アスペルガーと場面緘黙症の共通点、違いとは?併発の危険もある!

うまく話すことができず、困っている

職場でうまく話せない…

職場での会話に苦労することはありませんか?『自分の言っていることが相手に通じない』『相手の言っていることが理解できない』など、さまざまな困難が存在します。さらには話そうとすると緊張して何も話せない、対人緊張が激しい方もいるのではないでしょうか。

『話せない条件』により、原因が異なる

この『緊張して人と話すことができない』困難には、さまざまな原因が考えられます。

その候補として、
ASD(自閉症スペクトラム)※アスペルガーも、このASDに含まれます。
場面緘黙症(ばめんかんもくしょう。選択性緘黙とも呼ばれる)

の2つが挙げられます。

今回はこの2つの症状の共通点・違いをご紹介していきます。自分の状態を正しく把握し、早期対処できるように心がけましょう。

アスペルガーと場面緘黙症の共通点

仕事で必要なことや報告事項があっても話せないことがある

どちらも「話すべきことを求められているのに、話すことができない」点で共通しています。自分に自信がなく、人と向き合うことを怖れているケースが多いでしょう。

対話するとき、相手を直視できない

それでも相手から話しかけてきたときや、決まったタイミングなどで話す機会が考えられます。そのようなときも相手を見て話すことができない点が共通している点でしょう。

関連記事:【アスペルガー】目を合わせないから誤解される…職場での対処法は?

電話応対に混乱しやすい

電話応対は、いつ対話の機会が来るか分かりません。突然緊張のタイミングが来る『電話』そのものが苦手で混乱しやすいことも共通しています。

対人不安、対人緊張が激しい

コミュニケーションが苦手で、人に対する不安や緊張が激しいことも共通している点の一つです。

関連記事:アスペルガーは緊張しやすい…対人緊張の原因と緩和させる工夫とは?

適切な対処をするには、特徴の違いを知る必要がある

職場で緊張している状態で居続けることは、心身に大きな負担をかけ続けることになります。この問題を解消するためには、まず2つの症状の違いを知り、適切な対処をしなければなりません。

場面緘黙症であれば「疾患」として治療する必要が出てきます。アスペルガー(ASD)は「障害」として、苦手なことや活かし方を身につけ「改善」させていくものです。

このように似ているようで、対処の方法が全く変わってきます。そのためにも、2つの違いを明確にしておくことが重要なのです。

【場面緘黙症】アスペルガーとの違い

場所により話せるかどうかが変わる

場面緘黙症とアスペルガーの大きな違いは、「場所によって通常通り話せることができるかどうか」です。

場面緘黙症は、あくまでも「特定の場所や場面に限って話せなくなる」疾患です。したがって家庭や気を許した友人関係など、プレッシャーのない場面では問題なく話すことができます。

アスペルガーの場合、場所によって話し方への意識や思考が変化するということはありません。比較的苦手な「業務」や「人」と対面するときの方が緊張に変化があることが多いです。

相手の話の理解に悩むケースは少ない

場面緘黙症は、特定の場所にのみ強い緊張を伴う疾患です。そのため相手の話を聞くことや、相手に意思を伝えることそのものに関して困っているケースは少ないでしょう。

口頭だけでなく、相手への意思表示全般ができない

アスペルガーを持つ方の場合、意思表示そのものには抵抗を感じていません。会話の中での食い違いや聞き取りができないことなどに煩わしさを感じるケースはあります。しかし、それでも文書や身ぶり手振りで伝えられればそれでよいと感じていることが多いのです。コミュニケーション方法も双方で了解していれば、問題なくとることもできるでしょう。

一方場面緘黙症の場合、自分の意思を外に出すこと自体に抵抗を感じやすいのです。「話している自分を見られたくない」「自分の話し声を聞かれたくない」など、意思表示をしている自分に注目されることを拒みます。

コミュニーションに関してどういうことを不快に感じているか。ここを明らかにすることも重要です。

他者への関心や共感がないとは限らない

アスペルガーの場合、他者への共感性が薄い場合があります。ですから一人でいることにも寂しさや困難を感じないケースも出てくるでしょう。

一見場面緘黙症も「話す気がない」ように見られがちです。しかし、必ずしも「他者への関心や共感することがない」ということではありません。むしろ周囲とも関わりたいのになぜか声を発して関わり事ができないことで苦労してしまうのです。

アスペルガーは、場面緘黙症を併発することがある

発症の原因は、対人不安の強さから

場面緘黙症を発症する原因は「対人コミュニケーションへの不安・自信のなさ」と考えられています。そのため、コミュニケーションが苦手で誤解されやすいアスペルガーも対人不安が強いケースが多いのです。

過去の体験を引きずりやすく、場面緘黙症につながりやすい

また、アスペルガーを持つ方は過去の体験を処理する(忘れる)ことが苦手です。関連する・類似した物事が起きるたびに、思い出して落ち込むこともあります。

このような思考の積み重ねから「話しかけられない」という考えになるリスクが高いです。

そのため、アスペルガーと場面緘黙症を両方併せ持つというケースがあることを覚えておきましょう。少しでも「おかしいな」と感じたら、かかりつけの医療機関に相談してみることが必要です。

他者とのやり取りや関わりに悩んだら、テレワークも検討してみよう

場面緘黙症は、主に学校や職場で発症するケースが多いとされています。そのため、『職場』を強く意識することで「スイッチ」が入ってしまうのではないでしょうか。

どうしても問題が解決しない、治療に長い期間がかかりそうなときは「テレワーク」に検討してみることも対策の一つです。

テレワークは、主に自宅で業務を行います。職場の方とのやり取りは通信技術(メール・チャットなど)を用いますから、『職場だ』と意識するタイミングが少ないのです。そのような意味でも、不安が少ない環境で仕事ができる手段の一つなのではないでしょうか。

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詳しくは、Salad編集部までお問い合わせください。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

頑張って話そうとしているのに話せないことで「嫌っているのか」「無視しているのか」と誤解された思いをされてきたことがあるのではないでしょうか。

話せないことが、あなたのせいではないのかもしれないのです。一度医療機関の診察を受け、医師と相談してみましょう。

【筆者紹介】
Salad編集部員。30代男性。広汎性発達障害、ASD(自閉症スペクトラム)の診断を受けている。中学時代に、強い対人不安を経験したことがある。

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