【HSP体験談】他人の感情の影響で優柔不断に…適度な距離の保ち方

HSPは、他人が関わると優柔不断になりやすい

HSPは、他人が関わると優柔不断になりやすい

他人を犠牲にしてまで、決める・断ることができない

HSPは「とても繊細な人」という意味を持つ、性格や気質を表す言葉です。したがって、病気や障害とは異なります。

しかしながら、感受性や共感性が強い特性により、優柔不断になってしまうケースがあります。普段は迷いなく決断できるのに、そこに他人が関わると急に優柔不断になってしまうのです。

それはどういうことなのでしょうか。筆者の経験を交えてご紹介します。

参考:HPS(Highly Sensitive Person)ハイリー・センシティブ・パーソン | 仙台の心療内科・精神科・美容内科マドレクリニック

【HSP】他人の感情から優柔不断になる原因

【HSP】他人の感情から優柔不断になる原因

誘いを断るなど、相手にとって都合の悪いことを言えない

自分一人しか関係しない物事は、自分が良しであれば誰も文句は言いません。ですからすぐに決められるのです。

しかし、友人の誘いやセールスなど「断ったら相手にマイナスになる」と分かっているものに関しては、何も言えなくなってしまいます。傷つけることを、自分の口から言いたくないのです。

過去に友人を装った悪徳商法、団体の勧誘などを受けました。そのときもこの特性の影響で、断るのに時間がかかりました。自分にとって都合の悪いことであっても、他人の都合を優先してしまいがちなのです。

「他人の不幸な顔」が、自分の不幸になるくらい、自他の境界がありませんでした。「OKするのは嫌だけど、断って相手の嫌な顔も見たくない」という気持ちから、優柔不断になってしまいます。

関連記事:【HSP】人に嫌われるのが怖くて気にしすぎてしまう理由、改善法

相手の感情が乗り移ってくる感覚で、具合が悪くなる

人の負の感情に敏感であるため、明らかに「負になる」言動をしたくないという気持ちが働きます。これによって、優柔不断になりいつまでも考えてしまいます。

こういった「考え込む期間」が多いことで、うつ病適応障害になってしまった経験があります。

関連記事: HSPはうつ病になりやすい体質!?体調不良になる原因と予防法は?

嫌われると、自分の何かがなくなる気がする

HSPの特性があると、「自分の価値=他人の評価」になりがちです。筆者は今でも体調の悪い時や、不安の強い時にその傾向があります。嫌われれば、自分の価値が下がっていく感覚に陥ってしまうのです。

そのため、嫌われたと感じる瞬間のダメージに出会いたくないがゆえに、決断を延ばしてしまうことがありました。

筆者は結婚後、生命保険の見直しをして新しい保険に切り替えないといけなかったのに「今までお世話になった人に申し訳ない」と断りの連絡がなかなかできませんでした。最終的に、妻に言われてから断るまでに1年以上時間がかかりました。

参考:敏感すぎて疲れるのはHSPかも?うつ病にもつながるHSPの特徴と対処法 | 医療法人東横会 心療内科 精神科 たわらクリニック

優柔不断の影響で、騙されたことも

優柔不断の影響で、騙されたことも

この優柔不断な気質の影響で、詐欺や自分の意思に関係なく宗教団体の勧誘に遭うことがありました。向こうからすれば、「絶対断らない、都合のいい人」なのです。

どれも何とかお断りして難を逃れていますが、自分の身の安全のために「他者との距離感」を保つ工夫をしていかないといけない、と感じるようになりました。

そこで、筆者が他人の感情に支配されないように取り組んだ「他者との距離感を保つ方法」をご紹介します。

参考:HSP気質とは? 特徴と付き合い方まとめ – STUDY HACKER|これからの学びを考える、勉強法のハッキングメディア

他人の感情との距離感を保つ、「優柔不断」の改善法

他人の感情との距離感を保つ、「優柔不断」の改善法

自分の意思を持つ。自分を嫌う人は相性が悪いだけと割り切る

どうしても特性上、「目に見える全員の人に好かれていたい」と考えてしまいます。それが一番自分にとって嫌な刺激が少ないからなのですが、実際にそのようなことはありません。

みんなに好かれようということが優先すると、必ず自分の意思がおろそかになります。自分の意思がおろそかになっている人ほど、危険な目に遭うような人が近づきやすくなります。

ですから、自分の中で大切なものを定めるようにしました。そこを譲ってまで他者を優先しない、と考えるようにしたのです。

もし断ったことで嫌うような人がいたら、「相性が悪かっただけ」と割り切るようにしました。確かにその時のショックはありますが、その後の生活に支障はありません。

自分の中で、他者と自分の境界を決める

他者の境界がなく「何でも共感してしまう状態」にあると、他者の一喜一憂をコピーしてしまいます。これが一人ではなく周囲の方の心情をコピーしてしまうと、ほぼ毎日相手のことで悩んでいる生活になってしまいます。

現に筆者も前の職場では、ストレスの9割は「自分のこと以外の悩み」でした。

これを防ぐために、「ここまでは関わらない」という境界を自分で定めることが必要です。はじめは「(相手のことを)考えないのはかわいそう」という罪悪感もありましたが、長期的に見れば、双方にとって大切なことだと気づきました。

良い評価をしてくれる人を忘れないようにする

特に自分に対して嫌うような態度を見ると、「すべてが終わった」感覚に陥っていました。そんな時、普段自分をサポートしてくれる方や家族など「良い評価」をしてくれている人のことを忘れてしまいがちです。

ですから人の評価で悩んだときは、努めて自分をよく思ってくれている方と関わる時間を作りました。

そうすることで、「自分を嫌う人に好かれるためには、どうしようか」という努力から解放されやすくなりました。

参考:HSP専門カウンセラーが教える「わかりあうを手放す人間関係」とは? | 「繊細さん」の幸せリスト | ダイヤモンド・オンライン

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おわりに

いかがでしたでしょうか。

感受性の強いHSP気質の方にとって、「決める」「断る」ことは最大の課題かもしれません。傷つくことに気づきやすいゆえに、さらには刺激に敏感なゆえに、どうしても避ける選択として「優柔不断」な状態になりがちです。

筆者もそうでしたが、この優柔不断な状態の時には想像以上の「精神的負担」がかかっています。周囲も「そこまで考える人などいるわけがない」と考えていますから、相談しても理解されませんでした。「嫌われる」ことへのダメージの感じ方が、あまりにも違っていたからです。

しかし優柔不断でいると、本当に大切にしたい人が去っていきます。自分をおろそかにしていることでの結果です。その事態を防ぐために、自分の身を守る工夫をしていきましょう。

【筆者紹介】
Salad編集部員。30代男性。広汎性発達障害、ASD(自閉症スペクトラム)の診断を受ける。HSPのチェックテストの項目のほとんどが該当する。感受性が強すぎて、小学生のころ、環境問題とオゾン層の問題の授業を受けた夜、悩み過ぎて不眠状態になっている。

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