仕事中辛くなって、すぐにサボってしまう
何となく、仕事が辛いときがある
仕事をしながらも、「何となく辛いな…」と感じていることはありませんか?
ADHD(注意欠如・多動性障害)は障害特性上、特定の物事に固定・集中することが苦手です。そのような事情でモチベーションを保てないことや、どことなく体調が悪くてやる気が出ないときがあるかもしれません。
休むことは考えず、「ごまかしながら」乗り切っている
しかし「仕事をしていなければ生活できない」ことを感じていて、多少辛くても仕事をし続けているケースがあります。本当はギリギリ通勤できるかな…くらいの状態でも、「職場に行けばなんとかやり過ごせる」と休憩を多く挟むなどして「ごまかしながら」調整することもあるかもしれません。
長く休むとクビになってしまう…迷惑が掛かってしまう…という不安から「休むことが怖い」状態になっていませんか?実はこのような「無理をして働き続けている状態」が、今社会で問題視され始めているのです。
参考:アブセンティズムとプレゼンティズム (absenteeism / presenteeism)|株式会社こどもみらい
サボり癖が発展して、プレゼンティーズムになっているかも
プレゼンティーズムとは
「プレゼンティーズム」という言葉を聞いたことがありますか?これは『出勤しているものの、心身の健康上の問題により、充分な仕事(パフォーマンス)ができない状態』をいいます。
健康上の問題は高熱の風邪や重い病気だけでなく、肩こりや頭痛、花粉症などによる影響も含むケースがあります。近年、このプレゼンティーズムが企業の生産性を下げてしまう要因として問題されているのです。
出勤できない状態のアブセンティーズムもある
ちなみに心身の健康上の問題で出勤できない健康状態を「アブセンティーズム」といいます。こちらもプレゼンティーズムに次いで問題されている健康問題です。
プレゼンティーズムとアブセンティーズムに関しては下記の関連記事で詳しく紹介しています。併せてチェックしてみてください。
関連記事:アブセンティーズム、プレゼンティーズムとは?健康問題の原因と対策
サボりながら無理を続けていると、プレゼンティーズムになることがある
さて、このように「万全な状態でないのに働き続けている」ことが問題になっているわけです。ですから「辛い」「モチベーションが上がらない」という理由でサボりながら仕事していることも「プレゼンティーズム」であるかもしれません。
仕事を長く続けていくためには、「万全の状態」で続けていなければ本当の意味での「職場定着」とは言えません。
そこで今回は、プレゼンティーズムになりうる、
○ADHDを持つ方がなりやすい、サボり癖の原因
○プレゼンティーズムを防ぐために行う対策
をご紹介します。
サボり癖の元となりやすい健康問題は?
うまくいかず、イライラする
プレゼンティーズムに該当する健康問題は、精神的なストレスからくる症状も含まれます。
ストレスが溜まっていると、集中力や注意のコントロールが難しくなります。そのため、「仕事に集中できず、イライラする」「頑張っているのに怒られてばかりで、イライラする」「イライラする理由が分からなくてイライラする」など、様々なイライラが生じるケースが出てくるのです。これにより、さらにストレスをためてしまい、仕事がうまく進まなくなってしまいます。
関連記事:【ADHD】仕事でイライラする原因と改善法。職場での孤立を防ごう
日中ずっと眠い
夜更かししていて日中ずっと眠い状態はもちろん、夜に寝ているのにそれでも日中眠いというケースもあるでしょう。そうして「眠気との闘い」に集中力を奪われていることで、本来向けるべき「仕事」に気が向かなくなりやすいです。
じっとしていられない
「仕事をしながら、次の仕事のことが気になっている…」「早く済ませてしまいたい」など、現在置かれている状況に意識を向けられない状態も、ストレスから来ているおそれがあり、プレゼンティーズム該当するかもしれません。
関連記事:【大人のADHD】とにかく待てない、我慢できない…!原因と改善法
花粉症や肩こりなど、気になる症状がある
その他「花粉症で目がかゆい」「肩こりから頭痛も来ていて…仕事が辛い」ような状態で仕事を続けることもプレゼンティーズムに該当するケースがあります。
ひとりひとりではさほど影響がないこともあるでしょう。しかし、これが何人分にも重なった時、企業への大きなダメージになっていることが多いのです。
ではADHDの特性と向き合いながら、万全の状態をキープしていくための対策にはどのようなものがあるのでしょうか。
プレゼンティーズムを防ぐ対策
医師と相談して、集中できるコンディションを保つ
まずは「イライラ」の対処法です。医師と相談して、集中できるコンディションを保つように相談してみましょう。
ADHDの特性は、脳機能の働きによって起きています。したがって集中できないことでイライラしている場合はもちろん、反対に集中し過ぎていて周りが見えない状態にも影響しているケースが多いです。
ですから安定した集中を保つためには、服薬の効果などを確認し、調子が悪い時は調整してもらうように伝える必要があります。
睡眠環境を見直し、改善する
日中に眠気が続く原因は、大きく分けて2つです。
・夜更かしをしていて、満足な睡眠ができていない。
・平日と休日での睡眠時間や質にムラがある(平日は短く、休日はずっと寝ているなど)
または、ストレスで睡眠自体の質が浅くなっているかもしれません。イライラするときと同様、医師に相談してみましょう。
また、自分でも普段の生活を見直し、日中に眠気が起きないよう改善を心がけていくことが必要です。
こちらの記事「【ADHD】仕事中いつも眠い…今から自分でできる『眠気対策』4つ」を参考にして、睡眠改善に努めていきましょう。
上司に相談するなどして、「焦り」や「不安」の元を解消する
じっとしていられないのは、他の物事が気にかかるからです。
ですから上司に相談するなどして、
・今気になっていることが、本当に急を要するほどのことかどうか
・自分が不安に感じているものは、具体的にどんなことなのか
を明確にしていきましょう。
焦りや不安の「正体」を知ることで、落ち着きを取り戻せることができるかもしれません。
もし、相談の仕方が分からない場合はこちらの記事「【大人のADHD】仕事で辛い悩みを相談できない…原因と打開策4つ」をチェックしてみてください。
定期的に関連の医療機関を受診し、早めに対処する
例えば花粉症であれば「時期の前に耳鼻科などを受診し治療を受けておく」など、体調に影響する前に対処する健康管理が必要です。
また、肩こりや頭痛などはストレッチや体をほぐすことで改善されることもあるでしょう。ポイントは「辛いな」「しんどいな…」と感じる前に対処することです。
そのような意味でも、無理を続けるより早めに休んでリスタートする方が良い判断と言えるでしょう。
その他、何となくやる気が起きない時はこちらもチェック
その他、「はっきりとした理由がないけれど、なんだかだるいしやる気が出ない」ということもあるかもしれません。そのような場合はこちらの記事「【ADHD】仕事のやる気が出ない… モチベーション維持のコツ4つ」も併せてチェックしてみましょう。
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まとめ
いかがでしたでしょうか。
かつては仕事を欠席する「アブセンティーズム」の方が問題視されてきました。しかし、現在ではプレゼンティーズムによる問題の方がはるかに大きくなっています。これはアブセンティーズムよりも個々の意識で大きく左右されることだからではないでしょうか。それだけ企業での対処が難しい問題なのです。
だからこそ、ひとりひとりの健康管理が今後はもっと大切になっていくのです。今一度、自分の健康状態を見直してみましょう。