【HSP】辛い時でも相談できない…相談のきっかけのつかむコツは?

辛い時でも相談できない…

辛い時でも相談できない…

HSPの性質上、相談相手の事情を考えてしまう

HSPとは、「とても繊細な人」という意味を持つ用語です。障害や疾患ではありませんが、世界の5人に1人の割合でいるとされており、性質による「生きづらさ」が注目されています。

職場でもその繊細さ、敏感さから気配りが得意なことがあるかもしれません。しかしその「気配り」が行き過ぎてしまい、自分自身が辛い時に主張できない一面もあります。

他人の相談はいくらでも受けるのに、自分が相談するときは罪悪感がある

HSPは共感性も高く、周囲の不安をキャッチすることが得意な一面があります。そのため他者から相談を受けることが多く、特性を活かしてカウンセラーになっている方もいます。

しかし、他人の相談はいくらでも受けるのに、自分が辛い時に相談できないことで悩むケースがあります。特別信頼されていない・嫌われているわけではないのに、どうして遠慮してしまうのか。

HSPの「相談できない理由」を見ていきましょう。

参考:HPS(Highly Sensitive Person)ハイリー・センシティブ・パーソン | 仙台の心療内科・精神科・美容内科マドレクリニック

【HSP】辛い時でも相談できない理由

【HSP】辛い時でも相談できない理由

相談相手の事情を想像してしまう

HSPを持つ方は性質上、共感性が高いです。共感性が高いので、「自分がこれから話すことを相手が受けたときの感情」を想像してしまいます。「面倒だろうな…」「相手も忙しいのに、負担にさせてしまう…」という相手の事情を考えすぎて、「それなら自分で解決させよう」と無理をしてしまいます。

関連記事:【HSP体験談】他人の感情の影響で優柔不断に…適度な距離の保ち方

相談前に、周囲の状況を見て解決できないか分析してしまう

そのため「相談」を最後の手段としてギリギリまで行わず、その前に自分で解決できるヒントはないか分析しようとします。実際に聞いてみれば簡単に解決できることでも、相手に伝えるときの刺激を避けようとしてしまうのです。

あれこれ考えすぎたり観察したりすることで、精神的負担がかかってしまいます。

人の感情には敏感だが、自分の感情には疎い

「自分の悩みは、他と比べたら大したことない」と考えてしまっているケースです。HSPは共感性が強いために、自分を客観視しすぎてしまうことがあります。人の感情には敏感ですが、自分の感情には疎いことがあるのです。そのため、本来はひどく辛い時でも自覚していないケースも出てきます。

他人から「なんでそんな大事なことをすぐに言わないんだ!」と言われて、はじめて「重大な悩みだった」と気づくケースが多い場合、注意が必要です。

不満など、負の感情を伝えることに罪悪感がある

相談の中には、他者に対しての不満や要望もあるでしょう。相談相手が当事者でなくても、「自分がそのような負の感情を言う」ということに罪悪感を持っていることがあります。

明らかに傷つけられたり、迷惑を被っていても「そのような悪いことは言ってはいけない」と、感情を抑え込み過ぎてしまうのです。

関連記事:【HSP】人に嫌われるのが怖くて気にしすぎてしまう理由、改善法

参考:HSP気質とは? 特徴と付き合い方まとめ – STUDY HACKER|これからの学びを考える、勉強法のハッキングメディア

HSPは、うつ病になりやすいケースがある

HSPは、うつ病になりやすいケースがある

これらの事情から、HSPはうつ病になりやすい傾向を持っています。このような事態を防止し健康的に働き続けるためには、しっかりと自分自身とも向き合っていかなければなりません。そのような意味でも、相談することは大事な手段になります。

