『あともう少し』の注意が足りずに、ミスをしてしまう
やりきったと思うのに、詰めが甘い…
ADHD(注意欠如・多動性障害)は発達障害の一種です。 特性として、「注意力の欠如」があります。この特性が、ミスを起こさぬよう集中や注意を保つことを妨げていることがあります。
そのため仕事で、「これで完璧だ!」と感じていた作業でも後で上司にたくさんのケアレスミスを指摘される…というケースも考えられます。
どうしようもない状態なのに「詰めが甘い」と言われることで、悔しさを感じていることもあるのではないでしょうか。
少ない労力でミスを減らしていく工夫をしていこう
ADHDは、一点の物事に集中するということが苦手です。過集中で高い集中力を発揮する場合もありますが、他の物事に関しての漏れが出るリスクがあります。
何よりも過集中は自身の身を削って行っている「諸刃の剣」です。この様な状態では、長期的に高いパフォーマンスを維持することは難しいのではないでしょうか。
したがって長期的に仕事を行っていくためには、過集中に頼らずに少ない労力で注意を向ける工夫が必要になります。
そのために、
○「仕事で詰めが甘い原因」はどこにあるのか
○少ない労力で、『あともう少し』のミスを減らす対策はどのようなものなのか
について紹介します。
【ADHD】『あとも少しなのに…』仕事で詰めが甘い原因
1)確認したポイントを忘れてしまう
ミスを一番見つけられる方法は、作業を終える直前に確認をすることです。さらにはどこを確認したのかあとから説明できるほどにしておくと精度が上がります。
「確認?そんなものとっくにやっているよ」と言う方もいるかもしれません。しかし、詰めが甘いミスをしてしまう方に多いのは、「確認したポイントを忘れてしまう」ことです。どこを確認し、どこの確認がまだなのかを覚えていない状態であることはありませんか?
そのために、同じ所ばかりを何度も確認することで労力もかかってしまいます。さらには見ていないポイントに気づかないリスクが生じやすいわけです。
作業終了後、提出前に感じる「これでいいか」に注意しなければなりません。
2)集中しきれず、気が散ってしまう
もともと持っている特性により、集中し続けることを辛く感じていませんか?そのため、どんなに頑張っても気が散ってしまうことでミスを生んでしまうリスクがあります。
この状態で起こしたミスはもっとも「注意できなかったこと」を自覚していることが多いため、「どうしてこんなことでミスをしたんだ…」と悔しい思いが生まれやすいです。
さらこのミスは、努力しきれなかったストレスがたまりやすいので注意しなければなりません。
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コミュニケーションにずれがある
最後まで注意を向けることができていても、根本的な解釈がずれていた場合、「スタート」からミスしているケースもあります。このミスの場合、取り戻すことに労力がかかることが多いです。
その「復旧作業」にもストレスをためやすいため、必要事項を確認する「コミュニケーション」にも注意を向けなければなりません。
このようなミスを繰り返して周囲からの信頼を失うことはもちろん、自分自身悔しい思いをすることも辛いのではないでしょうか。
ですから少ない労力で仕事のミスを減らすための対策をする必要があります。
仕事のミスを減らす対策
確認事項を記録する
正確に、効率的に確認をするために「チェック表」など確認したことを記録しておく方法が効果的です。
また、この表は自分だけでなく周囲の方にも共有できるメリットがあるため、チェック表に基づいて確認作業をお願いすることもできます。
単独でのミスを減らすことはもちろん、複数人で見ることでさらにミスを減らす意味でも「省エネ確認」ができます。
集中できる環境を整える
ADHDの「注意力」を維持する方法の一つが「服薬」です。薬の効果について定期的に医師と相談して、常に一定の集中や注意力を保つ意識が必要になります。
さらには自分自身で集中力を保つ工夫することもできます。こちらを参考にして、効率よく集中できる方法を探し出してみましょう。
報連相の基本を心掛け、必要事項を確認する
仕事の基本は「コミュニケーション」です。解釈の食い違いは、ミスを取り戻すときに多くの労力がかかります。さらには他の方にまで迷惑が及んでしまう可能性が高いです。
ですから事前に上司との報連相(報告・連絡・相談)を心がけ、必要事項を確認することが必要です。
こちらを参考にして、効果的な報連相を心がけていきましょう。
ルールを見直してみよう
その他職場には暗黙のものも含めて様々な「ルール」があります。これを守らないことで生ずるミスも存在するわけです。さらにはあなたの人間性まで誤解されてしまうリスクもあります。
こちらの記事「【ADHD】ルールを守れない…職場に迷惑をかけないための対策5つ」もチェックして、職場で迷惑をかけないよう取り組んでいきましょう。
ミスを意識しすぎると、適応障害になることも
しかしながら、あまりにもミスをしないために意識を向けすぎると、ストレスから適応障害になってしまうおそれがあります。 こうなってしまっては、元も子もありません。
ですから仕事の進め方ややり取りなどで困った場合は、早いうちに上司に相談する機会をお願いし、早めに対処していくように心がけましょう。
もし、相談の仕方が分からない場合はこちらの記事「【大人のADHD】仕事で辛い悩みを相談できない…原因と打開策4つ」をチェックしてみてください。
ミスがどうしても減らない時は、仕事内容や職場環境に原因があるかも
もし、どんな努力をしてもミスが改善されないときは、自分の仕事内容や職場環境を見直す必要があるかもしれません。
苦手な業務ばかり直面していては、当然ミスも増えてきます。コミュニケーションがうまく取れない方に囲まれていては、改善することも難しいです。
そのようなときはカスタマイズ就業で、自分の個性を活かす職場環境を検討してみましょう。
カスタマイズ就業については、こちらの記事「ADHDの適職は?カスタマイズ就業で、向いてる仕事を見つけよう」をチェックしてみてください。
もし、「自分らしく働きたい!」「得意分野を活かしたい!」という場合はぜひSalad編集部までご相談ください。
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まとめ
いかがでしたでしょうか。
「後ももう少しで…」生じたミスは、後々深い後悔として残ることが多いです。場合によっては、トラウマになってしまうこともあるでしょう。
ですから負担がかからないよう、「少ない労力で集中し、ミスを減らす工夫」をすれば、後悔をするようなケアレスミスが減ってきます。ミスが減り、成長を感じていけば、それが自信になります。
ですからできることから少しずつ、取り組んでいきましょう。