【大人の発達障害】障害は本当に「個性」なの?その線引きは何なの?

「障害」か「個性」なのか。線引きが曖昧で分かりにくい

障害を個性とする考え方が出てきている

最近、世間では「障害は個性である」とメディアで取り上げられるようになりました。とても前向きで良い言葉です。

しかし、障害を持たなくても、障害を持っていても、半信半疑な方が多いのではないでしょうか。

参考:発達障害者支援法の改正について – 厚生労働省

線引きが曖昧で、個性だと信じにくい

障害を個性だと信じきれない理由は「明確な線引きがない」ことではないでしょうか。

特に発達障害を持つ方には、明確な基準がないと不安に感じる方もいます。そのような方でも「個性」だと言い切れる要素は、いったいどんなことなのでしょうか。

今回は、障害と個性を分ける線引き=障害を個性に変える方法について、一緒に考えていきましょう。

障害と個性の線引きは「あなたの意志」

まず、障害と個性とを大きく分ける要素は、「あなたの意志」です。

発達障害を持っていても、あなたが困難に感じていなければ、それは障害ではありません。中には生活環境などから、自身の障害に気づかないまま生活する方もいます。

また、あなたの発達障害を社会や周囲のために生かせていたら既に「個性」なのです。したがって、今あなたが障害に悩んでいるなら、それはまだ「個性に変わりきれていない」ということです。

それでは、どのようにして障害を個性に変えれば良いのでしょうか。あなたが障害と感じていることを個性に変えるヒントを紹介します。

【大人の発達障害】障害を個性に変えるヒント

これまでの経験の中で、問題なく行ってきたものを思い出してみる。

まずはあなたが問題なく行ってきた物事を思い出してみましょう。障害で感じた苦労の方が強く印象に残っていて、思い出せない方もいるかもしれません。

あなた自身でよく思い出せない場合は、あなたをよく知る家族や友人に聞いてみましょう。過去に日記などの記録を付けていた方は、そちらを参考にしてもよいかもしれません。

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障害と個性は表裏一体。ヒントはあなたの悩みの中にある

障害と個性は表裏一体です。そのため、あなたが障害を理由に悩んでいることに、個性のヒントがあります。

今回は分かりやすく特徴の例を挙げて解説します。

【ADHD(注意欠如多動性障害)の特徴の「表裏一体」】
◎衝動性
(悩み)つい他人を傷つけることを言ってしまう→(個性)誰も踏み入れていないことに挑戦する勇気と大胆さがある

◎多動性
(悩み)落ち着きがなく、じっとしていられない→(個性)つねにアクティブでいられる、行動力とバイタリティーがある。

【ASD(自閉症スペクトラム)の特徴の「表裏一体」】
◎こだわりが強い
(悩み)融通が利かず、他者とうまく関われない→(個性)どんなことがあっても意志がぶれない。初志貫徹。

◎感覚過敏
(悩み)通常感じない感覚で具合が悪くなってしまう→(個性)通常気付きにくい感覚や変化に気付くことができる。

このように、「一つの障害で悪い方にしか影響しない」という特徴はありません。必ず良い面と悪い面を持ち合わせています。あなたが今悩んでいるのなら、それはあなたの障害の「裏面」に焦点が当たっているということです。

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得意なもの、強みを活かせることを最優先にできる環境を見つける。

障害を持つ方の場合、周囲から「苦手なものに努力している姿勢」を良きものとして見られやすいです。

反対に、得意なことをせっかく活かしていても、苦手なことへの努力が足りないと「あいつばかり楽をしている」と言われてしまいます。そのため、周りに不快に思われないために、評価されるために「苦手なことをどうカバーしようか」ということを最優先にしてしまいます。

先ほど「障害と個性は表裏一体」というお話をしました。この「裏面」ばかり注目しなければいけない環境は、あなたが辛くなってしまいます。

このように、苦手な物事のカバーに追われる環境では、個性に変えにくいです。あなたが得意なこと、強みと感じていることを遠慮なく発揮できる環境探しこそ、個性に変える要素です。

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あなたの個性はどんな環境で活かせるか、支援機関に聞いてみる。

あなたの個性をどんな環境で活かすことができるのか、迷った場合は就労移行支援事業所などの支援機関に相談してみましょう。就労移行支援事業所では、あなたがどんな強みを持っているのか、「気付く」ところからスタートします。

就職するためのスキルを学び、個性を活かせる就職をするためのサポートを受けられます。事業所は全国におよそ3千か所あり、各事業所によって、学べる内容も異なります。

興味を持った方はこちらの「取材済の就労移行支援事業所一覧」を参考にしてみてください。

その他不明な点や不安な点がありましたらぜひSalad編集部までご相談ください。

参照:厚生労働省 就労移行支援

まとめ

いかがでしたでしょうか。

今、とてもつらい思いをされている方もいるかも知れません。しかし、深く悩むことがあるということは、「高いレベルまで成長できる要素がある」ということです。

障害を持つ方に限らず、どんな方にも個性があります。ですから、障害を持つ方にも個性は必ずあります。この記事が、あなたの悩みを個性に変えるきっかけになりましたら幸いです。

(筆者紹介)
30代男性。成人後に発達障害・ASD(自閉症スペクトラム)の診断を受ける。就労移行支援には、在宅勤務やデザイン系の仕事スキルを学ぶ目的で利用していた。事業所での一年間のトレーニングを経て、個性を活かす就職が実現した。