発達障害の特性上、職場でストレスがたまりやすい。
発達障害を持つ方は、ストレスになる要素に直面しやすい
法律も改正され、発達障害を持つ方の社会進出が進んでいます。しかし職場でのあらゆる困難さへのストレスから、体調を崩し離職する方も多くいます。
環境や対人関係、仕事を覚えられないなど・・辛い思いをされている方が多いのではないでしょうか?発達障害を持つ方は、特性上あらゆる環境に適応することに労力を使います。そのため障害を持たない方より、ストレスをためる要素に直面しやすいです。
参考:発達障害|病名から知る|こころの病気を知る|メンタルヘルス|厚生労働省
参考:障害者職業総合センター研究部門 障害者の就業状況等に関する調査研究(平成29年)
参考:平成28年4月(一部公布日又は平成30年4月)より、改正障害者雇用促進法が施行されました。
発達障害を持つ方が職場で感じやすい「6つのストレス」
それでは、なぜ職場でストレスを感じやすいのか。種類ごとに見ていきましょう。
1)自分のルールと合わない「怒り」
【ルール違反!許さない!!】
どんな方でも育ってきた環境や性格などによって、「自分ルール」ができます。発達障害を持つ方は障害を持たない方と比べ、顕著に現れやすいです。
障害を持たない方であれば、他者との違いに折り合いをつけ、受け入れられることもあります。しかし発達障害を持つ方は、この「折り合い」を付けることが苦手です。そのため「許せない」と感じやすく、怒りとしてストレスが溜まってしまいます。
2)話が通じない「もどかしさ」
【話し方が悪くて通じないんだ・・・】
発達障害を持つ方は、他者とコミュニケーションの感覚がずれてしまうことが多いです。さらに「通じない原因はすべて自分にあるのではないか」と悩みやすいです。これによりどうすれば話が通じるのか、分からないもどかしさがストレスになります。
3)気を付けていてもできない自分を「責める」
【どうしてできないんだ・・】
障害の特性上、同じミスを何度もしてしまう方や、作業のスピードが遅くなってしまう方がいます。自分でできないことを自覚していて、悔しい気持ちがストレスになります。
4)叱責を受けたことでの「ショック・恐怖」
【怒られた…。また怒られたらどうしよう・・】
仕事でミスをすれば、注意を受けます。さらには叱責を受けることもあります。発達障害を持つ方は、「怒られた」という感情のインパクトを強く受けてしまいがちです。これにより、叱責の内容よりも、ショックや恐怖感だけが残り、ストレスになりやすいです。
5)周りに合わせようとし過ぎる「締め付け」
【みんなに好かれなきゃだめだ・・、みんなに合わせなきゃ・・】
発達障害を持つ方の中には、過去に何らかの「周囲とのズレ」を経験している方もいます。この場合同じ体験をしたくないために、「周りに合わせないといけない」と抑えつけようとします。自分を締め付け続けることで、ストレスをためてしまいます。
6)ストレスが呼ぶストレス
【何か分からないけどイライラする、不安になる・・】
ストレスがたまってくると、辛くなります。辛いという状況が、また新たにストレスを生んでしまいます。
このストレスの中に心当たりはありましたか?このようなストレスをため続けてしまうと、以下のような二次障害を招くおそれがあります。
職場でストレスがたまり過ぎると、二次障害のリスクが高くなる
ストレスをため続けていくと、心身に負担がかかります。ひどくなるとうつ病やパニック障害などの二次障害を発症する可能性が高くなります。大きく体調を崩し、あなたの仕事はもちろん日常生活にまで影響を及ぼす可能性があります。
関連記事:発達障害の二次障害ってどんなものがあるの?事前にできる予防法は?
「そう言われても、自分ではどうにもできない・・」と感じていませんか?そんな方のために、ストレスを感じにくくするための改善法を紹介します。
発達障害を持つ方のための、職場で起きるストレス改善法
1)なぜ、ストレスを感じているのか振り返る
全てのストレスにおいて、改善のスタートは「なぜ、そう感じるのか」「なぜ、そうなるのか」と考えることです。このようなストレスは意識する前に感じてしまう「自動思考」が影響しています。
そのため、あなたがストレスを感じた時、「意識せずすぐに感じたこと」を振り返ってみてください。振り返り方として、6つのストレスごとに例を挙げてみました。
※6つのストレスに対しての振り返り方例
【自分のルールと合わない「怒り」には】
・・・「そもそもどうして許せないのだろう?」
【話が通じない「もどかしさ」には】
・・・「そもそもどうして通じないと感じるのだろう?」
【気を付けてもできない自分を「責める気持ち」には】
・・・「どうして自分はダメなんだと思うのだろう?」
【叱責を受けたことでの「ショック・恐怖」には】
・・・「どうして怒られたのだろう?」
【周りに合わせようとし過ぎる「締め付け」には】
・・・「そもそもどうして周りに合わせないといけないのかな?」「どうしてみんなに好かれないといけないのかな?」
【ストレスが呼ぶストレスには】
・・・「そもそもどうしてストレスがたまっているのかな?」
とそれぞれ意識することで、あなたが感じているストレスを少し離れた距離から見ることができます。
ひとりでは感情を整理できない・・という方は、就労移行支援事業所などの支援機関に相談してみましょう。思いを話していくことで、ストレスのもとが何なのかを整理できるかも知れません。
もし、相談先に迷った場合はこの後の案内「障害を持つ方へ。『Salad』が強みを活かす就職のサポートをします」をご覧ください。
関連記事:発達障害を持つ方が「白黒思考」に苦しむのはなぜ?職場での予防法
2)ストレスの原因が分かったら、該当する行動を改善する
これらのストレスの原因が分かったら、該当する行動を変えてみましょう。例えばイライラする場合は、「自分のルールに当てはまるのは自分だけ」と意識することで怒りを感じにくくなり、ストレスが軽減されます。
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まとめ
いかがでしたでしょうか。
ストレスには様々な種類があります。あなたの健康を保つために今感じているストレスの種類を知り、なぜそう『思う』のかを『考えて』みましょう。あなたの気持ちを客観視することで、気持ちが楽になります。