【発達障害】聞いて理解することが苦手…言語理解が低いときの対処法

耳から聞いて理解できない…

頑張っていても、話を理解することができない

仕事中、上司や先輩の指示を理解できなくて困ってはいませんか?

一生懸命仕事を覚えようとして何度も聞いてはみるけれど、後で見るメモが散々…とうんざりしてしまうことがあるのではないでしょうか。

「話を聞いていない」と指摘されてしまう

聞く姿勢はあるのに、結果的に聞き取れていないことで、
「人の話を聞いていない」
「ちゃんとに話を聞きなさい!」
「それは前にも話したでしょ!」

などと周囲の評価を下げてしまうのは残念なことです。

実は、これには発達障害により、「言語理解」が低い(偏りがある)のかもしれません。

発達障害の感覚の偏り「言語理解」が低い影響かも

言語理解とは

言語理解(VC)とは、言葉そのものを覚えることではありません。言葉から関連した情報や、自分が持つ言葉の知識でもって適応させていくことをいいます。

分かりやすく説明すると、「耳から聞いた情報を活用・応用する」ことです。

聞いたことをうまく理解・処理ができない場合、この「言語理解」が低いのかもしれません。どのような人でも得意な感覚と苦手な感覚が存在しますが、発達障害を持つ方の場合はこの凹凸が激しく、苦労しやすいことが多いのです。

言語理解は知能検査で分かる

この言語理解の度合いなど、感覚の偏りについては「知能検査」で判別することができます。言語理解が低いからと言って「言葉を理解していない」「頭が悪い」ということには直結しません。

知能検査は主に臨床心理士とともに行います。言語理解のほかに知覚統合(目から情報を処理する)、作動記憶などを確認することができます。

発達障害の診断の際に、補助的な役割として知能検査(WAIS)を扱う医療機関もあります。

では、言語理解が低い場合に現れるのはどのようなものなのでしょうか。

言語理解が低いとどうなる?

相手の話し言葉を理解できない

言語理解が低い場合、相手の話し言葉をうまく聞き取れないことが多くなります。聞き漏れることはなくても、聞いたものがどのような意図なのか要点を理解できないことに苦労しやすいです。

自分の意思を言葉で表現するのが苦手

言葉を受け取ることが苦手なことに加え、自分の意思を言葉にして表すのが苦手なケースがあります。

確かに意思や感情として存在するのに、漠然としたものを人に伝わる形に変えられないことで、ストレスをためるケースもあるのではないでしょうか。

言葉を使って考えるのが苦手

したがって物事を考えるときも、言葉を使って考えることが苦手なことが多いです。場合によっては、文章などの「目から入る言葉」の処理も苦手な場合があります。

このような特徴を持つ場合、職場ではどのようなことに苦労するでしょうか。

言語理解が低いときの職場での困難例

対話での指示や会話の意味を理解ができない

上司などから指示を受けても、正確に理解できないことで苦労しやすいです。メモをとっても後で見たときに分からないのは、言葉をうまくメモに変換できないことから来ています。電話対応などが苦手なのも、言語理解の低さの影響が大きいです。

これにより、周囲から「人の話を聞かない」「聞く気がない」と誤解されやすいです。

間違った意味で言葉を使うことがある

周囲から見ると「無理をして難しい言葉を使っている」ように見えたり、言葉を間違った意味として使ったりするケースがあります。

相手との会話で「えっ!?それってそんな意味だった?」と言われたことはありませんか?

文章を整理することが苦手

また、文章を整理することが苦手です。「メモをうまく取れない」、「メールなどの文面の構成がうまくできない」などの苦労を感じやすいです。

自分の意思をうまく言葉にできない

もっとも仕事で苦労するポイントです。これが苦手であることで、仕事上の報連相(報告・連絡・相談)すべてに関係してきます。

特に「相談」は自分の意思なので、自分で話さない限り誰も知ることができません。確かにあるのにうまく言えないことで、辛い思いをしてしまうのです。

ではこのような「言葉を(聞いて)理解する」場面が多い時、どのような対象をすればよいのでしょうか。

聞いて理解することが苦手なときの対処法

コミュニケーションではできる限り、視覚情報を活用する

可能な限り、メールや文書などの視覚情報を活用しましょう。言語理解が低いと文章を理解することにも苦労しやすいとお伝えしました。これが会話の場合、すぐに考えないといけないことが多く、言った後に訂正することもできません。

反対に、同じ言葉のやり取りでもメールや文書であれば、ゆっくりと見直せるゆとりがあります。素早い判断をすることも少ないので、負担がありません。

上司とよく相談をして、負担のないコミュニケーション方法を考えていきましょう。参考として、下記の関連記事も参考にしてみてください。

関連記事:【発達障害・体験談】会話が聞き取れない・苦手な時に訓練したこと
関連記事:【発達障害・体験談】仕事を覚えられない時のメモ、覚え方の改善法

報連相は書面と口頭を組み合わせて行う

報連相において、口頭だけ・書面やメールだけでは誤解や伝わり切れない事態を起こすかもしれません。そのため、書面と口頭の「2種類」の伝達方法で意思の疎通を図るようにしましょう。

書面で伝わり切れない部分を口頭で補足することができ、口頭で説明しきれない部分を文書で補うこともできるのです。

関連記事:【ADHD】会話による「報連相」ができないときの改善のコツ5つ
関連記事:【発達障害】説明が下手で伝わらないときの、説明力改善のヒント4つ

大切なことの要点を明確にしてもらう

上司と相談して、指示を受けるときは「ここは確実に理解してほしい」という要点を明確にしてもらえるようにお願いしましょう。

「曖昧な表現を避けてもらう」「最初に要件を言ってもらうなどをお願いする」ことで、大きな解釈の「ズレ」を防ぐことができます。

辛いときの自分なりのサインを伝えておく

辛い時には上司に伝えることが最良の方法のひとつです。しかし、その辛さを言葉にできないことで苦しんでいることがあるのではないでしょうか。

この場合上司と相談して、「辛い時のサイン」を決めておくとよいでしょう。言葉以外の方法でシグナルを出すということです。パソコンに決まった色の付せんを貼るなど、様々な方法があります。これは筆者の事例ですが、辛い時はネクタイの色を赤にすることを当時の上司と約束していました。

反対に言語理解が高いとどうなるの?

ここまで「言語理解が低い場合」についてお伝えしてきました。しかし発達障害を持つ方が全員、言語理解が低いというわけではありません。

言語理解が高い場合、
○言葉を覚えることが得意。
○音楽を聞いたときなど、歌詞を覚えることが得意。その他リスニングによる理解や記憶が得意。
○細かいところに気づきやすい。特に話し言葉での間違い、違和感に気づきやすい。

などがあります。

まとめ

【言語理解に苦しんでいたら、テレワークがおすすめ】
いかがでしたでしょうか。

人から聞いた話を理解することができない…そんな悩みに苦しんでいたら、テレワークを検討してみるのも対処法の一つです。

テレワークは、情報通信技術を用いて主に「視覚」でやり取りをしていきます。とっさに言葉を理解して返答するということも少ないです。

「聞いて理解することができない」という環境を見直してみることで、個性を活かす働き方に辿り着けるかもしれません。

もし、自分の働き方について悩んでいることがあればSalad編集部までご相談ください。

【筆者紹介】
Salad編集部員。30代男性。広汎性発達障害、ASD(自閉症スペクトラム)の診断を受けている。言語理解は低く、電話対応や言葉だけの会話の意味を受け取るのが苦手。

この記事をシェアしましょう!