【うつ体験談】30代ASD男性、再就職で不安に感じたことと解消法

うつは回復が見えず、再就職に踏み出しにくい。

就職できずに悲しむ男性

「うつ」の辛さを経験した

筆者ははじめて勤めた職場で、うつ病を発症したことがあります。夜は眠れず、体は震えてめまいがひどい…そんな状態を今でもよく覚えています。うつ発症からリハビリを重ね、再就職までに4年の歳月がかかりました。

筆者のうつ体験に関して詳しくはこちらの記事で紹介しています。併せてチェックしてみてください。

参考:うつ病|病名から知る|こころの病気を知る|メンタルヘルス|厚生労働省
参考:職場復帰、成功に向けて – 厚生労働省

「再就職OK」のタイミングに迷ってしまう

うつは風邪のように、高熱が出ません。明確な症状がないために、「再就職OK」を決めるタイミングも分かりづらいです。

医師のアドバイスもありますが、最終的には自分の判断で「再就職GO」のサインを出さなくてなりません。「早く働かなきゃと焦る気持ち」と、「また失敗するのではないかという気持ち」に挟まれて、不安状態が続きました。

今回は、筆者の体験から、
○うつ発症後、再就職に対してどんな不安を感じていたか。
○再就職に対しての不安をどう解消したか

についてお伝えします。

うつ発症後、再就職に向けて不安に感じたこと

うつ病の影響で緊張が激しい男性

体調に関しての不安

うつによく見られる「めまい」などの大きな症状は、ほとんどの場合職場(ストレスの原因)から離れれば収まります。

しかしながら、自宅で療養していると職場のようなストレスや刺激がありません。そのため、疲労の度合いは明らかに少ないです。したがって、自分の「うつ」がどれだけ回復しているかが分かりにくいです。

「『うつ』の具合が、体温のように数字になっていれば分かるのに・・」とよく嘆いていました。めまいや意欲低下などの症状がなくなっていても「今は働いていないから、疲れないから元気なのは当然」と思っていました。そのため区切りをどこでつけたらよいか、強い不安がありました。

また、体力作りでランニングなどをしていました。しかし働く持久力は事前に鍛えられないため、そのような体力面でも不安がありました。

対人関係に対しての不安

うつ発症当時の嫌な記憶が、連続再生されていました。思い返すほど、他者に対しての悪いイメージが膨らみます。

うつを発症したことで、罪悪感や自己否定が強く出ていました。そのため「自分なんてどこにも必要とされない」や「また孤立するのではないか」という不安が常にありました。

コミュニケーションに関しての不安

コミュニケーションに対する自信は、完全に失っていました。

一生懸命話しているのに、上司に「?」首をかしげられたことを今でも覚えています。そのような反応を受け続けたことで、「自分はまともな日本語を話せていない」と感じるまでになっていました。

そのため、「うまく伝えることができないのではないか」とコミュニケーションに対する不安に苦しみました。

業務パフォーマンスに関しての不安

うつ発症後、手や体が震えていました。

その影響で、
○定規で真っ直ぐに線を引くことができない
○ラベルシールをきれいに貼ることができない

などがありました。

そのたび上司に「そんなこともできないのか」と言われました。直接言葉にせず、表情から伝わることもありました。

この 「そんなこともできないのか」を常に自分にもぶつけてしまうのです。こうすることで自信はなくなり、「自分にできる仕事はない」と再就職への不安が高まりました。

何となく不安に感じる

精神状態が安定していないこともあり、理由もなく何となく不安に感じることがありました。

筆者の中では一番やっかいな不安でした。具体的に見えないため、周囲に説明できないし、対策も分からないからです。問題があるのに、何も対処できないことで不安が高まりました。

このように、再就職への不安だらけでした。これだけ多くの不安を解消し、再就職ができました。さて、どのように不安を解消したのでしょうか。解消法をお伝えします。

うつ発症後、再就職への不安解消法

うつ病を克服した男性

定期的に精神科のカウンセラーに相談した

定期的に、かかりつけの精神科のカウンセラーの方と相談をしていました。頻度としては多い時で月2回ほど受けていました。

主な相談内容は
◎朝早く起きるための方法について
◎対人関係やコミュニケーション方法の悩みについて
◎気圧変化に弱いなど、特性への対処について
◎再就職のタイミングについて
◎さまざまな支援機関の紹介

などです。

実際に結論が出たものももちろんありました。しかし結論が出なかった場合でも、定期的に悩みを聞いてくれる存在がいるということ自体が、心強かったです。

支援機関の方のサポートを受けた

当時は地域の就労支援センターにお世話になっていました。
◎ハローワークでどんな求人を探せばよいのか。
◎応募書類はどのように書けばよいのか。また、それを学べる施設はあるのか。

などを相談しました。

自分の再就職のスタートを「チームプレイ」で行うことができる、ということで不安も緩和されました。

業務に使用するスキルを磨いた

休んでいる間に、パソコン教室に通いました。エクセルとワードはそれまでも使っていましたが、うつ発症時に完全に自信を失っていました。そのため、改めて勉強し直すことにしました。

最終的には資格を取り、良いスタートを切ることができました。

職場実習を受けた。

職場での不安は、職場で解消するのが一番です。しかし、仕事を行うわけですからそれまでの不安が残ります。この不安を緩和するため就労支援のスタッフの方の計らいで、1か月間実習を受けることになりました。

実習をすることで、
◎上司や同僚に自分を知ってもらえる。
◎周囲にどんな方がいるのか知ることができる。
◎働きぶりを見せることで、面接のみよりも自分を表現できる。

効果があり、安心することができました。

就労移行支援を利用して、再就職の不安を解消しよう

就労移行支援事業所のイメージ

筆者が「うつ」から再就職に至った時には、まだ就労移行支援事業所の存在を知りませんでした。そのため、上記のような色々な場所に出向いて不安解消に努めました。

就労移行支援事業所では、「相談」「就職情報を得る」「働くスキルを磨く」の3つを行えます。業種や働き方によっては、事業所内で実習を受けることもできます。

もし、うつに悩み、働く一歩がなかなか踏み出せなくて苦しんでいる方は、いちど就労移行支援事業所を検討してみてください。詳しくはこの後の案内をチェックしてみてください。

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まとめ

経験を重ねるイメージ
いかがでしたでしょうか。うつに苦しんだ当時はとてもつらかったですし、現状の自分が嫌で仕方ありませんでした。

しかし、たくさんの苦労がありましたが、今ではうつを経験してよかったと思っています。うつになっていなければ、ここまで自分自身とは向き合っていなかったと感じています。筆者にとって「うつ」は個性に気付くプロセスであったかもしれません。

この記事で、あなたの不安解消に少しでも近づくことができれば幸いです。

【著者紹介】
Salad編集部員。1980年生まれの男性。広汎性発達障害、ASD(自閉症スペクトラム)と診断される。公務員約10年間で一度、民間企業約5年間で一度と20代、30代の9年間で二度のうつを経験。今回の記事は、公務員時代に発症したときの体験。

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