うつ病を発症し、リハビリを行った
職場のストレスでうつ病を発症した
筆者は30歳の時、最初の職場でうつ病を発症しました。当時の職場のあらゆるストレスが関係して、不眠やめまいなどの症状に悩みました。
社会復帰まで4年かかった
始めは復職を考え、デイケアに参加してリハビリに努めました。しかしどうしても職場を考えると具合が悪くなってしまい、退職しました。
再就職して社会復帰を果たすまで、4年かかりました。
「頑張れ」「楽をしている」という視線が辛かった
「うつ病の人には、『頑張れ』と言ってはいけません。」当初から世間でも言われていました。そのため直接「頑張れ」と言ってくる方はいませんでした。
しかし、「頑張りが足りない」ことに関しては言われました。職場の上司から「定規でまっすぐに線を引くこともできないの!」と怒られました。症状で手が震えていたのに、です。
最終的には「やる気がない」と言われて退職に至ります。当事者でないと「どう頑張っているか」が理解できないことはとても辛かったです。
うつ病発症後、頑張りたいのに頑張れないこと
症状や薬の副作用による行動への対処
最初の職場では、復職のための慣らし運転として2度勤務訓練をしました。その時に職場には、筆者が服用している薬の説明の写しを渡していました。にも関わらず、薬の副作用からなる手の震えや体の震えなどでうまく作業ができないことで怒られました。
さらに眠気が強い時も「ぼーっとしているなら何かやりなさい!」と言われました。
筆者は上司にとって「邪魔者」でしかありませんでした。
症状の回復を早めること
「早く戻ってこい」と沢山の方に言われました。それはありがたいことです。しかし、早く復帰したいと誰よりも思っているのは、自分です。これはうつ病を発症したほとんどの方が同じではないでしょうか。
うつ病の回復には、長い年月がかかります。さらに人によって回復する期間が異なります。
焦っても回復しないことで、さらに焦ってストレスをためていました。
働くスタミナを求められること
うつ病を発症していると、様々な理由から体力が低下します。よって発症前のような体力がありません。体力が持たないのでそのたび休んでいると、「休んでばかりいるな!」と怒られました。
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再就職のための自信をつけること
職場を辞めた時は、完全に自信を失っていました。「自分は何もできない」そう思っていました。ですから頭では「働かないといけない」と思っていても「また前のようになる」という不安に襲われました。
筆者は最初の職場が公務員であったため、本格的な就職活動が初めてでやり方が分からないということもありました。
これらの理由から、なかなか就職活動に踏み出せませんでした。友人から「遊んでる場合があったら職を探せ」など言われたこともありますが、「働く自信」の回復はうつ症状以上に長くかかりました。
当事者の現状を無視した「頑張れ」は傷ついた
これらの「頑張りたいけれど、頑張れない自分」にもどかしさを感じながら生活をしていました。何もしていないはずなのに1週間が過ぎるのが早くて、焦りを感じていました。
「頑張れ」という言葉自体は悪い言葉ではありません。しかしうつ病の方に言ってはいけないのは、当事者の事情を理解せず言ってしまうおそれが高いからです。
このような思いの中、うつ病を治すために努力したことをご紹介します。
うつ病を治すために努力したこと
睡眠の工夫をした
生活リズムを保つためには、適切な睡眠をとる必要があります。そのため服薬はもちろん、様々な書籍を読んで快眠できる工夫をしました。
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休養中だからこそできる経験を積んだ
休養中は、時間がたっぷりあります。ですから今のうちにさまざまな知識を得ようと考え、たくさんの本を読みました。本選びのために、一つの書店に5時間いたほどです。
再就職するための工夫をした
履歴書や職務経歴書の書き方のセミナーに参加することや、地域の就労支援センターの方に相談しました。再就職して職場に定着するにはどう知ればいよいかを考えました。
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再発防止のセルフケアを身に着けた
休養中症状が緩和されてからも、うつ病が再発する可能性を考えていました。ですから再発防止のために生活習慣を工夫することやセルフケアをするなどの工夫をしました。
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辛いリハビリの体験は、必ず財産になる
今うつ病と向き合っている方にとって、回復が遅いことにもどかしくなることもあるのではないでしょうか。第一線で働きたいのにリタイアしていることに苛立ちを感じる方もいるでしょう。
しかし、辛いリハビリの経験は長ければ長いだけ財産になります。ですから自分のペースで治療に専念していきましょう。
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まとめ
いかがでしたでしょうか。
うつ病になると症状から体力も低下するため、「こんなことでどうして疲れるんだ」など、当たり前のことができないショックがあるのではないでしょうか。
しかし、回復すれば必ず戻ります。ですからゆっくりと、リハビリを貴重な経験に変えていきましょう。
【筆者紹介】
Salad編集部員。30代男性。広汎性発達障害、ASD(自閉症スペクトラム)の診断を受けている。HSP性質も併せ持っているため、様々なことにストレスをためやすい。そのため、自分なりのセルフケア法を身に着けている。