【発達障害】「カミングアウト」という言葉のいらない個性にしよう

発達障害が「個性」であるという考え方

発達障害は、障害ではなく神経発達のズレとして、個性とする見方がある

発達障害がメディアなどで取り上げられるようになりました。法律なども制定され始め、発達障害を持つ方が活躍できる社会になり始めています。

近年では、発達障害は障害(欠如)ではなく神経発達のズレとして、個性とできるとの見方も広がってきています。

参考記事:発達障害とは「欠如」ではなく「ずれ」である
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しかし、実際に個性として活かせている方は少ない

しかし、発達障害を個性だと認識している方は果たしてどれくらいいるのでしょうか。「職場で良くミスをする・・」「うまく話せない・・」など、個性だと信じる余裕もなく、困難さが先行していることが多いです。

一生懸命就職活動をして仕事を始めても、職場環境に困難を感じて辞めてしまう方もいます。

本当の個性にするカギは、「カミングアウト」の言葉にある

発達障害を「個性」として自立(=自律)するためには、どんな気持ちで臨んでいけばよいのでしょうか。そのカギは「カミングアウト」という言葉にあります。

まず、発達障害を伝えるのに、「カミングアウト」という言葉がなぜ使われるのかについてお伝えします。

発達障害を話すとき「カミングアウト」と考える理由

負い目がある

何か「これを話したらまずいかな・・」というときに「カミングアウト」という言葉を使っていませんか?

これまでひた隠しにしていたことを話す、というときにカミングアウトする、と使われているのではないでしょうか。

個性というよりも、困難に感じている気持ちが強い

事実、発達障害に関する困難さを感じている方は多いです。仕事や日常生活の中で、不便な感覚を突き付けられると「個性」の意識が薄れてしまいます。周囲に迷惑をかけないために、「カミングアウト」が必要なほど、奥底にしまってしまいます。

このような心理から、発達障害が個性からどんどん離れてしまいます。「カミングアウト」という言葉は、自分に向けた「差別」なのかも知れません。

発達障害を個性に変えるヒント

他の個性と同じ視線で考える

自分の個性や特徴を話すことに抵抗を感じる方はいないのではないでしょうか。出身地、血液型、星座や性格、得意教科など・・たくさんあります。

人により個人差はありますが、これらを他者に話すときに負い目や抵抗を感じているでしょうか?「カミングアウト」という言葉の力を借りないと話すことができないくらい、発達障害を話すことは勇気がいることなのでしょうか?

本当に障害を「個性」と言うならば、もっと自身のなかで自然に存在しているものです。確かに障害で困難はありますし、周囲にも迷惑をかけることもあります。

しかし発達障害を個性として活かすためには、他の個性や特徴と同じ目線で考えていくことが大切です。そこではじめて、発達障害がプラスに働き始めます。

今いる環境を見直してみる

今いる環境は、「頑張れば個性にできる」環境でしょうか?働き方の多様化が進むこれからは、無理に適応することよりも、いかにあなたにフィットした環境を選べるかが大切です。

分かりやすく例えると、プロ野球選手が無理にサッカーで勝負して、サッカー選手より活躍することができるでしょうか?
持ち前の運動神経で、うまく立ち回ることはできるかも知れません。しかしそれは、本当に幸せなことなのでしょうか?もちろん野球選手なら、野球で勝負した方が活躍できますよね。

発達障害を持つあなたにも、同じことが言えるのではないでしょうか。いま、困難に感じているのは、フィールド(=環境)が違うからかもしれません。

その、活躍できるヒントが「カスタマイズ就業」です。困難さの解消を優先するのではなく、あなたが本来持っている強みを活かそうという考え方です。

もし、今の環境に困難さを強いられているのなら、一度見直してみることをおすすめします。

関連記事:【発達障害を持つ方の就職】あなたもできる「カスタマイズ就業」とは
関連記事:ADHDの適職は?カスタマイズ就業で、向いてる仕事を見つけよう

自己理解を深めてみる

あなたに合う環境を探す条件として、「あなたがどういう人間か」を知っていることが必要です。自己理解が深ければ深いほど、より的確に合う環境を選ぶことができます。

先ほどの野球選手の話でいえば、あなたが自分で「野球選手である」ことを知らないと、どんなに野球場に来ても「自分と合う環境である」ことに気付けないですよね。

そのために自己理解が必要になります。いまいちど、あなたの特性を見直してみることをおすすめします。

関連記事:【体験談】就職活動でPR!発達障害の「強み」の探し方

【体験】現状に悩んだことが、個性を活かすべきというサインだった

我慢することが稼ぐことだと思っていた

筆者自身、過去に2ヶ所の職場を経験しています。

エクセルの入力など、「比較的できる」ことは業務でも活かせていました。しかし、「個性」「強み」というとどうだったでしょうか。自分自身で個性や強みを避けていた気がします。

「仕事は、お金を稼ぐこと。嫌なことを我慢してするものだ」「好きなことはあくまで趣味。お金を稼ぐのは、せいぜい小遣い程度にするべきだ」などと、個性を活かすのは「ずるい」「逃げ」だと感じていたからです。

そうして、自ら個性を活かすことを避けていた気がします。

現状に困難を感じたのは「幸運」だった

そう考えると、現状に困難を感じて悩んだことは、「幸運」でした。必要に迫らなければ、人は本気で変わることはできないからです。

個性を活かす以外に生きる道がなかった。今思えば、本当に良かったと感じています。現状に悩んだことが、「個性を活かすように」というサインだったのかも知れません。

個性を前面に出して活躍することができれば、自身の障害を前面に出すことになります。わざわざ「カミングアウト」をする必要もないのです。

就労移行支援事業所で、あなた自身や今の環境を見直してみよう

「今いる環境や自分自身を見直してみたい!」と感じていただけたでしょうか?

もしそう感じて実際に方法を考えてみたい場合は、就労移行支援事業所で学ぶことができます。就労移行支援事業所では、障害を個性として活かすためのトレーニングや自己理解を深める訓練ができます。興味を持った方はぜひSalad編集部までご相談ください。あなたの希望する働き方を見つける、お手伝いをさせていただきます。

参考:取材済の就労支援事業所一覧

おわりに

【あなたの発達障害を、自然体で話せるように】
いかがでしたでしょうか。

困難に感じている以上、発達障害を完全な個性として受け止めることは難しいかもしれません。しかし特徴があれば、必ず活きる道はあります。「カミングアウト」がいらないくらい、あなたの個性は浸透できます。

いま、自分の生き方や働き方に疑問を持っている方へ、この記事が自身を見直すきっかけになれれば幸いです。

【筆者紹介】
30代男性。広汎性発達障害、ASD(自閉症スペクトラム)の診断を受けている。過去に2ヶ所の職歴がある。自分の特性が原因で苦しんだ結果、最初の職場でうつ病にかかり、4年間のリハビリを経験。一年間、就労移行支援のトレーニングを経て、個性を活かす仕事に辿り着くことができた。