【体験談】睡眠導入剤からの卒薬。うつ発症から服薬卒業までの9年間

【筆者紹介】
Salad編集部員。1980年生まれの男性。ASD(自閉症スペクトラム)の診断を受けており、HSPの傾向も強い。現在は主に自宅で仕事を行う『テレワーク』でもって、記事制作の仕事を行っている。

記事を書いている男性

うつ症状により、睡眠導入剤が処方された

うつ症状によりめまいを起こしている男性

30歳の時に、うつ病を発症した

筆者は30歳の時に、うつ病を発症しました。当時勤めていた職場で感じていたストレスが原因で、

・眠れない、朝スムーズに起きることができない
・めまい
・職場への恐怖感

これらを感じたため、精神科の診察を受けたところ『うつ病』と診断されました。うつ発症の詳細については下記の関連記事で紹介しておりますので、参考にしてください。

関連記事:【体験談】うつ発症から復職まで~30代男性のリハビリ生活4年間
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医師から睡眠導入剤が処方された

うつ病の症状である不眠症状を緩和・改善するために、「睡眠導入剤」が処方されました。うつ病の症状が強かったときは、服用しても思うように眠れないこともありました。しかし、様々な工夫もしながら症状が弱まるにつれて『(薬を)飲めば眠れる』という状態になったのです。

参考:睡眠薬 | e-ヘルスネット(厚生労働省)

関連記事:【体験談】ASD男性、うつ・不眠症状で眠れない時に行った改善法

『卒薬』して、薬に頼らず眠れるようになりたい!

卒薬を願う、睡眠導入剤を服用している男性
症状が回復し、服薬する必要がなくなることを『卒薬』と呼んでいます。薬は症状を緩和する・治療する働きがあり、効果のあるものです。しかし、誰もがいつかは、『薬を飲まなくても生活できるようになりたい』と思っているのではないでしょうか。

筆者もうつ病発症当時に処方された精神安定剤については、まだ継続して服用しています。しかし、9年間かけてようやく睡眠導入剤から卒業できました。

今回は、睡眠導入剤の『卒薬』をテーマに

・どのように服用してきたか
・医療機関とどのように相談してきたか
・減薬、卒薬のタイミングはどのように決めていったか

これらについてお伝えしていきます。

参考:かかりつけ薬局の目的は薬歴管理や医療費削減ではなく「卒薬」 | プラセボログ

睡眠導入剤を服用するうえで心がけてきたこと

不眠症状により、住みん導入剤を服用して眠る男性

原則、医師・薬局の指示通り服用する

当然ですが、医師や薬局などの医療機関の指示通りに服用することが原則です。特段の事情がない限り、服用しない・多く服用するなどをしたことはありません。また通院も、うつ発症から今に至るまで欠かさず通っています。

体調など、医師に状態を具体的に説明する

睡眠導入剤に限らず、薬の作用や服用時の状態については、細かく医師に伝えてきました。さら詳しく説明すると、『服薬内容を変更してもらいたいときの伝え方を具体的にする』ことです。ポイントとして

・現在の服薬内容で、不便な点を伝える(朝、起きることが辛くなった。夜は眠れている など)
・『こう変えれば、改善されるのでは』など自分の意見を伝える(薬を減らすことで朝起きることが改善されると思っている など)
・服薬内容の変更後、どのように体調が変化したかも忘れず伝える(薬が減ったおかげで、朝起きることがスムーズにできた など)

この3つになります。これはかかりつけの医療機関にもよりますが、自分の体調について、医師はすべてを知っているわけではありません。特に体調の変化について知るのは、医師よりも早いケースが多いです。だからこそ今の体調に合わせた服薬内容にしてもらうために、具体的に状態を伝えるようにしています。

関連記事:体の震えが止まらない時、抗うつ薬の副作用で医師に相談した体験談

お薬手帳をもとに、服薬の変化を確認する

現在では薬局で薬を受け取る際、お薬手帳を持参するように言われるようになっています。その影響もあり、筆者も薬を受け取る際はお薬手帳を常に持つようにしています。お薬手帳を常に持っていることで、これまでの処方内容を「記録」として見ることができます。どんな時期に服薬内容が変わったか、働き始めてからの服薬内容はどうであったかなど振り返るのに活用しています。

この情報も元にして、医師に状態を伝えるようにしているのです。

参考:お薬手帳について|首相官邸ホームページ

減薬後、眠れないときには、無理せず元に戻してもらう

これまでも状態を伝えることによって、睡眠導入剤を減らしてもらうというケースはありました。しかし、『眠れなくなった』など良い状態が見込めない時は、すぐに元に戻してもらうようにお願いしました。この時は無理をせず、すぐに伝えるようにしています。

『はあ…減薬できなかったか…』とショックになることもありましたが、地道に体調管理を続けてきました。

卒薬をお願いするタイミングは、どうやって決めた?

睡眠導入剤の服用を卒業した男性
睡眠導入剤が『なくても大丈夫』かな、と決めるきっかけは、毎日の起きた時の状態を記録していることです。これを『眠気が強すぎること(=睡眠導入剤が不要な状態)』を見極める材料として常にチェックしてきました。

卒薬を決める基準として、下記のようにいくつか段階を想定していました。参考にしていただけると幸いです。

【薬と体調の段階】※番号が若いほど不眠状態が強い
①薬を飲んでも眠れない
→(筆者の場合)うつ発症から1年間くらい
②薬を飲めば眠れるが、起きることがスムーズにできない
→①から3年間くらい(再就職するまで)
③薬を飲めば日常の生活は可能。飲まないと全く眠れない
→②から4年間くらい(職場を辞め、就労移行支援に通うまで)
④薬を飲まなくても、浅い眠りや短時間の睡眠ができる
→③から1年間弱くらい
⑤薬を飲まなくても、通常の睡眠ができる
→現在

この⑤と感じた時に、卒薬をお願いしています

継続して朝、眠気が強すぎること』『夜、問題なく眠れていること』などの状態がどれだけ続いたかを確認し、結果的に3回くらい医師にお願いしたうえで晴れて卒薬となりました。

卒薬後の現在も、体調管理の一環として記録を続けています。

参考:第51回 睡眠薬の上手なやめ方―「断薬恐怖症」を克服する | ナショナルジオグラフィック日本版サイト

卒薬後の体調はどうなった?

快適に眠れている様子
卒薬直後は、やはり「薬がない」という意識から眠るまでに時間がかかることがありました。時折市販の睡眠改善薬を服用しながら、できる限り服用せず眠れるように取り組んできました。

時間が経つにつれて、何も服用しなくてもぐっすり眠れるようになりました。卒薬決定後から概ね、1ヶ月半くらいでしょうか。

また、冒頭にお伝えした通り卒薬できたのは『睡眠導入剤のみ』です。現在も量や内容は変わっていますが、今でも精神安定剤の服用は続いています。そのため今回と同じように、

・体調や服薬時の状態のチェック
・医師に具体的な状況を伝える
・通院は欠かさず行う

この点に関しては、今も変わらず行っているのです。

参考:くすりを止める時|からだとくすりのはなし|中外製薬

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まとめ

卒薬後の快眠のイメージ
いかがでしたでしょうか。

うつ発症から睡眠導入剤卒業まで、およそ9年間かかりました。特にうつ症状のひどかったときは、週に一回服薬内容の調整をお願いしたほど睡眠の改善に苦労したものです。このような苦労があっても今までこれたのは、医療機関はもちろん家族のサポートのおかげと感じています。

現在も睡眠導入剤を服用していて「いつか薬から卒業したい」と感じている方に、少しでもきっかけになりましたら幸いです。

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