【発達障害者雇用】この言い方はわがまま!職場への障害の伝え方

言い方を間違えると、わがままと思われてしまう

職場へサポートを求めるため、自分の障害を伝える機会がある

発達障害であることを公開して仕事をされている方が増えてきています。職場から適切な配慮を受けるためには、より正確に自身の障害特徴を伝えていかなければなりません。

そのため近年ではナビゲーションブックなどを活用し、自身の障害を分かりやすく説明する工夫をされていることもあるのではないでしょうか。

言い方を間違えると、わがままと誤解されてしまう

しかしながら、実際には就職後しばらく経たないと見えてこない特性もあります。それは業務に対しての行動からしか分からないものもあるからです。そのため、その都度新しい困難や悩みに遭ったときに周囲に伝えられることも重要です。

問題として、この「発達障害」の伝え方が不十分、謙虚さがないなどから「わがまま」だと誤解されてしまう可能性があります。

では、周囲からわがままと思われやすい伝え方には、どのようなものがあるのでしょうか。

職場でわがままと思われてしまう障害の伝え方

障害特徴や要望など、内容が漠然としている

伝える内容が漠然としているまま伝えていませんか?「言うだけ言って解釈は相手にお任せ」という気持ちだと、周囲には「わがまま」に映るときがあります。

「仕事を覚えるのが苦手です」「うまく指示を理解することができません」
と言ったとしましょう。

これでは、職場は対処のしようがありません。または改めてあなたに確認する「二度手間」になってしまいます。

できないことや相手への要望だけを伝える

「電話をとることはできません」「メモを取ることが苦手です」様々な苦手なことがあるでしょう。この様な困難を伝えること自体はとても大切です。

しかし「わがまま」と思われる人に多いのは、そのような「できないこと」のみを伝えるケースです。職場もあなたを活かすために雇っているわけですから、活かせるヒントを求めます。それなのにできないことばかり並べられると、「甘えている」「やる気がない」と感じてしまうのです。

配慮が不足していたとき、文句を言う

企業が障害を持つ方に配慮することは、法律で義務付けられています。しかし、あなたの要望通りに完璧に配慮しきれるかと言えば、そうではありません。職場の状況や相手の精神状態によって、あなたの要望に沿った配慮ができない時があるかもしれません。

そのような時に、
「これは前にも言いましたよね。どうして配慮しないんですか!」
「それは障害特性でできないのです。そんなことも知らないんですか?」
などという言葉を発することはもちろん、態度として見せるだけでもわがままに思われてしまいます。

困った時の伝達を、全て支援機関に依存している

地域の就労支援センターや就労移行支援事業所の支援を受けながら働いている方もいるのではないでしょうか。もちろん、支援を受けながら働くことで、より安心することができます。職場への助言をしてくれる場合もあるでしょう。

しかし、困ったら全部「支援機関に丸投げ」というようではいけません。常に困った時は職場を経由せず支援機関に代弁してもらう…では、いつまでも職場からの理解は得られません。

配慮と依存を間違えないことが大事

このように最も「わがまま」と思われやすい行動・言動は、「全て相手(職場)任せにしている」ケースです。

あくまでも企業の配慮は、あなたが楽をするための仕組みではありません。それでは会社への「依存」になってしまいます。

ですから障害者雇用だからといって、全て他人任せでよいわけではありません。企業の戦力として自分のできることをしていかなければいけないことは、どの社員も同じなのです。その戦力となるうえで障害となるものを緩和するために「配慮」があります。

それでは、職場から理解を受け、信頼されるためにはどのような伝え方が良いのでしょうか。

職場から信頼されるための、発達障害の伝え方

障害特徴や要望は具体的に。対処方法も伝える

上の言い方を、実際に対処へと移しやすい具体的な言葉に変えてみましょう。

「仕事を覚えるのが苦手です」を、
「一度に2つ以上の業務を覚えようとすると、混乱してしまいます。まず指示を一つに絞ってお伝えくださると助かります」に、

「うまく指示を理解することができません」を
「口頭での指示ですとうまく聞き取れないことがあります。ですから書面やメールで指示をいただけると理解しやすいです」
にしてみましょう。

どうでしょうか?どちらが対処のイメージが浮かびやすいですか?「具体的に」とは、相手の動き方までを説明することです。さらには対処を行うことで自分がどうなるのかも伝えると効果的です。

配慮に関して、常に感謝の気持ちを持つ

つい、障害を持っていない周囲の方を「完璧な人」として見ていませんか?周囲の社員の方も同じ人間です。できないことや苦手なこと、悩むこともあります。さらには個々に仕事を任せられているわけです。その中であなたへの配慮も考えています。

ですから受けた配慮があなたの要望通りのものでなかったとしても、感謝の気持ちを持つようにしましょう。

また配慮が不十分であることが多い場合、あなたの伝え方が足りないことも考えましょう。もう一度伝えたことを見直して、上司と相談していくことが大切です。

支援機関のみでなく、自分で意思を伝えることも必要

支援機関は確かにあなたの特徴や要望を「正確な情報」として職場に伝えてくれるかもしれません。しかしそれだけではあなたがどれくらい困っているのか、「温度」が伝わらないのです。

ですから、「自分の言いたいことは全て支援機関に代弁してもらおう」ということはいけません。これから勤めていく職場を避けているようでは、長く働くことは難しいでしょう。

ですからあなたの意思として、あなた自身が職場に伝えていかなければなりません。その中で不足している情報をサポートするために支援機関があることを忘れないでください。

もし、相談の仕方が分からないのであれば下記の関連記事を参考にしてみてください。

関連記事:【大人のADHD】仕事で辛い悩みを相談できない…原因と打開策4つ
関連記事:【ASD・アスペルガー】悩み事を相談できない…きっかけの作り方4つ

要望と配慮が噛み合わない時は、環境とマッチしていないのかも

今回は、「職場に正確に伝えていくことで、正しい配慮を受ける方法」についてお伝えしてきました。しかしながら、このような取り組みをしても正しい配慮が受けられない場合も考えられます。その時は、職場環境とあなたがマッチしていないのかもしれません。

その場合は、「カスタマイズ就業」でそれまで「カバーされるべきもの」であった個性を、「活かすもの」としていくことで解決できるかもしれません。

カスタマイズ就業についてはこちらの記事を参考にしてみてください。興味がありましたら、ぜひSalad編集部までお問い合わせください。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

配慮やサポートは、待つことで受けられるものではありません。あなたが成長したいと歩んでいる先に存在するものです。

もし「わがまま」だと言われるようなことがあれば、上司と相談しながら配慮について見直してみましょう。

【筆者紹介】
Salad編集部員。30代男性。広汎性発達障害、ASD(自閉症スペクトラム)の診断を受けている。普通に指示通り努力していることで、周囲の同僚から「支配者」と呼ばれるようになった。このままでは自分を活かせないと判断し、強みを活かす働き方に転換した。

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