世界でeスポーツが注目されている
eスポーツとは
「eスポーツ」は、正式名称「エレクトロニック・スポーツ」の略称で、コンピューターゲームを競技スポーツとして競い合うものです。他にも「eSports」、「e-Sports」、「電子競技」など呼ばれています。現在、世界中で大会が行われており、日本でも活躍している選手がいます。
ゲームのジャンルは、サッカーゲームや格闘ゲーム、ゲーム上でトレーディングカードを用いたものなど様々です。
既にアジアオリンピックではeスポーツが競技種目に認定されていて、2026年には日本の愛知県名古屋市で行われる予定です。
発達障害の特性を活かすチャンス
ADHD(注意欠如・多動性障害)、ASD(自閉症スペクトラム)、LD(学習障害)などの発達障害を持つ方にとって、eスポーツは特性を活かすチャンスでもあります。
もし「ゲームが好き」という方は、eスポーツ選手という職業で活きる手段もある時代なのです。
それでは発達障害を持つ方の特性が、どのようにeスポーツに活かせるのかを解説していきます。
【発達障害】eスポーツで活かせる特徴
【発達障害共通】好きなことへの集中力が高い
ADHD、ASD、LDを持つ方共通している特徴は、「好きなこと・興味のあることへの集中力が高い」ことです。それぞれ集中するまでのプロセスは異なりますが、高い集中力を発揮することで、ゲーム技術の質を高めることができます。
【ASD】技術向上のためにこだわり、地味な作業でも集中できる
ASDを持つ方は、特定の物事への「こだわりの強さ」があります。技術向上のために徹底した努力を行う探求心は、eスポーツでも活かせる可能性があります。
さらにASDを持つ方は、地味な作業や細かい作業でもコツコツ集中して行える強みを持っています。ゲーム内容にもよりますが、我慢強さを求められる展開のゲームやパズルゲームなどの緻密さを求められるゲームなどに関して、高い集中力を活かしやすいです。
【ADHD、LD】独特な発想を活かして有利に進められる
ADHDを持つ方は、その特性から「クリエイティブ」な発想を生み出しやすいです。これらの発想を活かして相手の隙を突いたり、想像を超えた操作をすることで有利に進められる可能性があります。
また、LDを持つ方の特徴として「論理的思考能力が高い」「事態を予測する能力が高い」という一面を持っていることがあります。この特性を活かして最短ルートの方法を考え出すことや、無駄のない方法を考えて有利に進められる可能性があります。
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【発達障害共通】他者との複雑なコミュニケーションが少ない
競技しているとき以外、eスポーツの選手は「ゲーム」が仕事です。ひたすら「ゲームの技術を上げること」が仕事なのです。他のスポーツのアスリートで言えば、トレーニングです。
オフィスワークのような複雑なコミュニケーションもなく、会話によって左右されることが少ないため、発達障害を持つ方にとっては弱みをカバーする形につながります。
【発達障害共通】点数や勝敗として成果が分かりやすい
また、ゲームの結果として点数や勝敗として明確な成果がその場で分かるものが多いです。そのため、自分の仕事ぶりに関して不安になることもありません。成果が分かりやすいため、飽きてしまいやすい性格でも持続しやすいメリットがあります。
このようにeスポーツは発達障害を持つ方の特性を活かせるチャンスがあります。しかし、行う上で注意しなければならないこともあります。
【発達障害】eスポーツでの注意点
依存や執着し過ぎに注意する
発達障害を持つ方は、興味のあることに関しての高い集中力を持っています。しかし反対に集中しすぎてしまい、体調に支障をきたしてしまうリスクがあります。
また、ゲームに執着しすぎて依存してしまう状態になることも危険です。
仕事として、ゲームとの適切な距離感を保つ工夫が必要です。
意識的に「オフ」の時間を設けるなど、体調・自己管理を徹底する
仕事になったとはいえ、ゲームは楽しいものです。そのため、意識的にオフにしないとどこまでもできてしまう可能性があります。
体調管理や自己管理は、アスリートにとって「鉄則」です。これはeスポーツにおいても同様です。
ゲームの世界は平等。差別を気にせず「やりがい」を求められる
発達障害を持つ方にとってeスポーツの一番の魅力は、「平等」ということではないでしょうか。普段のトレーニングなどではあり得るかもしれませんが、競技中は確実に平等な勝負の世界です。
ですから差別を気にせず思い切り仕事に取り組みたい、という方に適した職業なのです。
下記の参考リンクから、大会やイベントの情報を見ることができます。興味がありましたら、チェックしてみてください。
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まとめ
いかがでしたでしょうか。
日本人で活躍しているeスポーツ選手がいる、ということをお伝えしました。しかしながら文化として日本は「eスポーツ後進国」と言われています。
その影響で、「職業は『ゲーム』」ということへの偏見があるかもしれません。しかしそもそも仕事は、自分の生活を豊かにするためのものです。ですからeスポーツで社会に貢献することも、立派な成果なのです。
自分の適職が見つからない中、もし「このゲームなら誰にも負けない」というものがあれば、eスポーツにトライしてみてはいかがでしょうか。