【発達障害】ADHDとアスペルガーの違い。両方持つとどうなる?

ADHDとアスペルガーは、同じ発達障害でも特徴に違いがある

ADHD・アスペルガーなどさまざまな発達障害をもつ人々

発達障害を知る方が増えている

「発達障害」がメディアなどで取り上げられるようになり、当事者でなくても知っている方が増えました。職場にも障害者雇用などのチャンスが増え、発達障害の方が働く機会も増えました。

発達障害でもさまざまな特徴がある

しかし、同じ発達障害でもさまざまな特徴があります。「同じ発達障害なのに、自分とは性格も対処も反対…」ということはありませんか?

今回は、そのような方の疑問を解消するべく、
○ADHDとアスペルガーの違い
○ADHDとアスペルガーの共通点
○ADHDとアスペルガーの特性を両方持つ方はいるのか

についてご紹介します。

参考:発達障害|病名から知る|こころの病気を知る|メンタルヘルス|厚生労働省

ADHDとアスペルガーの特徴

ADHDとアスペルガーの特徴を説明する男性

ADHD(注意欠如・多動性障害)

○Attention-Deficit/Hyperactivity Disorderの略称
○何らかの理由で脳内の神経伝達物質「ドーパミン」が不足することで起こる。

【主な特性】
○注意力の欠如
忘れ物・なくし物をよくする、人の話を聞いていないなど。

○衝動性
その場で思ったことを言ってしまうなど。

○多動性
落ち着きがない。じっとしていられないなど。

関連記事:ADHDとは。原因は脳内物質の働きにあった!?改善策も!
関連記事:【大人の発達障害】ADHD・ADDを持つ方の特徴は?自分の興味を活かそう!

ASD(自閉症スペクトラム)とは

○「Autism Spectrum Disorder」の略称
○アスペルガー症候群、自閉症もASDの一種です。

【主な特性】
○コミュニケーション、言葉を介さないやり取りが苦手
○変化を嫌い、決まりや定型パターンを好む。
○こだわりが強い。
○感覚過敏。など

関連記事: 【大人の発達障害】ASD(自閉症スペクトラム)の特徴と問題解決法
関連記事:【大人の発達障害】「アスペルガーの人は記憶力がいい」って本当?

2つの発達障害の特徴はこのようになります。さて、この2つの障害の違いはどんなところにあるのでしょうか?ポイントを整理しました。

参考:発達障害の特性(代表例)|厚生労働省

ADHDとアスペルガーの特徴の違い

ADHDとアスペルガーの特徴の違いのイメージ

注意や関心の向き方が違う

○ADHD
あらゆる物事が目につきやすく、行動力があることが多い。そのため、注意・関心が自分より「外に」向きやすい。

○ASD(アスペルガー)
意思を外に出して表現するのが苦手。こだわりが強く、自分のパターンを意識するため、注意・関心が自分の「内に」向きやすい。

得意分野が違う

○ADHD
ひとつの場所に留まらず、活動的に動くのが得意。じっとしていられない、落ち着きがないのが弱点であることが多い。

○ASD(アスペルガー)
同じ場所で1つのことに集中して取り組むのが得意。じっとし過ぎて、過集中になりやすいのが弱点であることが多い。

他者から見る雰囲気が違う

○ADHD
人当たりがよく、明るい雰囲気を持つ方が多い。

○ASD(アスペルガー)
大人しく、控えめな方が多い。

ただし、どちらも本人の内面が必ずしも一致するとは限らない。

執着の強さが違う

○ADHD
注意興味が移りやすいため、1つのことに対して執着の強いことは少ない。よって気持ちの切り替えが得意な方もいる。ただし、関心のあることに関しての執着は強い場合がある。

○ASD(アスペルガー)
関心のあることへの執着が強い。関連したことの記憶力も高いことが多い。しかし過去を引きずりやすく変化が苦手なため、気持ちの切り替えも苦手なことが多い。

参考:ASD(自閉スペクトラム症、アスペルガー症候群)について| e-ヘルスネット(厚生労働省)

参考:ADHD(注意欠如・多動症)の診断と治療| e-ヘルスネット(厚生労働省)

 

同じ発達障害でも、全く違う特性を持つ

このように、同じ障害でも、全く違う特性を持っています。職場で同じ障害を持つ方と噛み合わない時、「同じ発達障害なのに・・・」「同じ障害者雇用なのに・・・」と感じていませんか?

状況によっては、全く反対の物事が得意であったり、困難を感じたりするわけです。

さて、この2つの障害ですが、「共通点」はあるのでしょうか?

ADHDとアスペルガーの特徴の共通点

ADHDとアスペルガーの特徴の共通点を説明する男性

コミュニケーションに苦しみやすい

どちらも特徴は違いますが、コミュニケーションに苦しみやすいことが共通しています。

ADHDを持つ方は、相手の話に集中することが苦手です。ASD(アスペルガー)を持つ方は、相手の話の意図をうまく汲み取れないことがあります。これらの理由によって、コミュニケーションに苦しんでいる方が多いです。

自己肯定感が低い

多くの方が、過去に失敗を重ねていたり、周囲とうまく関われなかったりする体験を抱えています。この影響で、「自分はだめな人間なんだ」と意識しがちです。そのため、共通点として「自己肯定感の低さ」が挙げられます。

ストレスの処理が苦手

どちらも「ストレスの処理」が苦手です。ADHDを持つ方は、ストレスや自分の心情の整理が苦手なことがあります。ASD(アスペルガー)を持つ方は、変化が苦手なため、過去に受けたストレスを解消することが苦手です。

どちらもストレスの処理が苦手なことで、うつ病やパニック障害の二次障害を招きやすい特徴があります。

関連記事:発達障害の二次障害ってどんなものがあるの?事前にできる予防法は?

興味関心のあるものに力を発揮しやすい

どちらも強みとして、「興味関心のあるものに力を発揮しやすい」点があります。そのため、専門職に力を発揮する方が多くいます。

参考:発達障害 | キーワード | e-ヘルスネット(厚生労働省)

ADHD・ASD(アスペルガー)の特性をともに持つ方もいる

ADHD・ASD(アスペルガー)の特性をともに持つ方

従来は、ADHDとASD(アスペルガー)を併存して持つ方はいないとされてきました。しかし、日本での研究が進み、現在では併存して持つことが国際的に認識されました。

もちろん、2つの特性を持ち合わせることで発生する困難も多くなります。どちらかひとつの診断を受けていて、「他にも苦手なことがあるな・・・」など疑問や不安を感じていた方は、この記事の特徴をチェックして振り返ってみてください。

参考:ASD(自閉スペクトラム症、アスペルガー症候群)について | e-ヘルスネット(厚生労働省)

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まとめ

いかがでしたでしょうか。

今回は、2つの障害特徴の違いを紹介しました。しかし、実際には発達障害の特徴にぴったり当てはまるという方は少ないのではないでしょうか。

最終的には、これらの特徴を確認していって、あなたの「個性」を見つけ出していくのがベストです。その個性を活かし、「カスタマイズ就業」で、社会で活躍する方法もあります。

あなたも自分の個性で活躍してみませんか?興味がありましたらぜひSalad編集部までご相談ください。

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