職場で気を付けること4つ【大人の発達障害を持つ方の仕事スキル】

あなた・職場・医師・支援機関での「チームワーク」を高めて、職場定着を目指そう!

発達障害を持つ方は、職場定着が難しい。

発達障害を持つ方の就職件数が増えています。

就職後、差別の禁止や業務上の配慮なども法律で定められ、過去と比較して働きやすい環境になってきています。しかしながら、就職して1年で3割の方が離職しています。発達障害を持つ方が、どうしてすぐに仕事を辞めてしまうのか。主な原因は大きく分けて3つあります。

参照:障害者職業総合センター研究部門 障害者の就業状況等に関する調査研究(平成29年)

発達障害を持つ方が離職する「3つの原因」

1)業務上遂行に課題がある

作業環境(音やにおい)が合わない、緊張感が強い、仕事が覚えられない、仕事のパフォーマンスが悪い、遅刻や欠勤が多い など

【例】
〇視覚が敏感なため、窓やパソコンのモニターの光に弱い。
〇パソコンのキーボードを打つ音や、電話の着信音が苦手。
〇慣れない人を前にすると緊張してしまう。
〇気を付けているのに、何度も同じミスをしてしまう。
〇書いたメモの内容を、後で見ても理解できない。
〇朝が弱く、起きるのが辛い。

2)体調面の問題

具合が悪い時、自由に休めない など

【例】
〇風邪でもないのに休むと「サボっている」と思われるから休めない。
〇信用を失いたくないから、休むことができない。
〇急に具合が悪くなっても、自由に休憩ができない。

・・上記の理由から無理をしてしまい、体調を崩すケースがあります。

3)対人関係

コミュニケーションがうまくいかない、相談する相手がいない、孤立してしまう など

【例】
〇報連相の方法が曖昧で、どうしたらよいか迷ってしまう。
〇「何かあったら『いつでも』相談してね」の「いつでも」がいつなのか分からない。
〇相談する上司が出張などで不在の時、どうしたらよいのか分からない。
〇周囲の方がどう思っているのか気になり、不安になってしまう。

参照:障害者職業総合センター研究部門 発達障害者の職業生活への満足度と職場の実態に関する調査研究(平成27年)

このような原因で離職してしまう方が多いです。これを防ぐためにはどのように注意すれば良いのでしょうか?以降、筆者の体験をもとに「気を付けること」をご紹介します。

職場で気を付けること4つ【大人の発達障害を持つ方の仕事スキル】

医療機関の指示に従って、健康管理を心がける。

発達障害を持つ方が長く職場に定着するためには、健康管理が基本です。

医師の指示に従って、健康管理を心がけましょう。無理をするとうつやパニック障害など、発達障害をもとに二次障害を併発するおそれがあります。疲労や不調を感じているときは、早めに休むことも立派な「対処」です。無理をせず、安定した生活リズムを保ちましょう。

関連記事:発達障害の二次障害ってどんなものがあるの?事前にできる予防法は?
関連記事:【医師に要相談】発達障害を持つ方にかかわる、服薬の効果と注意点

支援機関のスタッフの方と、定期的に相談する

コミュニケーションの方法や、仕事の進め方などで困った場合は支援機関に相談しましょう。就労移行支援事業所を利用している場合は、就職後の定着支援を受けられますので、安心して仕事をすることができます。

Saladでは、このような支援を受けられる就労移行支援事業所を紹介しています。気になった方はこちらで実際に取材させていただいた就労移行支援事業所を見ることができます。ぜひご覧ください。

あなたの特性を理解して、説明できるようにする。

あなたの特性を定期的に見つめ直して、理解を深めていきましょう。長く勤務することで、入社時に伝えていない課題が出てきます。

その時にあなたの「助けの求め方」が大切になります。職場の上司や同僚の方に相談しながら、「自分の生かし方」を考えていきましょう。また、不調のときや困ったときでも説明できるように工夫することも大切です。

関連記事:自己理解を深める!発達障害特性に役立つナビゲーションブックとは?
関連記事:面接で企業に伝える「自分の障害について」作成ポイント4つ

障害を持っているからといって、気負い過ぎない。

「自分は障害を持っているから・・」「障害者雇用で、他の人より仕事をしていないから・・」と気負い過ぎる必要はありません。発達障害を持つ方にとって、不安はミスと不調を呼ぶ「引き金」になります。
気負い過ぎず、「自分は職場のために何ができるだろう?」という考え方で仕事に臨みましょう。その方が心身の健康をキープでき、かつ成長しやすくなります。

関連記事:大人の発達障害を持つ方が、職場で劣等感を持ったときの対処法

自分の働き方に疑問を感じたら、「カスタマイズ」をしてみよう

「今の仕事は苦手なことばかり・・」「もっと頑張りたいのに、自分を生かしきれなくてもどかしい・・」と感じている方はいませんか?今、カスタマイズ就業という新しい働き方が出てきています。

あなたの生かしたい特性を、企業側も大切な「個性」として求めるスタイルです。興味を持った方、「自分の得意なことを生かして働きたい!」と感じた方はぜひSalad編集部までご相談ください。

関連記事:【発達障害を持つ方の就職】あなたもできる「カスタマイズ就業」とは

まとめ

いかがでしたでしょうか。

今回ご紹介した4つのポイントを心がければ、発達障害を持つ方でも職場で充分に活躍できます。「どうして自分だけこんなに気を付けないといけないの・・」と嘆きたくなる方もいるかも知れません。

しかしながら、障害を持たない方よりも「自分と向き合わないといけない困難に直面した」ことは、のちに財産になります。今は辛いかもしれませんが、あなた・職場・医師・支援機関のチームワークで取り組んで、職場定着を目指しましょう。

(筆者紹介)
30代男性。大人になってから発達障害、ASD(自閉症スペクトラム)と診断されている。公務員として10年間勤務、うつ病を経験し民間企業の障害者枠の事務職として4年間勤務。民間企業勤務3年目でうつ症状に遭い、めまいや不眠、倦怠感などに襲われたが、セルフケアを行い職場復帰した経験を持つ。1年間、就労移行支援事業所に通所して、強みを生かす就職が実現した。