HSPは、情報過多になりやすい…
たくさんの情報を吸収してしまう
HSPは心理的用語で「とても繊細な人」という意味を持っています。障害ではないもののその特性からあらゆる生きづらさを感じることが多く、メディアにも注目されてきています。
HSPには「情報収集量が多い」ことが特徴の一つです。これは周囲の情報を感知しやすいために、他の人よりもたくさんの情報を得ることができるのです。
これにより、細かいことにも気を配れることや、緻密なデータの処理が得意などの特徴として活かすとこともできるでしょう。
処理が追い付かず、不調を招くリスクがある
しかしながら、「得る情報が多い」ことはありますが、「情報処理が早い」とは限りません。そのため、情報過多になってしまうことが多いのです。
これによりうつ病などの精神疾患を発症してしまう危険性もあります。
HSPの脳内を部屋に例えると、「懸命に掃除をしているのにそれ以上にゴミもたくさん増えるから、掃除機が壊れてしまう」ことでしょうか。
関連記事:HSPはうつ病になりやすい体質!?体調不良になる原因と予防法は?
参考:敏感すぎて疲れるのはHSPかも?うつ病にもつながるHSPの特徴と対処法 | 医療法人東横会 心療内科 精神科 たわらクリニック
HSPが情報過多になりやすい、滞らせる情報がある
数ある情報の中でも、HSPを困らせる「処理が難しい情報」があります。今回は、HSPを持つ筆者の体験から『処理の難しい情報』をご紹介したのち、パニックにならないための予防法をお伝えします。
参考:HPS(Highly Sensitive Person)ハイリー・センシティブ・パーソン | 仙台の心療内科・精神科・美容内科マドレクリニック
【体験談】HSPが困りやすい情報
他人の言動や行動に含まれる心情
他人の言動や行動には、答えがありません。答えがないゆえにいくらでも考え込めてしまいます。
周囲の会話の状況を見て「この人とこの人はあまり仲が良くない」「この人といる時にはこういう態度を見せる」などの情報を総合して、頭の中で「相関図」を作ってしまうときもありました。
しかし想像以上に、人の気分は変わりやすいものです。したがって観察から得た「データ」もすぐ無駄になります。そうして情報の処理を行っていた間にたまっていた情報に追われて、情報過多になるときがありました。
無駄だと分かっていても傷つくことを避けるために、情報を得ようとしてしまうので、辛く感じる時があります。
関連記事:【HSP】人に嫌われるのが怖くて気にしすぎてしまう理由、改善法
人混みなど、情報の対象が多い
このような深く考えるケースではなくても、人混みのような「たくさんの情報があるところ」ではすぐに情報過多になるのです。周囲の人の動き方、表情、話していたことや恰好まで全部が頭の中に入ってきます。
入ってきてはすぐにくたびれてしまうため、外に出かけるのも大変です。
関連記事:【HSP体験談】人混みや集団に疲れたら「一人の時間」でケアしよう
矛盾した情報が同時に来る
職場で常に考え方が同じで、同じ方向に向かっている場合は良いでしょう。しかし、そのようなケースは筆者の場合ですが、少なかったです。
常に「賛成派」「反対派」が対立していて、まったく逆のことを言っている機会が多くありました。どちらの見解を信用すべきかはもちろん、どの人が「賛成派」なのか、「反対派」なのかを観察して把握しようと思い始めると、疲労が激しかったです。
HSPが情報過多になりやすい理由は?
