アスペルガー・ASDは、こだわりが強い特徴がある
日本特有のやり取りに苦労しやすい
アスペルガーと呼ばれる障害は、現在はASD(自閉症スペクトラム)という名称に統合されています。
困難に感じやすい特性として、「暗黙の了解が理解できない」、「空気が読めない」など、日本特有の「察するやり取り」に苦労しやすいです。
特定の物事に関してのこだわりが強い
しかしながら、「スキル」として活きる特性もあります。
その一つが「こだわりの強さ」です。
他の方が辛くなって挫折してしまうようなことでも、興味関心がある限りどこまでも追求できる強さがあります。
反対に関心のないことには徹底してこだわらない一面もあり、ムラが強い問題があります。しかしながら、このこだわりの強さは活かし方次第で社会に大きく貢献する力にもなり得ます。
今回は、アスペルガー(ASD)を持つ方の特性
○こだわりの強い特性のメリット
○反対にこだわりが強いことでデメリットはどんなところか
についてお伝えします。
【ASD】こだわりが強い特性のメリット
物事を追求する力があり、継続することができる
こだわりの強さは、物事への探求心につながりやすいです。他の方が「やらなければいけない」と義務として努力するようなことでも、ASDを持つ方は「やりたい」という権利や願望として取り組めるのです。
本人が望んでいることとして無理なく取り組めるため、自然と継続させることもできます。
無理して取組んでいるのとそうでないものとの成果の差は、歴然です。
高いレベルまで到達するチャンスをつかみやすい
ASDを持つ方のこだわりは、誰も到達できないような高いレベルまで届くチャンスをつかみやすいです。
より上達するには、より知識を得るためにはどうすればよいか。成長することを純粋に求める力強さで、大きな成果をつかめる可能性があります。
失敗や挫折を乗り越える強さがある
本人の意思で無理なく継続しているため、失敗や挫折があっても諦めることが少ないです。むしろ、こだわっているために「諦め方が分からない」という表現の方が適切かもしれません。
当事者でない方からすれば喉から手が出るほど欲しいメンタルの強さを、ASDを持つ方の「こだわりの力」は持っています。
こだわりの強さは、このようなメリットがあります。しかしその反面、デメリットも存在します。
こだわりが強い特性のデメリット
周囲の理解や同意を得るのが難しい
先ほど「こだわりの強さは誰も到達できない高いレベルまで到達する」とお話ししました。
しかし、こだわりの強さは良くも悪くも周囲との「距離感」を生みやすいのです。
そのため、周囲から理解されにくく「偏屈」「空気を読まない」などを言われやすいデメリットがあります。
近寄りがたく、孤立しやすい
周囲から「怖い人」「頑固」と言われたことはありませんか?
こだわりが強いことは、意志が強いということです。誰もがそのような強い意志で仕事などに取り組んでいるとは限りません。
そのため、こだわりの強い「意志」に圧倒されてしまう人もいます。さらには意識の高さから、他者への言葉がきつくなってしまっていることもあります。
これらの事情により、周囲から敬遠されやすく寂しい思いをされている方もいるのではないでしょうか。
考え方が合わない人と衝突しやすい
こだわりがなければ違う考えにも柔軟に対応しやすいです。しかし、こだわりが強ければそうはいきません。譲れないものが多いだけに、周囲との衝突になる可能性も高くなります。
また、話し合いが苦手であることから、コミュニケーションを避けてしまいがちです。そのため、完全に孤立してしまうリスクを持っています。
参考:発達障害24歳男性と「会話」が成立しないワケ | ボクらは「貧困強制社会」を生きている | 東洋経済オンライン | 経済ニュースの新基準
環境や状況によっては、尊敬の対象にもなりうる
こだわりの強さは、「『良くも悪くも』周囲との距離感を生みやすい」とお話ししました。悪いバージョンが「偏屈」「頑固」「孤立」であるなら、良いバージョンは何なのでしょうか?
それは、「尊敬」「信頼」です。
「あの人なら何とかしてくれる」「あの人ならきっとできる」という『周囲の希望』に慣れる可能性もあります。
この「良いバージョン」をより多く呼び込むには、あなたのこだわりを求めてくれる環境である必要があります。
こだわりを求めている環境を探そう
では、その「こだわりを求めてくれる環境」を探す方法はあるのでしょうか。
そのヒントとなるのが「カスタマイズ就業」です。
カスタマイズ就業は障害や特性を持つ個性を活かして仕事をする、新しい働き方です。いまどう頑張っても取り除けない悩みが、誰もが求める能力の源になる可能性もあるのです。
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まとめ
いかがでしたでしょうか。
ASDを持つ方の持つ特性「臨機応変な対応ができない」「こだわりが強い」の2つは、周囲と柔軟なかかわり方ができない『弱み』として見られがちです。
しかし、考え方を変えれば「夢や大きな目的を果たすのに、余計な道が少ない」ということではないでしょうか。
その場その場でやり方を変えない分、「寄り道」もありません。そして先を行く動力源は「こだわり」です。
今「どうしてうまくいかないんだろう…」と悩んでいませんか?このように考え方次第で大きく事態は変わるということを覚えておいてください。