『環境調整』とは。大人の発達障害が持つ困難感やストレスの改善法

発達障害は、生活のあらゆる場面で困難感を持ちやすい

仕事のコミュニケーションに困難感がある、発達障害を持つ女性

生活の中で生きづらさを感じやすい

発達障害を持つ方は、生活のあらゆる場面で生きづらさを感じやすいことがあります。そのため「仕事で周囲から理解を得ることが難しい」ときや、「日常生活の中で周りができていることが、うまくできない」など、困難感を持つケースが多いです。

中には「自分だけできていない」ことを知っていて、「自分はダメな人間なのかな…」と悲観してしまうこともあるかもしれません。仮に知人などに相談したとしても、「そんなことは努力すれば何とかなることだ」「注意が足りない」など言われ、理解してもらえない辛さを感じたことなどもあるでしょう。

参考:資料1 宮本信也 筑波大学教授 発表資料
参考:大人の発達障害 | メンタル・プロ

発達障害の困難感を解消したい!

困難感があり苦しんでいる女性

このように発達障害を持つ方は、一般的に「普通」と考えられている物事を行うのが苦手なケースがあるのです。これは仕事でも現れることが多く、困難感からくるストレスから、うつ病や適応障害などの二次障害につながることもあります。

これを改善する方法として、薬物療法により集中力などの問題を改善する方法もあります。さらにもう一つ『環境調整』という方法があるのです。今回はこの『環境調整』について紹介していきます。

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『環境調整』とはなに?

環境調整について検証する、発達障害を持つ女性
環境調整とは、ストレスの原因となる環境を調整しストレスを軽減できるようにすることです。調整する環境の対象として、

・職場
・学校や訓練施設
・家庭
・人間関係

これらにおいて、困難を感じている環境を調整していきます。これは周囲の人間や体制を変えるのみでなく、障害を持つ方本人の行動や生活を調整するケースもあるのです。これらは単独で行うのではなく、

・職場であれば上司や同僚
・家庭であれば家族
・その他、医療機関や支援機関

これらの方たちと相談しながら行っていく形になります。

参考:解消法(環境調整)|抑うつ|うつ|症状別解消法|コミコミクリニック みんなの家庭の医学

環境調整の主な例

上司に悩みを相談し、信頼関係を築けた女性

職場での環境調整

職場での環境調整には、以下のようなものがあります。

【職場での環境調整例】
・(困難)仕事量が多い → (調整)仕事の量を減らすなど調整してもらう
・(困難)どうしても苦手な仕事がある → (調整)配置転換、業務転換を行う
・(困難)○○さんとのやり取りが上手くいかない → (調整)配置転換や業務変更、問題の相手に事情を説明してもらう など
・(困難)夜の付き合い、飲み会などが辛い → (調整)飲み会に参加しないようにしてもらう、食事会を昼に設定する など

これらのように、それぞれが困難に感じていることに合わせ、相談しながら調整していくのです。

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家庭など私生活での環境調整

家庭など、私生活での環境調整には、以下のようなものがあります。

【家庭など私生活での環境調整例】
・(困難)家事が大変で、追いつかない → (調整)休日は外食にして負担を減らす、毎日行う自宅の掃除を2日に1回に減らす、洗濯を他の人にお願いしてもらう など
・(困難)友人たちとの会合が辛い → (調整)会合に参加する回数を減らす など

私生活においての環境調整はこれら以外にも沢山の方法があります。個人の生活や家庭内の状況に合わせ、相談しながら調整していくことが大切です。

環境調整をお願いするときの注意点

環境調整のポイントについてアドバイスする女性

相談相手や負担がかかる人への感謝を持つ

当然のことですが、できないことを他の誰かにお願いすることやそのような調整について考えることは、負担のかかることです。ですから相談する相手や調整によって負担をかける相手に対し、感謝の気持ちを持つようにしましょう。

ただし、「ごめんなさい」「申し訳ありません」のような謝罪の意思が強いと、自信を否定する方向に気持ちが向きやすいです。心構えとして「ありがとう」の姿勢を持つことを意識していきましょう。

こだわりを手放す勇気を持つ

中には負担が大きいことを知りながら、行うことにこだわっているケースもあるかもしれません。『掃除は毎日やるものと決めている』『この仕事は自分がしたい』など、手放したくないこともあるでしょう。このように負担を減らすために調整する方法が、必ずしも自分の理想通りの結果になるとは限りません。しかし、困難を改善するための最善の方法として、時にはこだわりを手放す、他人に任せる勇気を持つことも大切になります。

しばらくは喪失感などもあるかもしれません。しかし、本来集中するべき本質を見直す良い機会として、新しい環境(調整した環境)に適応していく気持ちを持っていきましょう。

調整の結果、問題があった場合は相談する

環境調整の結果、『困難が緩和されなかった』『当初の困難は解消されたが、新たな困難が生じてしまった』など、問題があった場合は相談するようにしましょう。職場では上司、家庭では家族の方と話し合いながら、次の改善法に向けて考えていくのが大切です。

複数回調整しても改善されない場合は、自身の障害特性の中で、まだ理解していない部分があるかもしれません。そのときはかかりつけの医療機関や支援機関にも相談してみましょう。

自分の長所を伸ばす

環境調整は、『できないことを誰かに頼む』という方法が多くあります。このときにどうしても「できないところ」「苦手なところ」を多く意識することで、自分に自信がなくなってしまうおそれもあります。ですから、環境調整と同時に、自分の「良さ」や「長所」を伸ばすことを意識してみましょう。

最終的には、その「長所」を必要とされるようになれば、それもまた困難感を解消する方法にもなるのです。

職場環境に困っていたら、Saladにご相談ください

Salad

今回は、発達障害の特性で困っている時の対処についてお伝えしています。職場で困っていることは上司に相談するように…と紹介しました。しかし中には、理解のない上司や全体的に多忙で調整分の業務を任せることができない…調整できない状況にあるケースがあるかもしれません。そのようなときは、職場環境を見直すことも方法も一つです。

職場で相談できる相手がいない…このようなときは、ぜひSaladにご相談ください。Saladでは、障害を持つ方の強みを活かして働く『カスタマイズ就業』に関するサポートをしております。

もともと環境調整が必要なのは、目の前に置かれた業務や環境が苦手なことであるからです。しかし、毎日の業務が得意なこと、好きなことであればどうでしょうか。困難と感じる機会は少なくなるのではないでしょうか。カスタマイズ就業は、そのような「得意なことを活かして困難感を緩和し、かつ社会貢献を果たす」考え方なのです。

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まとめ

環境調整により充実している女性
いかがでしたでしょうか。

環境調整の効果は、できない部分を埋めるだけではありません。調整によってより発達障害の良さを活かしやすくするための方法でもあります。そうして調整を受け、活かせるようになった長所でもって、苦手な部分を補ってくれている方の「苦手な部分」をサポートするというのも良いでしょう。そうした形で助け合いが成立することが、最も大切なことなのではないでしょうか。

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