では、どのようにして相談のきっかけをつかんでいけばよいのでしょうか。

参考:敏感すぎて疲れるのはHSPかも?うつ病にもつながるHSPの特徴と対処法 | 医療法人東横会 心療内科 精神科 たわらクリニック

職場で辛い時、相談のきっかけをつかむコツ

職場で辛い時、相談のきっかけをつかむコツ

定期的に対話する機会を設ける

普段から周囲との交流が少ない場合、相談のきっかけを雰囲気からつかむ機会が多くなるでしょう。HSPの場合、このような状況であれば我慢してしまいます。

ですから職場の上司をなど、定期的に「自分の意思を話す機会」を設けてもらうようにお願いしましょう。「相手の話を聞く機会」ではなく、「自分の意思を話す機会」です。

自分だけでなく、双方が解決策を理解することが必要

HSPの場合、周囲から自分の悩みを解決できるヒントを見つけられることがあるでしょう。しかし、これではあなたの悩みが解決されることは少ないです。

なぜなら、あなたが情報をキャッチしただけで相手はそれを知らないからです。あなただけが理解できていても、周囲が知らなければ対処できることはごくわずかと言えるでしょう。

また、あなたは感知することができても、周囲も同じように感知してくれるとも限りません。ですから相談をして、お互いが解決策を理解することが大切なのです。

一人でいるときに思いを書き出すなどして、自分の感情を確かめてみる

HSPを持つ方にとって、一番「自分中心」になれるのが一人の時間だというケースも多いのではないでしょうか。

周囲に人がいると、どうしても周囲の様子を見る方に意識が向きがちです。ですから自分の心情を知りたいときは、一人の時間を多めにとるなどしてみましょう。

さらには自分の気持ちを書き出すなどして、状況を整理することも大切です。

他人を頼ることで喜ばれるケースもある

HSPを持っていると、人に頼られることには抵抗がないのに、人に頼ることは苦手なことが多いのではないでしょうか。これは心のどこかで「人に頼ることはいけないこと」という考えがあるからかもしれません。

しかし、人間の感情は多様です。時には「頼ってもらえない」ことで不満に思われるケースもあります。相手に対して親切にしたり、手伝ったりすることも大切です。しかし、それでは助け『合い』ではないのです。

もしあなたが普段誰かのためによく動く方であれば、反対に頼ることで喜ばれるケースもあることを覚えておきましょう。

参考:「助けて下さい」と言える力 | 東京発達・家族相談センター

相談しても辛い気持ちが解決しない時は、環境を見直してみよう

相談しても辛い気持ちが解決しない時は、環境を見直してみよう

「勇気を出して自分の思いを伝えてみた…でも、以降も全く悩みは変わらない」そおのようなケースも考えられます。そのようなときは、あなたや周囲の努力が足りないのではないかもしれません。

もしかしたら、周囲の環境とあなたがマッチしていないだけの可能性があるということです。この様な時には「カスタマイズ就業」で、自分の悩んでいた特性や性質を活かす働き方に変えることで解決するかもしれません。

「自分の悩みがなくならない…」「相談しても相手にまったく理解されなかった…」などのときは、Salad編集部までご相談ください。

参考:障害者の能力や強みを生かす「カスタマイズ就業」って? – 毎日新聞

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まとめ

いかがでしたでしょうか。

よく教育や学びの場で「人のことを考えて行動しなさい」と言われてきました。しかし、これはあくまでも「自分を軸に考える」人を対象に言っていることが多いです。

HSPは、反対に「人のことしか考えていない」というケースがあるほどです。しかし、あなた自身もその「人」うちの1人であることを忘れていませんか?自分をおろそかにすることは、他人のうちの誰かをおろそかにするのと同じです。

もしも今辛い思いが続くなら、たまには助けられてもよいのです。ですから一歩だけ踏み出して、相談をお願いしてみましょう。

迷った時は、こちらまでご相談ください。

【筆者紹介】
Salad編集部員。30代男性。広汎性発達障害、ASD(自閉症スペクトラム)の診断を受けている。HSPの特徴を多く持ち、人の面倒を見るポジションにいることが多かった。人に頼らないことで、他者から「私を必要としていない」と不満に思われたことがある。

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