大人の発達障害を持つ方が、職場で劣等感を持ったときの対処法

発達障害を持つ方にも必ず良さがある。劣等感を克服して、成長を感じ続けよう

1)障害を持つ方の多くは、現状の職場環境に満足していない。

障害を持つ方の職場定着が難しいことが問題になっています。その原因の一つが「現状の職場環境に満足していない」方が非常に多いことです。

障害者雇用で勤務している方のうち、「仕事環境」「仕事内容」に満足していると感じている方は3割弱です。さらに「能力・実績に対する会社からの評価」に満足している方は1割未満でした。障害を持つ方の多くが、自分の力を発揮できずに悩んでいるのではないでしょうか。

参照:障害者雇用の現状等 – 厚生労働省
参照:障害者職業総合センター研究部門 発達障害者の職業生活への満足度と職場の実態に関する調査研究(平成27年)

2)発達障害を持つ方は、苦手なことが目立つため評価されにくい。

発達障害を持ちながら、自分の業務に対して努力している方が多いです。

しかし発達障害は、得意・不得意にムラがある分、できないことも目立ちます。障害を持たない、多くの方は凹凸がないミスをしないことを好みます。そのため、「何度も同じミスをする」、「話し方が分かりづらい」など、苦手なところにばかりに注目されがちです。

自分の努力が認められず、「なんて自分はダメな人間なんだ・・」と悩んでいませんか?劣等感を意識すると、自力でストレスを対処することが苦手なため、体調を崩してしまいます。

今回は、そんな劣等感を持っている方への対処法をご紹介します。まずは発達障害を持つ筆者が実際に職場で感じた、劣等感の原因になるケースをご紹介します。

【筆者体験談】発達障害を持つ方が、職場で劣等感の原因になるケース

 

1)周囲の方が簡単にこなせていることが、できない。

〇服薬の影響で手が震えていて、定規を使って真っ直ぐに線を引けなかった。上司に「そんなこともできないのか」と何度も怒られた。
〇話を聞きながら、メモを取ることができない。あとでメモを見ても、意味が分からない。

2)周囲の方とうまくコミュニケーションが取れない。

〇聞いた内容を頭でまとめられないために、「人の話を聞かない」と言われてしまう。
〇「なんとなく辛い・・」など自分の意思が漠然としていて、具体的に伝えられない。
〇一生懸命考えて話したのに、「意味が分からない」と相手に首をかしげられてしまった。
〇真剣に悩んでいるのに、相談をしたら相手に笑われてしまった。

3)自分だけ取り残されている気がする。

〇皆は忙しくしているのに、障害者の自分だけ取り残されている感じがする。
〇他の人と同じように仕事をしたいのに、できない。
〇あわただしい中に入って活躍できない自分が嫌になる。

4)過去の失敗体験と結びつけてしまう。

〇ミスをしたときに、過去に似た失敗を掘り下げて悩んでしまう。ひどいときは「あのときもそうだった」と学生時代まで遡ってしまう。
〇過去に怒られた人に対して、ずっとイメージが残ってしまう。

このような劣等感から体調を崩し、当時勤めていた職場を辞めました。発達障害者の職場定着の難しさを肌で感じました。それでは職場に定着するために、どう劣等感を克服し、体調をキープするのか、対処法をご紹介します。

大人の発達障害を持つ方が、職場で劣等感を持ったときの対処法

1)自分の目標に対する着眼点をかえる。

目標を高く持つことは大切です。しかし現状のあなたと目標に大きな差を感じると、劣等感を持ちやすいです。

分かりやすく説明すると、100点を目標にしていると、85点でも「ダメだった」と思います。しかし目標を下げて70点を目標にしていれば、85点なら「15点分成長できた」となります。

着眼点を変えるということです。100点と比較するのではなく、常に他人ではなく「過去の自分」と比べてみましょう。成長を感じ続けていれば、必ずあなただけの「個性」になります。

2)支援機関に相談して、コミュニケーションの確認をする。

発達障害を持つ方はコミュニケーションが苦手な方が多いです。

しかしながら、コミュニケーションに問題があった場合、どちら一方のみが悪いということはありません。もし何かひどいことを言われた時、自分の意思を相手にうまく伝わらない時は地域の就労支援センターや就労移行支援事業所に相談してみましょう。第三者の目でコミュニケーションを確認してもらうことは大切です。

もし相談先に迷うのであれば、Salad編集部にご相談ください。

3)医療機関に相談して、あなたの体調を確認する。

劣等感を持ちやすい時は、心身に不調をきたしている可能性があります。

医療機関に相談して、あなたの心の状態を確認してもらいましょう。あなたがなぜ劣等感を持っているのか、健康面からのチェックも必要です。精神的に問題ないと診断されれば、あなたが劣等感を持つ原因が他にある可能性もあります。

4)体が疲れていたら、リフレッシュする。

体が疲れているときは、気持ちが悪い方向に向きやすいです。

発達障害を持つ方は、無意識のうちに沢山のことに気を遣い、疲れています。もし「自分はなんてダメなんだ・・」と劣等感を持った時は、体を休めてリフレッシュしましょう。気持ちを切り替えるには、健康な体が不可欠です。

それでもうまく行かなった場合は、あなたには今の環境が合わないのかも?

「色々試してみたけど、やっぱりうまくいかない・・」という方は、もしかしたら「今の環境があなたに合わない」のかも知れません。自分を生かしきれないことに悩んでいませんか?

今、「カスタマイズ就業」というあなたの強みを会社も求める、新しい働き方が出てきています。興味を持った方はこちらの記事をチェックしてみてください。

まとめ

【何でも完璧にできる人がいないように、何でも完璧にできない人はいない。】
いかがでしたでしょうか。

筆者も分かっていても、ついネガティブに考えてしまいます。ただし、世の中に完璧な人間はいません。完璧がありえないのなら、完璧にできない人間もいないのではないでしょうか。もしあなたが劣等感を持っていて、「全てできない」と感じていたら、それはまだあなたが活躍できる可能性が別にあるということです。

今は辛いかもしれません。しかしこの記事で劣等感を克服して、成長を感じられるきっかけになれれば幸いです。

(筆者紹介)


30代男性。大人になってから発達障害、ASD(自閉症スペクトラム)と診断されている。
公務員として10年間勤務、うつ病を経験し民間企業の障害者枠の事務職として4年間勤務。記事の劣等感を持ったケースは、この公務員時代の体験である。民間企業を退社後、就労移行支援に週5日、一年間通所してトレーニングを続けた。就活の結果、職種を変え、強みを生かせる就職が実現した。

この記事をシェアしましょう!