精神障害者手帳を返すとどうなる?返納・返還について解説

精神障害者手帳の返納は可能。場合によって返納義務もある。

精神障害者手帳を返すこともある。

精神障害や発達障害を持つ方は、医師の診断のもと市区町村に申請すれば、精神障害者手帳を取得できます。申請方法についてはこちらの記事をご覧ください。

さて、その精神障害者手帳ですが、返すケースもあります。まず、手帳を返すケースにはどんな場合があるのでしょうか。

精神障害者手帳を返納するケース

手帳を返納するケースは大きく分けて2つです。返納先は、お住いを管轄する市区町村です。

【義務】「障害の症状が軽快された」と診断があったとき、返納しないといけない。

医師から障害の症状は軽快していると診断された場合は、返納しないといけません。

さらに具体的なケースを解説しますと、
〇手帳期限更新時に医師が更新不要と判断したため、診断書が出されなかった。
〇医師から「定期的な通院の必要はない」と言われた。

このようなケースの場合は精神障害者手帳を返納しなくてはなりません。

【権利】本人に返したい意思がある場合は返納できる。

また、障害の症状に変更がない場合でも、あなたが手帳を返したい意思がある場合は返納できます。申請時のような審査などはなく、書類を記載するのみで終了です。

参照:行政手続案内:精神障害者保健福祉手帳の返還|電子政府の総合窓口e-Gov イーガブ

「更新漏れ」の状態では、返納扱いにはならない

なお、返納の際の手数料はかかりません。更新期限が切れていて、手続きをしていない「更新漏れ」の場合は返納扱いにはなりません。「手帳の効力が停止した状態」です。

この場合は、再申請手続きで更新できます。

さて、手帳を返すとその後の生活にどのような影響が出てくるのでしょうか?ポイントをまとめました。

精神障害者手帳を返納した後の影響

「障害者」という意識が軽減される

手帳を返納したあと、「自分はもう、障害者じゃないんだ」という感覚になる方が多いです。

手帳を持つことでのメリットがなくなる

各種税金の減免や、サービスなどを受けられなくなります。

「手帳を持っているとどんなことがあったかな?」と気になった方は、「障害者手帳を取得、申請する4つのメリットと3つのデメリット」または、「発達障害を持つ方は、精神障害者手帳をもつメリットがあるの? 」の記事をチェックしてみてください。

障害者雇用を受けられなくなる

手帳を持つことで得られる権利は、「障害者雇用求人に応募できる」ことです。手帳がなくなれば、この権利はなくなります。

「えっ!?ちょっと待って!」と感じた方はいませんか?
「障害者雇用で入社した人は手帳を返したら、会社をクビになるの!?」
と心配する方も多いと思います。

次は、障害者雇用で入社した方が、途中で手帳を返す時にはどうなるのかをご紹介します。

障害者雇用の人は、途中で手帳を返納したらどうなるの?

障害者雇用で就職して、途中で手帳を返すことになった場合はどうなるのでしょうか。その際のポイントが3つあります。

1)企業の「障害者」としてはカウントされなくなる

企業の法定雇用率の計上するのは、障害者手帳を所持している方です。例外として、統合失調症などで「手帳の交付を受けていないが生活に困難がある」方は計上されることもあります。

しかし、本人の意思や医師の判断で「手帳を不要」とした場合は、障害者雇用としてカウントはされません。

2)手帳を返したからといって解雇にはならない

「障害者雇用で入社→手帳を返して障害者雇用ではなくなった→クビ」ではありません。障害を持つ方も、持たない方も均等な扱いを受けることが法律で定められています。

もし、「クビと言われた」や「依願退職を勧められた」などがあった場合は、ハローワークの障害者窓口で相談することもできます。

参考:厚生労働省 障害者の雇用

3)障害者としての配慮などは受けられない

しかし、その法律で定められている「障害者への合理的配慮」は受けられません。このため、手帳返納後の職場の対応の変化に抵抗を感じる方が多いです。

不安に感じた方は、下記の関連記事を参考としてみてください。手帳返納後、「クローズ」にはなりません。しかし「他の方と同じ扱いになる」という点でチェックしておくことをおすすめします。

関連記事:発達障害を持つ方が「クローズ」で就職にトライするときの対策3つ
関連記事:精神障害を持つ方がクローズで就職したときのメリット、デメリット

手帳返納後、仕事で困ったら就労移行支援に相談しよう

「手帳を返した後、職場の方が冷たくなった・・」
「『もう障害者ではないのだから甘えるな』と言われてつらい・・」

など感じた場合、就労移行支援事業所に相談してみましょう。就労移行支援事業所は、原則手帳がなくても利用が可能です。

手帳返納後に職場の変化でつらいことや困難を感じたら、一人で抱え込まずにぜひ相談してください。

その他お困りのことがありましたらSalad編集部までご相談ください。

まとめ

【障害者手帳の返納は、慎重に考えよう】

いかがでしたでしょうか。障害者手帳を返すことは可能です。申請時のような労力もかかりません。しかし、あなたが障害者雇用で就職した場合、そのリスクは大きいです。

手帳を返したい時は、職場や支援機関とよく相談して慎重に考えてから判断しましょう。