感覚過敏での体調不良は、周囲に理解されにくい
不調でも周囲に理解されにくい
「感覚過敏」とは、発達障害や精神障害を持つ方に見られる、五感のうちのいずれかが過敏に感じられる体質をいいます。
他の方がなんとも思わない音に敏感であったり、陽の光のまぶしさに耐えられなかったりなどに苦痛や不調を生じるのです。本人にとっては辛く、実際に体の症状としても出ているのになかなか周囲(当事者でない人たち)の理解を得ることが難しいのではないでしょうか。
季節の変化による体調不良もある
筆者もまた、五感のうち複数の感覚過敏を持っています。さらに五感を特定できない形で持っているのが『季節変化に過敏』というものです。
気圧変化、気温変化、その他それに対する周囲の環境の変化に適応させることに時間と労力を要します。最近では体調が辛くなると季節の変化を感じるほどです。
参考:医療法人名北会 小田井メンタルクリニック iMode site 心療内科- 子どもから大人までの軽度の発達障害(自閉症スペクトラム障害)について –
関連記事:【感覚過敏:体験談】気圧の変化で辛い、、そのための不調予防とは
しかし、何よりも体調不良にならないことが一番です。そこで今回は季節ごとにどのような体調変化が起きやすいか、筆者の例を紹介します。
【体験談】季節の変化でなりやすい『体調不良』
春頃から夏頃への変化
おおむね5月末から7月上旬あたりに感じやすい不調です。
最も体調不良につながりやすい変化は以下の2つです。
①梅雨時の急な気圧低下の影響で、頭痛やめまいが起こりやすい。
②各建物に冷房がつき始めるため、外との寒暖差を感じやすい。これにより発汗しにくい体になり体温調節もしにくくなる。
この2点の問題により、体調を崩すことがありました。
20代のころには目の前が突然真っ暗になるなどの症状もあったほどです。「梅雨時の雨が降る前」が特に気圧低下の影響を受けやすいため、今では「雨が降りそうな匂い」が分かるまでになりました。
夏頃から秋頃への変化
8月末から10月上旬のあたりに感じる症状です。主に暑さが収まり始め、涼しくなってくるころです。
このころは、朝起きた時や日中に強い眠気を感じます。今では仕事に支障がない程度にコントロールできるようになりましたが、過去には昼頃まで起きられないという事態も多かったのです。さらには秋雨や台風による気圧低下の影響で不調になることが多くありました。
休むとき事情を説明しても理解してもらえないので、「風邪をひいた」と嘘をつくことに罪悪感があったことを覚えています。
秋頃から冬頃への変化
11月下旬から12月上旬にかけての短い間が対象です。4つの季節変化の中ではいちばん負担になりにくい印象があります。気圧の変動も少なく、安定した気候が続きやすいからです。
風邪をひきやすいのは、この変化が終わり落ち着いたころあたりの時期になります。
冬頃から春頃への変化
3月中旬から4月上旬あたりの時期です。この4つの変化の中では最も風邪をひきやすい時期です。寒い気候に慣れていた体が、温かい気候に適応するために「変化」するのでしょうか。4月上旬あたりの時期に蓄積した疲れが「爆発」するのです。
めまいなどはありませんが、発汗が上手くできず体温調節ができないことで寒気などの不調を起こすことがあります。体中の水分の循環が悪くなる感覚です。
関連記事:辛い感覚過敏にもメリットがある!悩みを強みに変える活かし方とは?
関連記事:【感覚過敏・体験談】過敏な感覚の生きづらさ、対処法と活用法を紹介
体調不良のまま我慢して働くと、『プレゼンティーズム』になることも
このような不調のタイミングを知りつつも、体調を崩してしまうときはありました。それでも「休むわけにはいかない」と無理をしていた時もあったのです。このようなことが『プレゼンティーズム』として、企業の生産性を下げる行動として問題視されているのです。
『プレゼンティーズム』とは、花粉症や肩こりなどの症状も含め不調を自覚しているにもかかわらず、無理をして出勤(仕事)している状態を指します。
無理をして作業を続けることで、企業全体のパフォーマンスが下がることを危険視し始めたのです。ですから感覚過敏に関しても、「体調不良」と考え対処や予防に努めなければなりません。
関連記事:アブセンティーズム、プレゼンティーズムとは?健康問題の原因と対策
関連記事:【精神障害】仕事が辛いのに休めない「プレゼンティーズム」の予防法
自分自身でも、対策や予防が必要と感じた
感覚過敏を周囲の方に理解してもらうことも大切ですが、気候変化などは予測できないことです。そのため、突然不調になる可能性も充分にあるのです。そのようなときも考え、自分でも対処や予防法を考える必要があると考え始めました。
季節の変化ごとの体調不良を予防する対策
春頃から夏頃への変化
気圧低下による不調を感じたら、早めに職場に伝えて休むようにしています。気候変化(に対して自分がどういった反応を示すか)は予測が難しいため、不調にならないように気を遣い過ぎて反対に不調になってしまったこともありました。
ですから対処としては、「これくらいなら大丈夫かな」と感じるくらいの不調でも、早めに休むようにしています。万全の状態にして、早くリスタートした方が無理を続けるよりも効率は良いと感じています。
夏頃から秋頃への変化
このころは朝や日中の眠気を軽減するよう、睡眠のペースをできるだけ統一させるようにしています。
平日は夜更かしをして休日だけ昼まで寝ているなどをしていると、日中の眠気は強まります。そのため平日・休日関係なく睡眠リズムを安定させるように心がけています。
秋頃から冬頃への変化
体温調節に支障をきたさないよう、厚着をし過ぎないようにしています。また暖かい部屋に入ったら上着を脱ぐなど、体に負担をかけないように心がけるようにしています。
冬頃から春頃への変化
筆者にとってもっとも「体に負担がかかっていること」に気づきにくい時期です。
そのため、
・休日にしっかりとリラックスをする
・仕事中もあまり無理をせず、追い込み過ぎないようにする
上記のような対処をし、早めの対処をしています。
仕事・働き方に悩んでいたら。『Salad』が強みを活かす就職のサポートをします
まとめ
いかがでしたでしょうか。
20代後半あたりから感覚過敏を自覚し始めて、今に至るまで15年近く対処を考え続けてきました。自分の特徴や傾向を知ることで、ここ2,3年になってやっと大きな風邪をひかないようになりました。
感覚過敏に困っている方へ、対処や問題解消のきっかけになりましたら幸いです。
【筆者紹介】
Salad編集部員。30代男性。広汎性発達障害、ASD(自閉症スペクトラム)の診断を受けている。気圧変化・気候変化はもちろん変化そのものが苦手だと感じている。気候に関しては、旅行で行ったグアム島の気候は体に合っていた。関東地方在住。