な定義 – ジャン・デュビュッフェによるアールブリュットの定義とは異なります。

参考:Jean Dubuffet | MoMA(ニューヨーク近代美術館)(英語)
参考:ジャン・デュビュッフェ|美術手帖

発表する人が何らかのハンディキャップを持っている発表する人が専業の作家ではないのどちらかに当てはまれば、本人が作品を発表して評価されることを希望し、制作活動によって利益を得る意思があったとしてもアウトサイダーアーティストと称し活動を行っているケースが多いようです。

参考:Collection de l’Art Brut – What is Art Brut? |THE COLLECTION DE L’ART BRUT(「アール・ブリュット・コレクション」(スイス・ローザンヌにあるアールブリュット美術館)、英語およびフランス語のWebサイト)
参考:障害者の芸術文化活動|厚生労働省

アートに特化した障害者のへ支援活動事業

美術ギャラリー

障害のある人のものづくりの芸術的な価値を通して支援・授産につなげる活動が広がる

また、事業所の活動の一環で生産されたものを、福祉的な販売を行うだけではなくそれ自体が高い芸術的な価値を有する魅力的なアイテムとして紹介したり、商品化に協力したりする形の支援活動が実を結んでいるケースも知られるようになり、その分野も成長しつづけています。

雑貨・食品をはじめ、アパレルや化粧品などの分野でも注目されるようになってきています。

参考:クシノテラス|日本唯一のアウトサイダー・キュレーター櫛野展正が広島県福山市につくったアートスペース
参考:「マジェルカ」|障がい者が作る雑貨のセレクトショップ
参考:株式会社ヘラルボニー|福祉実験ユニット

複業/副業として 仕事のひとつにする

将来の目標について計画する人

当事者が個人で収益化を行う

支援者を通して作品や技術を商品化して対価を得、生活のための収入と今後の作品作りにつなげていく活動のほかにも、障害・病気の当事者自身が個人で生産物や技術によって収入を得る手段もあります。

在宅ワーク・テレワークとしてのクラウドソーシングスペックワークという働き方も広まっています。

クラウドソーシング、スペックワークについては下記の記事でも詳しく紹介しておりますので、興味のある方はごらんください。

関連記事:【体験談】クラウドソーシングから学んだ、在宅勤務に必要なもの4つ

関連記事:スペックワークとは。障害者枠でデザイン・イラストの仕事に就くには

参考:サニーバンク 障害者専門 クラウドソーシングサービス
参考:ココナラ – みんなの得意を売り買い スキルマーケット
参考:BASE (ベイス) | ネットショップを無料で簡単に作成

インターネットを介する新たな収益化の手段

デジタル技術によるアートの問題へのひとつの解決策

ブロックチェーンの技術を用いる”NFT”によって、デジタルアートの問題点 ー 複製・改ざんが容易であることへの解決策が提示されました。

話題になったのでご存じの方も多いと思いますが、

  1. 1. 複製が困難であり、作家による唯一の本物の作品であることが証明できる
  2. 2. 販売や所有に関する情報が記録され、所有の証明が可能である
  3. 3. セカンダリー・マーケットでの取引の際にも作者に利益がもたらされる仕組みを作れる

などのメリットがあり、また発表や販売にあたってアーティストとしての知名度や初期コストが不要で参入(作品の発表を始めること)のハードルが低いために「誰でも発表・売買が可能」として注目されることとなりました。

そして2022年現在、NFT販売に関する新しいサービスが次々と立ち上げられていますが、中にはかえって作者の利益をそこなうようなものもあります。

新しい情報や技術に関する知識(リテラシー)や判断力、多くの人に作品を知ってもらうための情報発信の能力、も問われるようになっています。

参考:利用者によるリテラシーの向上|令和元年版 情報通信白書|総務省参考:テレ朝news – 流行語“NFT”小学生の絵が170万円で落札!?|テレビ朝日のニュース情報サイト「テレ朝news」の公式Facebookページ
参考:アートとの付き合い方 ギャラリスト小山登美夫|現代アート販売(通販)のタグボート

仕事・働き方に悩んでいたら。『Salad』が強みを活かす就職のサポートをします


自分の強みを仕事にできる求人サイト

ノウドー

強みの活かし方を知るための情報サイト

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でもそれはあくまでサポート。
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まとめ

キャリアパスについて考える人

現在はテレワーク(在宅勤務)の仕事の機会が増え、アートやデザインの分野に関する職種や仕事も増えている状況です。

関連記事:Photoshopで人気カメラアプリを再現するには?

こちらの記事が得意なことを仕事にしたい方が将来の目標やキャリアの形成について考えるご参考になれば幸いです。

私たちサラダ編集部はIT・Web系の仕事にかかわってみたい方、得意なことや好きなことを仕事にしたい熱意のある方を応援しています。

障害のある方向けのIT・Web系の非公開求人情報や、IT・Web系の技術を学べる就労移行支援事業所の検索ページなどを役立てていただけると幸いです。

お問い合わせやご意見はこちらからどうぞ。お待ちしています。

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