HSPと発達障害の特徴の違いは?~あなたの特性を見つけるヒント

HSPは障害とは違い、「とても繊細な人」を指す言葉

過敏な感覚に苦しんでいるHSPの男性

HSPとは

「HSP」とは、『Highly Sensitive Person』の略称で、直訳すると「とても繊細な人」という意味です。最近よくメディアでも「生きづらい人」として取り上げられています。世界で5人に一人の割合で存在していると考えられています。

参考:HSPとは | HSP診断テスト
参考:HSP(ハイリー・センシティブ・パーソン)とは?その特徴や症状|心療内科・精神科|うつ病治療の新宿ストレスクリニック

HSPは障害ではなく、心の特徴をさす

HSPは、心理学用語です。そのため発達障害のような診断名ではなく、気質や特徴を指す言葉です。一部HSPの診断をする医療機関がありますが、医学用語ではないため障害には分類されません。もちろん、HSPの特徴だけでは障害者手帳は申請できない、ということになります。

HSPかどうかを確認する方法は、20項目前後のチェックテストがあります。各項目にチェックして、該当数から判断する形式です。そのため現時点で、HSPには医学的根拠はありません。

HSPの主な特徴

緊張が激しいHSPの男性

HSPの方に見られる主な特徴は以下の通りです。
○感受性が強い
○共感性が高く、他者との境界が薄い
(他人の感情を受け取りすぎてしまう)
○周囲から得る情報量が多く、少しの刺激でも疲れやすいことが多い。

さて、生きづらさという点で、HSPと発達障害は共通しています。果たして、HSPと発達障害では特徴にどのような違いがあるのでしょうか。ポイントをまとめました。自分の特徴を理解する参考にしてください。

参考:HSPとは | HSP診断テスト

ADHD(注意欠如多動性障害)とHSPの特徴の違い

注意力について

【HSP】
細かいところまで注意が行き届く。しかし、注意力が高すぎて複雑な人間関係を目にした場合や、雑音がうるさいところなどに疲労を感じやすい。

【ADHD】
興味や注意がコロコロと変わり、集中しにくい。ただし、興味のあることに関しては注意・集中ができる。

衝動性について

【HSP】
他者への共感性が高いので、衝動性はありません。しかし、他者の気持ちを汲み取りすぎてしまい、身動きが取れなくなります。分かりやすく例えますと「石橋を叩きすぎて壊してしまう」感覚です。

【ADHD】
衝動的な言動で傷つけてしまうことがありますが、反対に新しいものに挑戦できるバイタリティがあります。

参考:注意欠陥・多動性障害(ADHD) | 医療法人東横会 心療内科 精神科 たわらクリニック

関連記事:【大人の発達障害】ADHD・ADDを持つ方の特徴は?自分の興味を活かそう!

ASD(自閉症スペクトラム)とHSPの特徴の違い

空気を読む力について

【HSP】
注意力があり繊細なため、人間関係の細かい変化まで察することが多いです。

共感性が高く、相手に乗り移るくらいに気持ちを汲み取ります。反面他者ばかりを気にしすぎ、空気を読みすぎて疲れてしまいます。

【ASD】
曖昧なもの、目には見えないものが苦手で、空気を読むことができないことが多いです。しかし、周囲の違和感には敏感で、不安になりやすいこともあります。

空気を読むことができず、他者との関わりで疲れてしまうことが多いです。

コミュニケーションについて

【HSP】
相手の意図を汲んだ表現をすることが多いです。しかし他者との境界が薄いため、いつの間にか他者優位で行動してしまい、自分がおろそかになることが多いです。そのため、他者に利用されやすいリスクもあります。さらに感受性が強いため、ほんの些細な一言でもひどく傷つくことがあります。

【ASD】
暗黙の了解や、相手の感情を読むのは苦手です。また、遠回しな言語表現を理解するのも苦手です。言葉がうまくイメージできなくて、相手とスムーズに話せないことに悩みやすいです。

参考:ASD(自閉症スペクトラム、アスペルガー症候群) | NCNP病院 国立精神・神経医療研究センター

関連記事:【大人の発達障害】ASD(自閉症スペクトラム)の特徴と問題解決法

HSPとそれぞれの発達障害の特性との違いを紹介しました。この3つの特性ですが、共通点はあるのでしょうか。

共通点はあるの?

自分の特性について医療機関に相談している様子

自己肯定感が低いことが多い

【HSP】
他者の気持ちを汲み取りすぎて自分を責めてしまう。相手ではなく自分に原因を求めることが多いため、自己肯定感が低くなりがちです。

【ADHD】
注意力のコントロールができず、生活の中でのミス(寝坊、苦手なことを先延ばしするなど)や、衝動的な言動を言って他者を不快にさせてしまいます。そのような自分を責めて、自己肯定感が低くなりやすいです。

【ASD】
周囲の動きに合わせられないことや、偏った考え方からうまくコミュニケーションができないなどの自分に対して自己肯定感が低くなりやすいです。

特性の影響で生きづらさを感じやすく、ストレスをためやすい

【HSP】
他者の気持ちが乗り移ってしまうほど共感性が高いので、他者優位の考え方になりやすいです。常に他人の目が気になり自分ばかりを責めてしまうため、ストレスを感じてしまいます。

【ADHD】
自分の不注意や衝動性をコントロールしようとしても、うまくいかないことが多いです。「失敗してはいけない」など自分の不注意を警戒しすぎてストレスを感じてしまいます。

【ASD】
こだわりが強く執着していることはとことん追求するため、理想とのギャップに疲れやすいです。また、コミュニケーションのズレに気付いていても原因に気付かず、ストレスをためてしまいます。

感覚過敏

HSP、ADHD、ASDを持つ方共通して抱えていることが多いです。ただし、HSPの特性を持つ方は、他人の感情などの五感以外の感覚に関しても過敏なことが多いです。

HSPの特性を持つ方の適職はあるの?

HSPについて考える男性

HSPの特徴に「共感性の高さ」があります。そのため、相手の悩みや苦しみを汲み取れるカウンセラーやアドバイザーなどの職業の方が多いです。詳しくはこちらの記事「【体験談】HSPの「人の気持ちへの敏感さ」とは?『第六感』なの?」をはじめ下記の参考リンク、関連記事をチェックしてみてください。

参考:HSPの能力 | HSP診断テスト

関連記事:【HSP】気疲れと気配りは表裏一体。『センサー』と向き合う体験談
関連記事:HSPはクリエイティブかも!?ユーモアな発想の活かし方と注意点3つ

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まとめ

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いかがでしたでしょうか。それぞれの特徴のなかに当てはまるものはありましたでしょうか。

発達障害は、ADHD、ASDの区分けを越え、様々な特性を織り混ぜているケースが多いと考えられています。事実、ADHDとASDの両方の診断を受けている方もいます。今回でいえば、HSPとADHDとASDの特徴に少しずつ該当していてもおかしくはありません。

「就職したいけど、いまいち自分の特徴がつかめない・・・」という方は、この記事をきっかけにあなたの知らない障害特性やその他の特徴にも目を向けてみましょう。そうして特徴を組み合わせていくことで、「あなただけの個性」見えてくるかもしれません。

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