休んでいても、いつも頭が痛い…
特性から、頭痛を抱えているケースがある
アスペルガーや自閉症などは、現在は「ASD(自閉症スペクトラム)」という名称で診断されています。
特性として「空気が読めない」こと、 会話が噛み合いにくいことで、コミュニケーションに苦しみやすいです。
他にもさまざまな特徴があり、頭痛や肩こりなどの体の症状として現れることもあります。
偏頭痛や肩こりは、睡眠を妨げる可能性もある
また偏頭痛や肩こりは、疲れている箇所によって睡眠の妨げにもなるのです。呼吸を助ける筋肉(肩甲骨周りとされている)が凝り固まることで、眠りが浅い・眠れないというケースにもなります。
なによりずっと頭が痛いようでは、ストレスが溜まってしまいます。
ですから今回は、
○アスペルガー(ASD)の特性からくる偏頭痛の原因
○偏頭痛を予防・緩和する方法
について紹介します。
【アスペルガー】偏頭痛になりやすい原因
常に不安・緊張状態になっている
アスペルガーを持つ方は、同時に対人不安や対人緊張を持っていることが多いです。「こんなことを言われたらどうしよう」「失敗したらどうしよう」と、常に悪い出来事を想定して行動するケースがあります。
これにより常にビクビクと怯え続けていたリ、反対に警戒心からピリピリしたりすることで、体に負担をかけているのです。
その結果、体の緊張がほぐれにくくなり、偏頭痛や肩こりにつながってしまいます。
同じ姿勢を続けて集中している
アスペルガーを持つ方は、特性として特定の物事へのこだわりが強いことが多いです。自分の好きな体勢や動き方のくせがある場合、体の負担がかかってしまっている可能性があります。
さらに、同じ姿勢を続けたまま際限なく集中してしまうことで、体に負担をかけてしまいます。
際限なく考え続けてしまう
アスペルガーを持つ方はそのこだわりの強さもあり真面目で几帳面なことが多いです。そのため、「まあ、いいか」と思ってよいところでも突き詰めて解決させようと悩むことがあります。
もともと、曖昧な物事を受け入れるのが苦手なため、明確な答えが出ないと不安になりやすいです。
しかし特に人の心情などは曖昧で、どんなに一人で考えても答えは出ません。そうと分かっていてもはっきりさせようと考え続けることで、頭に負担をかけてしまいます。
過敏な感覚があり、不快な感覚に気を取られやすい
またアスペルガーを持つ方の中には、感覚過敏に悩んでいるケースも多いのではないのでしょうか。
視覚や聴覚、嗅覚など、一つでも気になる感覚がある場合、緊張状態を続けている可能性があります。ストレスもたまりやすいため、偏頭痛へとつながりやすいのです。
偏頭痛や肩こりの治療・解消は、医療機関に相談しよう
どんなに注意をしても頭痛がなくならない、薬を飲んでも頭が痛い…と言う場合は、一度医療機関に相談してみましょう。状態によって精神科で服薬をそうだんするときもあれば、整形外科などで姿勢の改善が必要なケースも考えられます。
ですからまずかかりつけの医師に相談し、体のどの部分(精神や神経も含む)が原因で起きているものなのかを明確にしていくことが必要です。
症状がひどく辛い時は、必ず医療機関の診察を受けましょう。
さて、ここでは仕事や日常生活において「偏頭痛になりやすいパターン」を減らし、予防していくコツをご紹介します。
偏頭痛を予防するコツ
仕事の必要事項や関わり方について明確にしておく
職場で体に負担のかかる不安や緊張を減らしていくために、仕事で求められていることやコミュニケーションのやり取りについて、上司とよく相談しましょう。
上司に確認していくことで「これは不安に感じる必要はない」「これは緊張するほどのものでもない」という項目を少しずつ増やしていくのです。
会話のやり取りに不安があるときは、こちらの記事も参考にしてみましょう。
過集中を防ぎ、定期的に体をほぐす
アスペルガーを持つ方は過集中になりやすい傾向があります。
集中し続けることも体への負担が大きいですが、悪い姿勢をどれだけの時間続けているか自覚できないことも問題です。
ですから意識的に作業を中断し、体をほぐす、休めるように心がけましょう。
考える限度を決め、以降は別の方法をとる
アスペルガーを持つ方は疑い深く、悪い方へと考えることが多いです。実際には99パーセントあり得ないことでも、残り1パーセントの可能性のために悩めてしまうのです。
対処として、自分で「考え込む限度」を決めることです。「一日悩んでも分からないものは他人に聞く」「考えられる可能性をすべてつぶしても見えなかったら、忘れる」など、基準を定めて他の方法をとるようにしましょう。
関連記事:【ASD、アスペルガー】思い込みや妄想癖が強い?改善する方法3つ
悩みや不安は、早めに相談して解消する
ストレスを抱え込み過ぎると、体への負担が大きくなります。ですから悩みや不安があるときは、早めに上司に相談するようにしましょう。
もし、相談の持ち掛け方が分からない場合は、こちらの記事「【ASD・アスペルガー】悩み事を相談できない…きっかけの作り方4つ」を参考にしてみてください。
いつまでも頭が痛い状態が続くなら、職場環境を見直す機会かも
どんな人でも、喜んで頭が痛くなる人はいません。何か問題や不安、疲労などがあるからこそ頭痛につながることがほとんどではないでしょうか。
このような疲労や不調を伴いつつ、それでも今の仕事にやりがいを感じていたらケアをするだけでよいでしょう。しかし仕事が思うように進まず、やりがいも感じていないことで負担をかけていることはありませんか?「もっと良い方法や環境はない」そう考えていませんか?
もし、現状への疑問や不安が大きい場合は、職場環境を見直す時期に来ているかもしれません。
「カスタマイズ就業」と言う言葉を聞いたことがありますか?
障害を持つ方の悩みとしていた障害特性を、個性として伸ばしていくスタイルです。あなたの頭痛の元で、社会貢献できるかもしれません。
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まとめ
いかがでしたでしょうか。
筆者もまた、頭痛になりやすい体質です。また、ただの頭痛だと思って仕事を続けていたら実は体温が40度あったということもありました。そのときも、過集中状態でした。今は意識的に休息を取り入れ、早めの対応をしています。以降は大きな頭痛はありません。
このように医療機関での治療はもちろん、普段の生活や仕事においてのくせを見直してみることでも、偏頭痛になりにくくできます。
何より初めから頭痛にならないのが一番なわけです。医師と相談し、原因にあった予防法を考えてみるのも良いかもしれません。
【筆者紹介】
Salad編集部員。30代男性。広汎性発達障害、ASD(自閉症スペクトラム)の診断を受けている。左右の視力にムラがあるため、肩が凝りやすく、頭痛につながりやすい。そのため、目のケアをこまめに行っている。