精神障害は、体調不良のリスクが高い
体調を崩し、離職してしまうリスクが高い
ひとえに精神障害といっても、様々な症状があります。主に
・うつ病(関連記事はこちら)
・双極性障害(関連記事はこちら)
・不安障害(関連記事はこちら)
・パニック障害(関連記事はこちら)
これらのほかにも様々な症状があり、併発しているケースもあります(症状の種類に関しては、こちらの記事を参考にしてください)。このように数多くの種類が存在する精神障害ですが、共通していえることは「体調不良になるリスクが高い」ことではないでしょうか。
参考:精神障害(精神疾患)の特性(代表例)|厚生労働省
参考:昨日まで元気に働いていた精神障がい者がいきなり休職。なぜ?? – STARTNEXT!
精神障害の影響で、体調不良に苦しんだ
筆者もまた、過去にうつ病を経験しています。また、強い不安の影響でパニック障害の症状に苦しんだこともあるのです。今回は、筆者の経験も踏まえながら
・不調を招きやすい考え方とは、どのようなものか
・不調のサインを知るにはどうすればよいのか
・職場にはどのように伝えればよいか
この3点を中心にお伝えしていきます。
参考:働く人の疲労蓄積度セルフチェック(働く人用)|こころの耳:働く人のメンタルヘルス・ポータルサイト(自殺対策を含む)
【精神障害】体調不良のリスクにつながる考え方
「取り戻す」考え方
この「取り戻す」という考え方には、以下のようなケースが考えられます。
・これまで社会で活躍できなかった分を「取り戻す」
・サポートしてくれている分を「取り戻す」
・再就職後、周囲からの評価を「取り戻す」
このように、純粋に目の前の仕事に向き合う以外に抱え込むケースがあるのです。このうちの一つとは限らず、複数を抱えているケースもあります。この意識は就職当初、「やる気・意欲」として良いモチベーションになるときもあるでしょう。しかし「何を基準に取り戻せたのか」明確に知ることができるケースは少ないです。そのため、何としてでも取り戻そうとエスカレートしてしまうリスクがあります。
そうしてどんなに頑張っても失った(と感じている)ものを取り戻せない…こう感じた瞬間に体調を崩してしまうのです。
「申し訳ない」という考え方
上の「取り戻す」にも関係してきますが、「申し訳ない」という言葉をよく使うことがある場合は、常に心に負担がかかっている状態かも知れません。
『自分が障害を持っているから』ということのみで、どことなく申し訳なさを感じていませんか?「迷惑をかけていて、申し訳ない」このような意識が強すぎるあまり、休まないといけないときでも無理をして仕事をしてしまうことにもなりかねません。
「この程度の症状で休むなんて申し訳ない」「この程度のことで『できない』と言うなんて申し訳ない」このように、「申し訳ない」という言葉を自分の内外に向け続けることで負担がかかってしまうことがあるのです。
もしこのような「申し訳ない」という意識に悩んでいたら、こちらの記事「「スティグマ」とは。障害者が持ちやすい思考に要注意!」を参考にして、少しずつ無理をせず自分と向き合えるように心がけてみましょう。
参考:早めに相談しないとキケン!?体調不良時に「申し訳ない」は一旦置いておく!|障がい者(身体障害 発達障害 知的障害)のライフスタイルメディア|Media116
「自分なんてどうなってもいい」という考え方
中には、自分自身を否定的に見てしまっていることがあるかもしれません。このような状況で仕事に向き合うと、以下のようなケースにつながることがあります。
・自分なんてどうなってもいいから、この会社のために全力を尽くしたい
・自分なんてどうなってもいいから、体調を崩してでも成果に貢献したい
・自分なんてどうなってもいいから、無理をしてでも不名誉を解消したい
ちなみに最後の「不名誉」に関しては事実でなく、本人の経験や先入観から思い込んでいるケースが多いです。これも「取り戻す」考え方につながってきますが、「無理をして、はじめて許される存在」と決めつけてしまうリスクを持っていることがあるのです。
このような「自分自身を否定的に見てしまう」ことで悩んでいたら、こちらの記事「セルフエスティームとは。自己肯定感について見直してみよう」をチェックして、意識を変えるきっかけをつかんでいきましょう。
仕事に対する「依存」が、体調不良のリスクを大きくする
筆者もまた、上記の考え方をほぼ全て経験してきました。ひどいときは敢えて自分にひどい言葉を浴びせて、危機的な状態に追い込んでパフォーマンスを上げることもしました。
確かにその方法で成果は上がりました。しかし、そうして仕事をしていることで幸せであったかというと、そうはなりませんでした。上記のように、「取り戻せた」「名誉回復できた」と実感できるものが見つからなかったのです。
それもそのはず、仕事を行う目的は「企業」や「企業で働くスキル」を成長させるためです。自分の人生で抱えている問題解決のために、仕事があるわけではありません。もちろん、仕事を進めていく上でやりがいや学びはあるでしょう。しかし、はじめからその「見返り」を期待して仕事をする「依存」ほど、負担をかけ続けるものはないのではないでしょうか。
不調のサインに気づくには?
体調を崩し長期的に仕事ができない状態を予防するには、早めに不調のサインに気づくことが重要です。もし今不調のサインが分からないというのであれば、以下の項目を意識してみてください。
・ストレスになるもの、ストレスになる言い方や態度
・『仕事OKの時』、『注意した方が良い時』、『体調を崩した時』にそれぞれどうなるか
過去の状況を振り返って、職場に伝えられるように考えてみましょう。振り返りの中で疲れてしまう、ストレスを感じてしまうことがあれば、支援機関や医療機関の方と相談しながら行っていくと良いでしょう。
不調のサインなど、職場に伝えるには?
自分一人では、不調のサインに気づきにくいかもしれません。そのようなときのために職場にも特徴や状態を伝えておくことで、リスクを減らすことにもつながります。ポイントとしては
・どのようなときに体調を崩すか
・体調を崩したきっかけとなるエピソード
・体調不良が進むと、どんな症状が現れるか
・体調不良かなと感じたら、どんな対処をしてもらいたいか
・不調を感じた時に、どんな行動や対処をするか
これらについて職場の上司などに伝えておくようにしましょう。下記の参考リンクのように、職場側もどんなことで不調になるのか分からず、迷っていることが多いのです。そのために、あなたからも特徴や状態を発信していく必要があるのではないでしょうか。
仕事・働き方に悩んでいたら。『Salad』が強みを活かす就職のサポートをします
まとめ
いかがでしたでしょうか。
このように一見「使命感」や「責任感」とも誤解しやすい考え方が、心身に負担をかけていることが多いのです。さらには周囲の考え方ともずれやすいリスクもあり、対人関係でのすれ違いを生むことにもつながりやすいです。
上記の考え方をしやすい分、現在行っていることが何のためになるんだろう…そう不安を感じるかもしれません。しかし働き続けている限り、あなたは必要な存在なのです。ですから負い目を感じる必要はありません。目の前の課題に向けて仕事を行う。これに集中できることこそ、心を軽くする働き方なのではないでしょうか。
【筆者紹介】
Salad編集部員。1980年生まれの男性。ASD(自閉症スペクトラム)の診断を受けており、過去にうつ病を発症した経験がある。現在はストレスの原因を知り、テレワーク業務のある仕事に転職している。