大人の発達障害者同士も喧嘩やトラブルのリスクがある。注意点は?

大人の発達障害者同士で働く機会がある

障害者雇用で働く人が増えている

近年、障害者雇用促進法が見直され、企業には発達障害を持ちながら働く方への合理的配慮を行うように義務付けられるようになりました。

これにより、発達障害を持つ方が働く機会が増えているのです。

発達障害を持つ方同士で働く機会もある

さらには、特例子会社など、障害を持つ方を中心としたチームで編成されている環境で働く方もいます。このような環境が増えていくことで、「発達障害者同士で働く・関わる機会」も生まれてきたのではないでしょうか。

これにより、「発達障害を持つ方⇔障害を持たない方(一般的にいう健常者)」のやり取りだけでなく、発達障害を持つ方同士のコミュニケーションに関しても注意していく必要が出てきています。

喧嘩やトラブルのリスクがある

発達障害を持つ方には対人不安・緊張を持っているケースや、極端な思考をすることですれ違いを生むリスクを持つケースなどがあります。これにより、コミュニケーションにすれ違いが生じ発達障害を持つ方同士で喧嘩やトラブルになってしまうリスクがあるのです。

離職された発達障害を持つ方が受けたアンケートでは、「離職防止に有効な配慮や環境整備」として、「コミュニケーションを円滑にするための手段や環境の整備」を挙げている方が多くなっています。(ハローワーク調査 34.9%)

参考:障害者職業総合センター 研究部門 2019年9月 障害のある求職者の実態調査の中間報告

今後発達障害を持ちながら働き続けていくなかで、注意することは指示・報告などのコミュニケーションだけではありません。このような「発達障害を持つ方同士の連携」についても注意していく必要があるのです。

では、発達障害を持つ方が複数いる職場で仕事をするときにどのようなことに注視していけば良いのでしょうか。

○発達障害を持つ方同士が喧嘩やトラブルになる原因
○実際にトラブルになってしまった時の対処・トラブルを予防するための方法

について紹介します。

発達障害を持つ方同士が喧嘩・トラブルになる理由

不安や緊張が強いため極端な思考になりやすく、他者を敵視しやすい

発達障害を持つ方は、「白か黒か」などの二者択一の極端な思考になりやすい傾向があります。これが強い不安や緊張を抱えている場合、警戒心が強くなるケースが多いです。

警戒心が強いと、周囲の人間を「敵か味方か」という思考になってしまいます。そのため少しでも自分の意にそぐわない発言や行動を受けたときに「敵意」を持ちやすいのです。

異なる考えを受け入れにくく、かつ自分の考えを押し付けやすい

発達障害を持つ方の中には、こだわりが強い方がいます。このこだわりが職場のために活きる形であれば強い力となります。しかし、そのこだわりゆえ「自分がやってきたことが絶対に正しい。他の方法は認めない」という姿勢でいる場合が多いのです。

これにより周囲の不満を買いやすく、かつ異なる考えの方と対立してしまいます。

第三者に相談しようとしない

このようなトラブルがあった場合でも、ギリギリまで相談することができないケースが多いです。

これには様々な理由が考えられます。

・上司など、相談相手に話しかけるタイミングをつかめない
・相談内容や説明するための内容を整理できない
・他者に対して強い不安や恐怖感を持っている
・上司も含め、自分以外を敵視している

これらの理由から双方にトラブルがあった時でも、上司などに相談することを拒むケースが多いのです。本人が相談したいと思うタイミングには、既に適応障害や二次障害などを発症しているケースでした。

本当にギリギリまで「人と関わろうとしない」という判断をすることで、問題が大きくなっていったのです。

では、発達障害を持つ方同士のけんか・トラブルに巻き込まれたときの対処・トラブルを予防するにはどのような方法があるのでしょうか。

発達障害者同士のトラブル対処・予防策

『敵か味方か』の2択で人を見ないようにする

同じ方向に向かっている方であれば、どんな人も「敵・味方」ではなく「仲間」です。しかし、発達障害を持つ方は自分と違う考え方を「NO」と決める判断が早い傾向があります。

これは他者の考えを受け入れることで、自分がなくなってしまうのではないかという不安から来ているでしょう。

長く働き続けるためにはこの不安を解消し、様々な個性の違いを受け入れていかなければなりません。

コミュニケーションに、勝ち負けを求めない

常に自分に自信がない状態でいると、会話の中で相手を打ち負かそうとする意識が働きやすいです。

「自分の考えを受け入れてくれないけれど、これだけ正しいんだ!」という訴えが強まるからです。そもそも職場の意向に「合う・合わない」はあっても、「正しい・間違い」の2択にはなりません。

常に会話の中で勝ち負けを求めていると、相手の不満を呼びトラブルになってしまいます。会話はお互いの情報のやり取りです。相手への攻撃ではないことを意識しておきましょう。

少しでも噛み合わないときは、上司に相談する

また、トラブルになってしまった時に、当事者同士で結論が出ることは少ないです。対処として冷静かつ平等に見ることができ、かつ双方より上の立場の見解を聞くのが良いでしょう。

ですから少しでもコミュニケーションに不安を感じたら、上司に相談しましょう。必ず当事者同士で収めようとしないように注意しましょう。

感謝や謝罪を言えることも、スキルの一つ

このような喧嘩やトラブルに遭遇した場合、時間が経つほど関係が悪化します。早いうちに感謝や謝罪を言えることも、スキルの一つです。

上司に相談し、もし自分にも非がある場合はしっかりと相手に感謝や謝罪の言葉を言えるように心がけましょう。

どういえばよいか分からない場合はこちらの記事「【発達障害】「ありがとう」「ごめんなさい」が言えない時の対処法」を参考にしてみてください。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

同じ発達障害とはいえ、それぞれの違いがあります。共通しているのは「それぞれの違いを受け入れることが苦手」ということです。

今後はソーシャルインクルージョンなど、個々の考えを受け入れていく考え方が浸透するかもしれません。

そのためにも今から自分とは違う考え方があることを知り、受け入れていく必要があるかのではないでしょうか。

【筆者紹介】
Salad編集部員。30代男性。広汎性発達障害、ASD(自閉症スペクトラム)の診断を受けている。前の職場で発達障害を持つ方を中心としたチームで仕事をしていた(全員が該当しているかは確認できていない)。こちらから当事者になることはなく一方的に敵視されることが多かったが、本人とまともな話し合いができる状態になりにくかった印象がある。また、上司も当事者の心理が理解できず、お手上げ状態であった。

この記事をシェアしましょう!