【発達障害】働き続ける自己管理スキルの種類と習得に必要なこと5つ

発達障害を持つ方が働き続けるためには、自己管理が必要

自己管理を身につけている自分を想像する男性

発達障害を持つ方が職場で苦労している

発達障害を持つ方の中でも、障害者雇用やクローズなど様々な働き方で仕事をしている方が増えてきています。

しかし障害を公開しないクローズはもちろん、障害を公開している障害者雇用にあっても充分に働ける環境ではないケースがあるのではないでしょうか。

「苦手なことを求められる」「何度やっても間違えてしまう」など、発達障害の特性の影響で苦労しているケースも少なくありません。

参考:そもそも「発達障害」って?|大人の発達障害ってなんだろう? – 大人の発達障害|NHK福祉ポータル ハートネット
参考:障害者職業総合センター 研究部門 調査研究報告書No.125 発達障害者の職業生活への満足度と職場の実態に関する調査研究

職場定着のためには、自己管理が求められる

したがって発達障害を持つ方が職場定着していくためには、「自己管理」が必要になります。職場でも「自己管理が足りない」「自己管理能力を身につけなさい」と厳しい言葉を言われた経験もあったのではないでしょうか。

そもそも、『自己管理』ってなに?

自己管理のポイントについて説明をする男性
しかしながら、そもそも「自己管理」って何を管理するの?と疑問に思ったことはありませんか?「漠然とし過ぎていて、具体的に何を管理すればよいのか見当がつかない」これでは管理したい気持ちがあっても難しくなってしまうでしょう。

そこで、今回は『自己管理』についてお話しします。

発達障害を持つ方が働き続けられるために必要な『6つの自己管理』について、習得に必要なことも含めて紹介していきましょう。

参考:職場での困りごと全般:困りごとのトリセツ(取扱説明書)|発達障害プロジェクト|NHK

【発達障害】働き続けるために必要な5つの自己管理スキル

自己管理スキルについてアドバイスする女性

①健康管理

第一に、『健康管理』です。体調が安定していなければ、職場も安心して仕事を任せることができません。なぜなら、仕事を習得するまでには長期間を要するためです。特に障害者雇用を採用する際にもっとも重視しているのがこの「健康管理」のスキルです。

不調のサインに気づかず、負担をかけ続けることで適応障害や二次障害を発症する可能性もあります。また、不調を自覚していても「このくらいなら大丈夫だろう」と無理をして働き続けることでパフォーマンスが下がる「プレゼンティーズム」にもなりかねません。

力を十分に発揮するために、健康管理は大切な基礎になります。

参照:健康経営 オフィス レポート – 経済産業省

関連記事:【大人の発達障害】疲れに気づかないと二次障害の危険も!対策を紹介

②時間管理・スケジュール管理

「朝が弱く、遅刻が多い」「スケジュールを立てることが苦手で、効率よく仕事を進められない」などで苦労していませんか?

このような定められた時間を守ること、計画的に仕事を進めることも大切な管理スキルです。

関連記事:【ADHD】時間管理・スケジュール管理ができない…改善法はある?

③業務状況の管理

自分が担当している業務について、
・今、どのような作業をしているか
・今、どれくらい作業が進んでいるか
・あとどれくらいで作業が完了するか
・仕事における必須事項をクリアできているかどうか

