うつ病から復帰後、フルタイム勤務は無理?職場で取り組んだ体験談

うつ病から復帰し、再就職して短時間勤務から始めた

うつ病から復帰し再就職後、緊張する男性社員

体力を考慮して、短時間勤務からリスタートした

筆者はうつ病発症により退職後、4年間のリハビリを経て再就職しました(再就職までの4年間の記事はこちら)。再就職先は、障害者雇用としての事務職です。

再就職の時には、地域の就労支援センターのスタッフの方との相談により5時間の『短時間勤務』からスタートしました。

参考:不調 休業 通常勤務 短時間勤務等 – 厚生労働省

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給与は少なく、自立することは難しかった

仕事を再開する環境としては、ベストなものだったと考えています。しかし、やはり短時間勤務で働いていると、賃金は少ないです。一日5時間、週5日勤務していましたが、誰かを養える分はもちろん、自分一人で生活していく分にも満たない金額でした。

筆者は実家で家族と住んでいたからこそ生活できていましたが、経済的に自立することは難しかったのです。

参考:障害者雇用実態調査 – 厚生労働省

給料アップのため、フルタイム勤務を目指した

フルタイム勤務を目指し、書類を運ぶ障害者雇用の男性
筆者は経済的に自立することを目標に、フルタイム勤務ができるように日々心がけていきました。

そこで今回は筆者の経験をもとに、
・フルタイム勤務になるまでにどれくらいの期間や労力がかかったか
・フルタイム勤務になるために(認められる成果を出すために)心がけたこと
・フルタイム勤務になってからの業務や体調の変化はどうだったか

こちらについてお伝えします。

うつ病から再就職後、フルタイム勤務になるまでに要した期間

書類作成に追われる障害者雇用の男性

およそ2年半は、短時間勤務のまま続けた

短時間勤務のときは、5時間勤務でした。仕事をする体力自体は、6カ月程度で完全に身についていたと感じています。筆者も入社後1年後あたりから、上司に「フルタイム勤務ができます」とお願いしていました。

しかし職場からフルタイム勤務になるには、毎日8時間勤務してもまだ体力的に余裕があるくらいの状態でないと難しいと言われました。さらには5時間行っていた仕事を8時間に延ばして行えるわけではありません。新たに行う業務が増えます。

そのような事情に加えうつ病からの初めての再就職だったこともあり、入社後およそ2年半の間は短時間勤務が続いていました。

その後、フルタイム勤務が認められた

2年半経って、ようやくフルタイム勤務が認められました。このころの勤務の様子はと言いますと、「体力云々」ではなく「5時間では収まりきらないくらい業務量が増えていた」という感覚でした。

そのため、フルタイム勤務になった時は「長くなった」感覚よりも「少しゆとりを持って業務ができる」という感覚でした。このように体力があるかどうかを意識しないくらいの状態で、初めてフルタイムで働く体力がついていると言えるのではないでしょうか。

フルタイム勤務になるために心がけたこと

フルタイム勤務になるためのポイントについてアドバイスする男性

体調管理に注意した

当たり前のことですが、うつ病から復帰した方にとって一番難しいことと言えるかもしれません。筆者の場合も普段は問題なく、休まず通勤していました。しかし、職場の方との関わりやトラブルに巻き込まれたときなどは、やはり疲れがたまりました。

しかしフルタイムになるまで、3日以上連続してお休みを頂いたことはありません。最も大切なのは、「今、疲れているな」と自覚できることです。自分のストレスや疲労にいち早く気づき、一日お休みをいただきすぐにリスタートするという癖をつけたのです。

業務のムラをなくし、安定した成果を出し続けた

調子の良し悪しで業務の出来が大きく変わるようでは、信頼は得られないと感じていました。そのため、良くても悪くても『最低限』という言葉を自分に掲げて、安定して業務を行うように心がけていきました。

そうして上司の構想の中で「あいつはこれくらいはやれる」と一定の成果が計算できるくらいまで、同じペースを保ち続けたのです。

現状の業務に関わる問題の解決策を出し、実行し続けた

筆者は内部事務の書類のチェックを取り扱っていました。入社当時自分が請け負う業務は本来のペースより3~4カ月遅い流れで進んでいて、業務監査でも問題視されていたのです。

入社1年間は3人で分けて行っていましたが、2年目からは筆者1人で行うようになりました。自分がメイン担当として行うぶん、責任も大きくなりました。上記の問題を少しでも改善させるためにあらゆるアイディアを上司に提案し続け、同意の元実行し続けてきました。

電話対応が苦手なため、社内便で各部署の担当者に「メッセージ」を送り続けました。部署の担当者からの依頼には真剣に対応してきました。そうして関係者との信頼を築いていきました。

3年と少し経ち、上記の遅れを取り戻すことができました。このように、お金のためということより「どうしたら会社のためになれるのか」と考え続けられたことが良かったのではと感じています。

フルタイム勤務になってから変化したこと

障害者雇用の後輩にアドバイスしている障害者雇用の先輩社員

疲れ方が変わった

これも当然ですが、疲れ方は変わりました。何よりも、「休まる時間が少ない」という感覚です。それまでは昼に帰っていましたから、明るい間に自由時間を作れてゆとりを持つことができるのです。ですから帰り道で多少寄り道しても明日の体力への支障はほとんどありませんでした。

しかしフルタイム勤務になると、帰ったらすぐに夕食です。夕食を摂ったらお風呂に入り寝る…そしてまた朝が来る…とサイクルが早くなる感覚がありました。精神的に休まる時間が少ないことで、当日のストレスを翌日以降に持ち越してしまうことも出てきました。

人間関係の問題が見えてきた

長く働く分、周囲の方の人間関係や自分に対しての感情も見えやすくなります。「こいつが電話を取らないせいで、私の業務に負担がかかっている」という不満を言われたことも多くあります。そのような負の感情を長く受け続けることで、精神的負担がかかりうつ病寸前の状態にまでなったこともありました。

他の短時間勤務の方の業務をカバーするようになった

筆者のほかにも、様々な障害者雇用の方が勤務しています。もちろん自分より後に短時間勤務として入社してくる方もいました。そのような方が時間内までにやり切れなかった仕事を代わりに受け持つ、というポジションになっていました。

最終的に、障害特性に合う新しい環境を探した

さらなるステップアップに意欲を見せる男性

筆者は最終的に、フルタイムになってから1年半後に退職を決めました。これは体力が続かなかったからではなく、職場が障害特性に合わないと判断したからです。

上記のような負の感情が苦手で、どんなに体力があってもいつかうつ病が再発してしまうのではと感じました。そのため、お世話になった職場を辞めて新しい環境を探すべく就労移行支援事業所の利用を開始しました。

一年間の訓練ののち、障害特性にマッチした在宅勤務に就くことができました。

まとめ

テレワークをする男性
いかがでしたでしょうか。

今回は、筆者が再就職してからフルタイム勤務になるまでの過程を紹介しました。経済的自立のためにフルタイムになりましたが、現実問題それでも「ギリギリ自立できるかどうか」くらいの賃金でした。それをさらに改善させていくためには、より自分の力を出せる環境に行くしかないと感じて新しい環境を求めたわけです。

もし、「今の環境で十分に自分を活かせない」「ステップアップしたい」と考えていたら、いちどSalad編集部までご相談ください。あなたのニーズに合った働き方を探すお手伝いをします。

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【筆者紹介】
Salad編集部員。30代男性。広汎性発達障害、ASD(自閉症スペクトラム)の診断を受けている。現在はテレワークをしながら妻と二人暮らし。