さて、HSPを持つ方はどうして情報過多になりやすいのでしょうか。
①吸収する情報を選べない
共感性が高く、他人との境界を築くのが苦手です。そのため、周囲からは「何でもOK」なように見えることがあります。しかし実際にはパーソナルスペースが広いために、混乱しやすいのです。
このように自身で吸収したい情報を選ぶことができず、どんな情報でも受けてしまう可能性が高いために、情報過多になってしまうのではないでしょうか。
②他人の心情など、答えが出ないものも分析してしまう
先ほど触れたように、他人の心情など「答えのないもの」でも深く考え込んでしまうことがあります。
共感性が高いことで、相手を無視できないことが多くなるからです。「放っておく」ことが苦手なため、何とか答えを出そうとしてしまうのではないでしょうか。
関連記事:【HSP体験談】他人の感情の影響で優柔不断に…適度な距離の保ち方
③不要な情報を捨てる(忘れる)ことが苦手
その他、不要な情報を捨てるということも苦手です。捨てることで「対象に悪いのではないか」という「罪悪感」があるためです。
いつまでも情報が減らないため、抱え込めなくなりやすいのです。
参考:HSP気質とは? 特徴と付き合い方まとめ – STUDY HACKER|これからの学びを考える、勉強法のハッキングメディア
情報過多が続くと、パニック障害になるおそれがある
ネガティブな情報ほど残りやすい
このような情報過多の状態は、心身に負担がかかっています。そのため、情報に溢れすぎることで処理しきれず、パニック障害などの症状を招くことがあります。
特にネガティブな情報ほど警戒するために残っていることが多いので、そのリスクも高くなってしまうのです。
このような症状を予防するためには、特性を把握し情報過多にならないよう対処していくことが必要になります。それでは、情報整理をするにはどのような方法が必要なのでしょうか。
パニック障害を予防する情報整理のコツ
熱中・没頭できるものを見つけて、センサーの矛先を変える
HSPを持つ方にとって、「何も考えない」「何もしない」ときほど情報が入ってくる可能性が高いです。意識が何かに向いていない分、情報の範囲も広くなるでしょう。
ですから不要な情報を呼び込まないためには、没頭できる趣味などを持ち、集中することで予防できます。もちろん、仕事でも構いません。
「考えない」ことより、「別のことを考える」くせをつけることで、情報過多になりにくくなります。
上司に相談・確認するなどして、情報を絞る
自分自身で情報を絞り、不要なものを忘れていくことも大切です。しかし、それができない情報がたまるから苦しいのではないでしょうか。
特に対人関係の様々な情報をまとめることはできないでしょう。このような状況の確認も含め、上司に相談してみましょう。
周囲の状況を確認することで情報を絞ることができますし、不要な情報が入りにくい環境を探してもらえるかもしれません。
関連記事:【HSP】辛い時でも相談できない…相談のきっかけのつかむコツは?
充分な休養をとる
疲れていると、自分の身を守るために「センサー」が強まります。警戒するためにわざわざネガティブな情報にも目が向きがちです。こうなれば、さらに情報に溢れてしまいます。
ですからいつもより周囲の状況が気になるな…と感じたら休養のサインです。一人の時間を設けるなどして充分な休養を取りましょう。
情報過多を予防するために、テレワークという手段もある
オフィスにいれば、沢山の人がいます。関わりの中で様々な情報はどうしても入ってきてしまいます。このような苦労を回避し、仕事に集中する方法として「テレワーク」があります。
テレワークは主に自宅で業務を行います。コミュニケーションは情報通信を用いたやり取りに絞られますので、仕事とはかかわりのない情報は入ってきません。そのような意味でも、情報過多を防ぐ最適な方法の一つといえるでしょう。
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関連記事:【HSP体験談】在宅ワークで解消した仕事のストレス。問題点も紹介
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まとめ
いかがでしたでしょうか。
HSPは全世界の5人に1人の割合で存在すると言われています。しかしながら、その生きづらさに共感してくれる人は少ないのではないでしょうか。
情報は「過多」になれば問題ですが、適量を維持することができれば知識や判断の場面で力になることもあります。特性(=センサー)と向き合いつつ、活かし方を見つけていきましょう。
【筆者紹介】
Salad編集部員。30代男性。広汎性発達障害、ASD(自閉症スペクトラム)の診断を受けている。HSPのチェックテストは9割以上が該当する。