このような項目を上司など他者に伝えられるくらいに把握することが大切です。

そのために日々の業務状況を管理するスキルが必要になります。

④「モノ」の管理

業務に関わるさまざまな「モノ」の管理も大切です。
・業務上扱う内部書類や貸与品
・業務上で扱う、データも含む情報
・財布や携帯電話、定期券など私物で必要なもの

これらを含めた『モノ』をすぐに使用できるように管理しなければなりません。

もちろん、整理せず紛失をしてしまうことは企業への大きなダメージなる可能性もあるのです。

参照:発達障害プロジェクト – NHK忘れもの、忘れごとが多い

関連記事:【体験談】発達障害はよくものをなくす?紛失防止で工夫したこととは
関連記事:【大人の発達障害・ADHD】片付けられない方への整理の工夫4つ

⑤精神状態の管理

自分が今どのような感情を持ったのか、どんな行動をしたかを後から振り返っても把握できるよう、コントロールする力が必要です。

感情をコントロールできず、その場の勢いに任せていては周囲を振り回すおそれが出てきます。場合によっては、つい発してしまった言葉でトラブルを起こすこともあるのです。

ですから常に安定した精神状態を保ち、感情に振り回されないようにしなければなりません。

参照:発達障害プロジェクト – NHK感情をコントロールできない

自己管理とは、主にこの5つの管理を言います。では、この5つのスキルを身につけるために必要なことはどのようなものなのでしょうか。

自己管理スキル習得のために必要なこと

自己管理についてアドバイスを受けている発達障害を持つ方

①自己理解を深め、共有できるようにする

まずは自分がどのような特性を持っているか、把握する必要があります。「どんなことが苦手なのか」、「どのような事情で不安になりやすいか」など、業務上支障が起きそうな部分を確認することが大切です。

さらに自分の特徴をナビゲーションブックなどにまとめ、いつでも共有できるようにしておくようにしましょう。

②生活リズムを整える

「夜更かしが多い」「栄養バランスに偏りがある」など、不規則な生活をしていては良い状態を保つことは難しいです。ですから平日・休日問わず安定した生活リズムを保つように心がけましょう。毎日の生活の負担を減らすことで、仕事での負担も軽減されるのです。

また、服薬の影響などでリズムを保つことが難しい時は、かかりつけの医師に相談するようにしましょう。

③日々の業務を記録し、共有する

今日自分がどのような仕事をしたのか、どれくらい進んだのか、業務の状況を記録しておきましょう。業務状況を記録しておくことで、同じ作業を二度行ったり、反対に作業漏れを起こしたりするケースが少なくなります。

また、自分一人だけで管理することが大変な場合は、上司と相談し定期的に共有するようにお願いしましょう。

④物やデータの保管場所を特定する

その時の気分で様々な場所に物を置いてしまったり、バラバラの場所にデータを保存したりすると、次にすぐ使うことが難しくなります。ですから「この書類は書類棚の2段目」「このデータはこのフォルダ」など、具体的に保管場所を決めて管理するようにしましょう。

また、こまめに整理をする心がけが大切です。

⑤定期的に上司などと相談する機会をお願いする

自分を管理するのに他者に頼る?と疑問に思ったかもしれません。しかしながら業務上困ったこと、不安に感じていることなどを一人で抱え込むことは「自己管理」ではありません。ですからスムーズに仕事を進めていくために、「相談」は必要になります。

「ひとりでするべきこと」「他者のサポートが必要なこと」を見極められることも、自己管理なのです。相談方法に迷ったら、下記の関連記事を参考にしてみてください。

関連記事:【ASD・アスペルガー】悩み事を相談できない…きっかけの作り方4つ
関連記事:【大人のADHD】仕事で辛い悩みを相談できない…原因と打開策4つ

参照:職場での知恵と工夫|発達障害を生き抜くために – 大人の発達障害|NHK福祉ポータル ハートネット

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まとめ

健やかな暮らしができる社会を目指して
いかがでしたでしょうか。

「自己管理が必要だ」そうざっくり言われても分からない。そう感じた方も多かったのではないでしょうか。今回はそのような疑問にお答えする形で5つの管理を紹介しました。
・健康管理
・時間・スケジュール管理
・業務状況の管理
・「モノ」の管理
・精神状態の管理

この5つの管理スキルを習得して、職場定着を目指していきましょう。

【筆者紹介】
Salad編集部員。30代男性。広汎性発達障害、ASD(自閉症スペクトラム)の診断を受けている。毎朝起きたときの気候と健康状態、精神状態を手帳に記録している。

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