精神障害の症状で、心身共に落ち着きがない時を経験した
うつ病を発症し、心身共に不安定な状態を経験した
筆者は初めての職場で、うつ病を発症しました。リハビリを続け、発症からおよそ4年後に再就職できました(詳しくはこちらの記事をご覧ください)。それまでとは比べ物にならないほどの強い不安や緊張、問題なくできていたことができなくなる絶望感などがありました。
毎日を生きることが怖い。そのような心身ともに不安定な状態を経験したのです。
関連記事:うつ病の種類はどんなものがある?非定型うつ病も含めて症状を紹介
「こころ」に落ち着きがないゆえ、生活のしづらさがあった
筆者はうつ病以外にも、在職中、休養中に精神的不安定な症状に苦しんだことがあります。それゆえ、生活面で苦労したことや周囲に苦労させてしまったことがあるのです。
今回は、このような「落ち着きがない状況」「ゆとりがない状況」のときに
・どのような精神状態になり、どのような行動に現れたのか
・不安定な状況に気づくのに、どんな意識をしたか
・心を落ち着けるために行ったことは何か
これらについて紹介していきましょう。
【体験談】落ち着きがない状態の際に現れた、生活のしづらさ
理由もないのに楽しい気分になり、衝動的な行動をしてしまう
うつ病であれば、気分が低下することが症状として挙げられます。筆者は双極性障害の診断を受けてはいません。しかし、今当時の状況を振り返ってみると、双極性障害の症状に近い状態もあったのではと考えています。
元々筆者は、今もそうですがあまり感情の起伏はありません。周囲からも「穏やか」「歳の割に落ち着いている」と言われることが多いです。それぐらいの筆者でしたが、うつ病で休養中の時に、大きな理由はなくハイテンションになったことがあったのです。思い起こすだけ事例を書き出してみました。
・天気が良く、気持ちよい気分のとき
・ストレスとなる原因(上司と会う、など)が解消されたとき
・少し早めに起きることができたとき
具体的に上げたものでこれらのケースで気分が高揚しました。しかし、ほとんどのケースでは「なぜか急に調子が上がってきた」という感覚であったことを覚えています。
これにより、衝動的な行動に出てしまうこともあったのです。過去に一度自宅にいる際に部屋の窓から外に出て、屋根づたいに弟の部屋の窓からちょっかいを出す…という意味不明な行動をしました。周囲から見れば「不審者」と見られるレベルです。もちろん今同じことをしようとは思いません。その時は、ただひたすら『弟に面白いことをしてやろう』という発想のみであった記憶があります。
当然ですが、弟は喜ぶわけもありません。このように自分だけハイテンションな気分になり、周囲に迷惑をかけることがありました。
関連記事:双極性障害の診断基準~うつ病との違いを見分けるポイントは?
周囲の人間がすべて敵に見え、警戒モードになる
これは在職中、休養中ともに起きたことです。休養中は定期面談で職場に行くまでに、まるで誰かに監視されているかのように物陰に隠れながら向かった記憶があります。『見られたらまずい』『職場の人に会ったら襲われる』など感じながら、常に警戒心を持っていました。
仕事をしている際にも、このような状態を経験しています。職場の人間、通勤中にすれ違う人…とにかく家族以外『本心や実際の性格が明確でない人』を全て『敵』として警戒していたことがありました。『何かきつい目つきをしているから、きっと恨んでいるに違いない』『何かこちらを見ているから、何か悪い印象を持っているのかもしれない』など、自宅以外でパニックになることもありました。これによって職場で不満と言うより、恐怖心を持たれてしまうことがあったのです。
実は、この状態は現在でも稀に起こります。ただし、これまでの経験から『いまは調子が悪いな』と気づくサインとしてコントロールするように気を付けています。
朝が来るのが怖くなる
休養中に起きたことです。こちらの記事でも少し触れていますが、とにかく『症状として眠りにくい』という条件以外にも、様々なプレッシャーに遭い眠りにくいことがありました。
・朝が来たら、また復帰や就職活動について意識しなくてはいけない
・朝が来たら、嫌な職場の面接に行く日が近くなる
・朝が来たら、また何も動けていない自分と向き合わなければならない
このような不安から逃げるために、眠る意思すらないということがあったのです。このように心が不安定であることで、生活リズムにも支障をきたすことがありました。
「落ち着きがない状態」「不調」に気づく方法は?
上記のような状態ですと、心身の不調や生活リズムを崩してしまいます。そのため就職どころか、日常生活にも辛さを感じることがありました。
筆者がまず行った対処は「落ち着きがない状態である」と気づくことでした。そのために以下の方法で気づきやすくなるように心がけています。
・異常のある時に気づくために普段の自分を知る(変化に気づく)。
・常に「落ち着きがない状態になる傾向がある」と意識する
これらを心がけ、より「いつもと違う状態」に気づける体制をとるようにしているのです。
参考:働く人の疲労蓄積度セルフチェック(働く人用)|こころの耳:働く人のメンタルヘルス・ポータルサイト(自殺対策を含む)
心を落ち着けるために行っていること
明日について、事実以上のことを考えないようにする
例えば今日が休みの日で、明日仕事があるとしましょう。そうするとひどい不安に襲われて、仕事自体が怖くなってしまうことがありました。何か大きく重たいものが襲ってくるイメージがあったのです。
これを事実に近い形にイメージするよう、意識を傾けます。「明日は書類の印鑑押しとデータのチェックを…」など、実際に行うことを考えることで、不安を緩和させるようにしました。
十分な休養を取る
特に「警戒モード」の際に多くあることですが、体力的に疲労を感じていると警戒心が強まる傾向があります。これを防ぐために、日頃から十分な休養を取るようにしています。例えば疲れを感じたら、睡眠をとるのみでなく、疲れの種類に応じてマッサージを受けたり、おいしいものを食べるようにしたり心がけています。
身体だけでなく、心にあっても癒しとなる方法を探し、万全の状態を保つよう意識しています。
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まとめ
いかがでしたでしょうか。
精神障害はさまざまなことを怖く感じる、何気ない生活の中にも辛さを感じる…このようなことを多く経験してきました。反対に、経験がなければ対処法は思いつかなかったかも知れません。
今精神障害の症状と向き合っている方が、この記事から少しでも症状や不安を緩和するきっかけをつかむことができましたら幸いです。
【筆者紹介】
Salad編集部員。1980年生まれの男性。30歳の時にうつ病を経験。以降パニック障害の症状などにあっても経験することがあった。現在はこのようなストレスを受ける機会が少なくなるよう、テレワークの業務のある現在の仕事に就職した。