アスペルガーは真剣な話を笑う?相手の意図がわからない時の対策とは

話の真剣さに気付かず、笑うときがある

会話の『温度』をつかむのが苦手

アスペルガーは、現在は「ASD(自閉症スペクトラム)」という名称で診断されています。

会話の中での相手の雰囲気など、空気が読めない特性で苦労することが多いです。

そのため、会話の中で大切な「温度」をつかむことも苦手なのではないでしょうか。

冗談や皮肉がわからず、真に受けやすい

アスペルガー(ASD)を持つ方は、実際に目の前に『言葉』として見えているもの以外をうまく捉えることができません。これは形として見えにくい曖昧な物事への判断が苦手な特性から来ています。

ですから言葉とは違う意図を表現する際に使われやすい『冗談』『皮肉』が理解できないことも多いです。

『なんと素晴らしいお考えなこと!』と皮肉で言われたのに、『ありがとうございます!』と喜んで返してしまうケースなどがあります。

また、冗談で言ったことでも真剣に捉えられてしまうなどのケースがあり、相手にからかわれた経験もあるのではないでしょうか。

反対に、真剣な話を笑ってしまうときがある

こうして相手の話の『温度』が分からないことは、真剣な話をしている時にも支障がある場合があります。相手が真剣な話をしているのに、「冗談だろう」と捉えてしまうということです。そのため真剣な話を笑ってしまうケースも出てきます。

この影響で大切な指示を覚えていなかったり、その場で失礼な対応をしてしまったりなどをしてしまう可能性も出てくるのです。

会話の温度は、コミュニケーションにおいて最重要なポイント

相手の気持ちや意思の強さが、『温度』に出る

そもそも会話の『温度』とは、話している人の
・感情の強弱
・真剣さ
・重要度(受け止めてほしいか、聞き逃してもよいことかどうか)

をいいます。

『温度』とは、最もアスペルガーを持つ方にとって難しい『曖昧なもの』なのです。

話の温度がつかめないことが、『空気を読めない』につながりやすい

しかし話の「温度」が分からないことは、話の内容をとらえられないことより危険なケースもあります。

そもそも「聞き流してもよい」冗談などを、真剣に捉えてもそれほど大きな支障にはなりません。反対に、相手が真剣に話しているのにもかかわらず「冗談」だと思ってしまうことは問題になりやすいです。

相手が「受けてほしい」と思って話した言葉を流してしまうことで、相手に不満を持たれてしまいます。

このような「温度の食い違い」が多いことが、空気が読めないと思われやすいポイントのひとつです。

みんなは話の『温度』をどう判断しているの?

まず周囲の空気を読みながら関わっている人たちは、どのように「話の温度」を測っているのでしょうか。

どう受け止めてもらいたいか、表情や語気から真剣さを読み取る

相手が真剣な話をしている時、「これは真剣なのかな」という雰囲気を読み取ります。しかし、中にはストレートな表現をしない方もいるでしょう。にやにや笑いながら真剣な話をしたり、反対に漫才などの「ボケ」のように真剣な顔をして冗談を言う方もいます。

温度を使うことができる方は、これらを相手の表情や言葉の強さなどから読み取っているのです。

前後の状況や感情を理解したうえで判断する

もしも、相手があなたの名前を間違えて呼んできたらどう思いますか?

例えば、
ケースA:あなたのことをよく知っている人が、突然名前を間違えて呼んだ場合
ケースB:あなたのことを知らない人・初対面の人が名前を間違えて呼んできた場合

の2種類のケースがあったとしましょう。

ケースAは、あなたの名前を知りながら間違えています。ケースBはあなたの名前を知らない可能性が高いです。そのためケースAを「冗談で呼んだのかな?」と判断します。ケースBは「本当に間違えた」と判断するべきケースが多いでしょう。

上のケースは分かりやすいケースです。しかしこれをあらゆる場面においても「それまでにあった状況を踏まえて判断する」ことで、話の温度をつかんでいるのです。

どんなときにどんな話し方をするか。相手の傾向を知っている

先ほど触れたように、「真剣な顔をして冗談を言う」「ふざけた顔をして真剣なことを言う」など、真意と異なる表現をする「捻くれた表現」をする方もいるでしょう。

空気を読んで関わっている人の場合、このような「その人の傾向・特徴」をとらえて相手の話の温度を測るという方法をとっているのです。

対話以外の物事から、相手の意図をつかむのは難しい

このように、「空気を読む」人たちは様々な情報を受け取って相手の意図を理解しようとしています。

…しかし、こんなこと難しすぎてできないと感じる方もいるのではないでしょうか。

ただ、諦めるのはまだ早いかもしれませんよ。対策をお伝えしますので、試してみてください。

【アスペルガー】話の意図がわからない時の対策

①真剣な話や大切な指示は、決められた機会の中で話すよう依頼する

大切な話に関しては、正確に捉える必要があります。分かりやすい方法として、「真剣な話をするときのシチュエーションを決めてもらう」ことです。

例としては、
○真剣な話をするときの場所を決めてもらう(会議室や相談スペースなどに移動する、など)
○定期的に相談する機会の時に、真剣な話や大切な指示をしてもらう
○重要な指示は、何度も読み返せるようにメールで送ってもらう

など、「これは真剣なのかどうか」と迷わないように、決められた機会の中で話せるように調整しましょう。

②直前の状況までを振り返ってみる

とはいえ、突然大切な話をする必要がある場面も出てきます。その際には、突発的に真剣な話や重要な指示をしてくる場合も考えられるでしょう。

この場合は、話している相手との「思い出」を振り返ってみることです。直前の状況までに何があったかなどを思い出してみることで、相手の意図のヒントが見えてくるケースがあります。

会話は両者の努力で成り立つ

必ずしも自分のせいとは限らない

ここまでは「相手の意図をいかに正確につかむか」方法をお伝えしてきました。しかし、中には「相手に伝えるため」の会話であるにもかかわらず、わかりにくい表現を好む人がいます。

分かりやすく言えば「受け取るあなたのせいではなく、話し方がわかりにくいせい」というケースもあるということです。

他者を振り回す話し方をする人もいる

このような分かりにくい表現をすることで、他者を振り回す人もいます。この場合、どんなに空気を読む力があっても意図をつかむことは難しいでしょう。

相手に伝わりにくいように話すことを好む場合、それは仕事上の「会話のマナー」ができていないだけかもしれません。このような方が職場にいたら、すぐに上司に相談してみましょう。相談の際には、こちらも参考にしてみてください。

問題の相手が上司であった場合は、就労移行支援事業所や地域の就労支援センターなどに相談してみましょう。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

日本は、ストレートな表現を好まない傾向にあります。現代になって変化はしてきているものの、その「奥ゆかしさ」が日本文化の素晴らしさでもあるのです。

とはいえ、このような複雑なコミュニケーションに囲まれていると適応障害になってしまうこともあるでしょう。

ですから「みんなが何を考えているかがわからない…」「意思の疎通が取りにくい…」という場合は、『カスタマイズ就業』で、自然体で意思の疎通ができる環境を求める機会かもしれません。

詳しくは、Salad編集部までご相談ください。

【筆者紹介】
Salad編集部員。30代男性。広汎性発達障害、ASD(自閉症スペクトラム)の診断を受ける。本当は怒っているのに「怒っていない」という女性の言葉の温度を理解するのに苦労している。そのためか、職場で精神的不安になる対象はいつも「女性」である。このような複雑なやり取りをなくす目的もあり、テレワークに転向した。

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