うつ病を隠しても働ける?症状を隠すリスクと就職する時の注意点とは

「うつ」を隠しても就職は可能。ただしリスクは大きい。

不注意により、コーヒーをこぼしてしまううつ症状を持つ男性

うつ病を隠して就職することは、それほどメリットがない。

うつ病を抱えながらも、生活や焦る気持ちから「早く働きたい」という方もいるのではないでしょうか。しかし、うつ病の治療中であることを、公開して就職するにはリスクがあります。

さらに、採用時に企業から質問があったにもかかわらず、病状を話さないことは詐称になるおそれがあります。治療中のうつ病を隠して就職できる可能性は、企業から病状について聞かれなかった場合に限ります。

うつ病を隠して就職することのメリットは、障害者雇用より比較的給与の高い、一般就労を受けやすくなるという点です。ただ適切な配慮を受けられない可能性があり、再発の危険性の高い環境に飛び込むことを意味するため、大きなメリットとは言えません。

参考:職場復帰の基本的な考え方:職場復帰のガイダンス(事業者・上司の方へ)|こころの耳:働く人のメンタルヘルス・ポータルサイト
参考:職場復帰、成功に向けて – 厚生労働省

うつ病は治療に時間を要し、再発の危険性が高い

しかし他の精神障害と比較し、うつ病は回復に時間のかかる病気です。確かに企業に「うつ病治療中」と伝えた場合、採用される可能性は低いです。

それは
◎再発の危険性が高い
◎復帰には時間と労力がかかる
◎場合によっては、悪化によって命の危険性もある

ことを考慮していることが理由です。

うつはこのように状況によっては危険な状態になる病気です。それでも「うつを隠して働きたい・・」という方には、どんなリスクがあるのでしょうか。

参考:うつ病|疾患の詳細|専門的な情報|メンタルヘルス|厚生労働省
参考:うつ病|病名から知る|こころの病気を知る|メンタルヘルス|厚生労働省

うつを隠して就職するリスク

不眠症状に悩む、うつ病を持つ男性

体調が悪くても、自由に休憩・休暇を取れない

薬の副作用などから、急に眠くなることがあるかもしれません。突然精神的に追い込まれることがあるかもしれません。

うつ病を隠して働くということは、職場では「うつ病ではない人」でいないといけません。そのため具合が悪くなっても「都度休憩を取る」「頻繁に休暇を取る」ということはできません。

意欲が低い日でも、モチベーションを維持しないといけない

うつ病の症状には「意欲の低下」などがあります。このため、モチベーションが全く上がらないことがあるかもしれません。そんなときでも、他の方と同じようにコンスタントに成果を挙げないといけません。

病気に打ち克つ、高度な自己管理が必要になります。

朝起きられないなどの事情にも適応しないといけない

うつ病に悩む方に多いのは「朝早くに起きることができない」ことではないでしょうか。

朝が苦手だからといって、時間調整などはできません。朝出勤できなければ「遅刻」です。遅刻を繰り返すことで、周囲からの信頼も失ってしまいます。

周囲に「うつ」がばれてしまうと、大きく信頼が失われる

何らかの事情であなたの「うつ」がばれてしまったとしましょう。周囲の方からの信頼を大きく失ってしまいます。「どうして言わなかったんだ!」と言われることでしょう。

あなた自身が職場にいづらくなり、さらに「うつ」が悪化するおそれがあります。

回復前に悪化すると、さらに治療が難しくなる

仕事に支障がなくなるまでに回復(=寛解)する前に症状が悪化すると、はじめに発症した時よりもさらにひどくなるケースが多いです。

「ここでもだめだった」と精神的ショックがかさ増しされ、日常生活にも支障をきたします。

このように、うつを隠すことで大きなリスクを背負うことになります。次は、うつ病に悩む方が働くために、どのような対策をすれば良いのでしょうか。

うつ病に悩む方のための就職対策

就職に意欲を見せる男性

企業に「うつ」を隠して就職する場合、事前準備をする

大きなリスクはありますが、「それでもいま仕事がしたい」という方は、
◎就職前の準備
通院日の指定、服薬方法、職場での関わり方、体調管理法 など
◎就職後の準備
コミュニケーションの取り方、具合が悪くなった時にどうするか など、職場で「うつ病ではない人」として働くための準備をしましょう。

くれぐれも、無理をしないように慎重に検討してください。

関連記事:精神障害を持つ方がクローズで就職したときのメリット、デメリット

あなたに適した働き方を選ぶ

うつ病にとって、ストレスは大きく病状悪化・再発の可能性を生んでしまいます。その中で、オフィスワークでの他者との関わりは大きなストレスになります。

再発を防ぐためには、このようなストレスが少ない、あなたに適した職場を選ぶことが重要です。

対策の一つとして、在宅勤務などがあります。通勤がなくなれば、オフィスと移動中の2か所の空間での対人ストレスがなくなります。あなたの体調と相談しながらできる仕事もあります。詳しくは、下記の関連記事をチェックしてみてください。

関連記事:体調不良をテレワークで予防できる理由【精神障害を持つ方の復職】
関連記事:うつ病になってしまったら、通勤をやめて在宅勤務を試してみよう。

疲労の解消法を知っておく

仕事を始めれば仮にうつ病が回復していたとしても、最初は疲れやすいです。そのため、疲労からの再発や悪化を防ぐための解消法を知っておきましょう。詳細は、下記の関連記事を参考としてください。

関連記事:仕事を上手に休む方法【精神障害を持つ方が仕事を長く続けるヒント】

定期的に医療機関・支援機関に相談する

病院などの医療機関、就労移行支援事業所や、各地域の就労支援センターの方とよく相談をしましょう。

あなた一人で「就職してもよい」という判断は危険です。

「今活動に踏み出しても大丈夫か。」「就職の際にはどのような注意が必要か。」このような体調面と仕事面でのアドバイスを受けて、就職に適切なタイミングを確認しましょう。

関連記事:【医師に要相談】発達障害を持つ方にかかわる、服薬の効果と注意点
関連記事:精神障害は就職に不利って本当?就職するにはどんな対策が必要なの?

『うつ』を隠すより、解消してからの就職の方がいい

朝すっきり起きる男性

うつ病の治療は、確かに時間がかかります。しかし、しっかりと治療を続けていれば寛解に近づきます。

焦って再発や悪化のリスクを背負って働くより、確実に回復してから就職した方が明らかに適切です。何よりも自分がストレスのかからない環境を選択できるように修正していくことが、大切なポイントなのです。もし、「うつがなかなか治らないけど、働きたい・・」とお悩みの方はこの後の案内「うつ病に悩む方へ。『Salad』が自分らしく働く就職のサポートをします」もチェックしてみてください。

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まとめ

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いかがでしたでしょうか。

うつ病は、回復した状態を体感しにくいです。だからこそ「もう仕事ができるのでは」という焦りを生みやすい病気でもあります。安全に長く働けるように、家族や関連機関の方とよく相談し、復帰は慎重に考えていきましょう。

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